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「吸音材(きゅうおんざい)」とは何か?|誰でもわかるリノベ用語集

誰でもわかるリノベ用語集864

吸音材(きゅうおんざい)

吸音材は、防音材の一種です。音の振動のエネルギーを弱めて、反射音や透過音を小さくするので「吸音」という表現が使われています。吸音材として使われる素材はいくつかありますが、表面に細かい凹凸があるもの、多孔質なものが吸音効果を発揮しやすいとされています。具体的には、繊維を複雑に絡ませるグラスウールやロックウール、フェルト、ウレタンスポンジなどです。

カーテンなどのファブリックや家具・家電、人なども、吸音材と同じように音を吸収する働きがあります。モノがある部屋は音が響きにくいと感じるのはそのためです。

吸音材について、音の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して音を小さくする、と説明されることもありますが、音が当たると吸音材が熱を持つ、ということではありません。

防音目的では、吸音材だけを設置するのではなく、遮音材との併用が一般的です。吸音材は一定割合の音を透過するので、音を跳ね返す遮音材と合わせることで、室外への音漏れを防ぎます。遮音材で跳ね返された音は室内で反響するので、吸音材で反響音を調節して音環境を整えるという仕組みです。

床や壁の防音リフォーム・リノベーションでは、生活音や楽器練習など、押さえたい音の種類によって、吸音材の使い方が変わってきます。防音対策や音環境整備に経験・知見の豊富な専門家に、アドバイスしてもらうとよいでしょう。