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「採光(さいこう)」とは何か?|誰でもわかるリノベ用語集

誰でもわかるリノベ用語集824

■採光(さいこう)

「採光(さいこう)」とは建物の窓から日光など室外の光を取り入れて室内を明るくし、物を見やすくしたり良い雰囲気をつくったりすること、またはそのための建築的技術のことを指します。別名を「自然照明」または「昼光照明」ともいい、それに対して電球などの人工的な光源による照明を「人工照明」といいます。

建築基準法には「住宅の居室にはその床面積の1/7以上の面積の採光に有効な開口部が必要」と規定されています。ただし、これは居室に関する法律になるため、居室以外のトイレ、浴室、洗面所、納戸などの収納部屋については採光について問われません。居室については採光の他にも換気や排気、天井高さや床の高さに関する基準などが定められています。

なお、ここで必要とされている室外の光とは必ずしも直射日光を意味しないので、北側の日が差さない窓でも「採光に有効な窓」として扱われることがあります。なぜなら北側の窓でも天空光(自然光)は十分に取り入れることができるためです。北側の窓からは気候や天候に大きな影響を受けずに柔らかい光が一年中安定して得られます。

一般的に、人が暮らす建物には健康上または衛生上の面から自然の光を取り入れる必要があり、室内が明るい方が生き生きした気分が得られるとされています。とはいえ、設置する窓の位置や大きさ、形状によって光の入り方も大きく異なるため、面積のみを重視するのではなく、工夫して配置をすることによってより快適な室内環境になります。そのような採光に関する設計を「採光設計」といいます。

各辞書・辞典からの解説

「採光」について、他の角度からも内容を見ていきましょう。

(1)「精選版 日本国語大辞典」より

「精選版 日本国語大辞典」において「採光」とは「室外の明るさを、縁、窓、天窓などを通して採り入れること。」と説明されています。これについては「光」を「採」り入れるという漢字の意味からも想像できます。

(2)「リフォーム用語集」より

「リフォーム用語集」では「採光」について「建築基準法では、居室に採光のための開口部を設けることが義務づけられており、建物の用途別に、居室の床面積に対する採光上、有効な部分の面積の比率の下限が定められている。」と記載されていました。人が住む建物には採光の面積に関するルールが建築基準法に定められていて、そのことについて説明がされています。

(3)「百科事典マイペディア」より

「百科事典マイペディア」において「採光」とは次のように説明されています。

「自然光を建造物中に採り入れること。一般に窓を通じて行われるが,室内の利用目的に応じ天窓,側頂窓などが作られる。明確に物を見ることができ,明るさの分布が均一で不快感や疲労感を起こさせないものがよい。人工照明,カーテン等を併用して適当な照度分布を保つ工夫が必要。」

こちらでは具体的な採光の方法などについても説明がされていました。

以上より、「採光」とは「窓などを通して室内に自然の明るさを取り入れること」であると分かります。