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騒音対策や楽器演奏に。防音シートの選び方と使い方

騒音対策や楽器演奏に。防音シートの選び方と使い方


「近所の騒音に悩んでいる」「楽器を使いたいけど、音漏れが心配」。そんな悩みの助けとなるのが、防音シートです。

しかしどんなタイプのシートをどう使えばいいのか、分からない方は多いのではないでしょうか。賃貸であればキズが残るようなタイプも避けたいところでしょう。

そこで今回は、防音シートはどんなものを選ぶと良いのか、そしてどう使うのかを解説します。
 

防音シートはどんなものを選ぶと良いの?

騒音対策や楽器演奏に。防音シートの選び方と使い方


そもそも、防音シートにはちゃんとした効果があるのでしょうか?

少なくとも、安価で手軽に使用できるタイプの防音シートはあくまで限定的な効果であると考えたほうが良いでしょう。効果をあまり実感できないこともあるかもしれません。

厚い壁やガラスを越えて聞こえてくる音をしっかり軽減させるには、それなりの厚みや素材が必要となり、値段も高くなる傾向にあります。

ここで、効果を出せる防音シートの選び方をお伝えします。


【遮音、吸音性能をあわせ持つもの】

しっかりとした防音効果を求める場合、一般的に遮音機能と吸音機能をあわせ持つものが好ましいとされています。

遮音機能とは音をはじく機能のこと。部屋の内外からの音を跳ね返し、外または室内に漏れにくくする働きを持ちます。

一方の吸音機能とは、文字通り音を吸収する働きのことを言います。

遮音機能で音をはじき、吸音機能で音を吸収する。この2つの機能をあわせ持つものが防音シートとして好ましいと言えます。仮に遮音機能のみを持つシートを使った場合、音の反響が強くなり余計にうるさく感じてしまうおそれもある点に注意しましょう。


【素材に金属やグラスウールなどが含まれるもの】

グラスウールはウレタンフォームと並び、吸音材として代表的な素材の1つです。これらがシートに含まれているか、しっかりと確認すると良いでしょう。

また、基本的に金属が含まれるシートほど効果も高いとされています。そのため、防音効果の高いシートは基本的に厚く重く、場合によってはDIYに向かない場合もあります。


【すき間なく設置できるもの】

防音効果の高いシートであっても、すき間が空いてしまうと十分に効果を発揮できません。防音シートにはパネルのように貼り合わせるタイプや、自分でカットして貼り付けるタイプなどがありますが、設置したい面にすき間なく貼ることを意識して商品を選びましょう。
 

防音シートを買う前に。音がどこから来るか確かめよう

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騒音の対策をする場合、まず必要なのは音が伝わってくる場所の特定です。壁一面に防音シートを貼ったとしても、窓からの騒音を防ぐことは難しいでしょう。


【外から窓ガラスを通して聞こえる】

屋外からの騒音は、大部分が窓を通して聞こえてくると言われています。車や電車の走行音、繁華街や工事現場の音が気になる方は、窓に対策をしたほうが良いかもしれません。

特に「高気密な建物のはずなのに騒音が気になる」という方は、壁よりも薄くすき間のある窓から音が入ってきていることも考えられます。


【隣室から壁を通して聞こえる】

集合住宅では、壁の薄さのため隣人の生活音などが聞こえてしまう場合もあるでしょう。しかし隣人の騒音は、壁だけではなく窓やドアからも聞こえる場合があることに注意しましょう。


【上の階から天井を通して響いてくる】

上階の住人の生活音の中でも、テレビや話し声は天井への防音シートの設置で軽減することが可能と言われています。しかしイスを引きずる音や足音のように響いてくる音は、防音シートでは軽減できないこともあるため、管理会社への相談や業者へのリフォームが必要となるかもしれません。
 

場所別の防音シートの種類と使い方

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せっかく手に入れた防音シートでも、間違った使い方では効果が落ちてしまいます。どんな防音シートをどう使えば良いのか、その例をご紹介します。


部屋の壁に使う防音シート

壁に使う防音シートには、貼り合わせて使うパネル状のものやロールから切り取って使うものがあります。賃貸で壁にキズを残したくない場合、小さなピンで固定するタイプや、粘着面があり貼って剥がせるタイプを選ぶと良いかもしれません。

できるだけすき間なく貼りつけることが重要です。基本的には防音性能が高いシートは分厚く重くなる傾向にあるため、シートの固定はしっかり行いましょう。強力な粘着テープを使うのも1つの方法です。


窓ガラスに使う防音シート

窓の場合、採光を失わないためには透明な防音シートを使用する必要もあります。透明なタイプは窓用の防音シートとして、ネットショップでも販売されているようです。

ガラスが2枚重ねられていたり、網が入っていたりする窓には直接の貼り付けは推奨されていない場合があります。シートを貼り付けた面は日光で熱を持ちやすく、ガラスの中の温度差により割れてしまう「熱割れ」が発生する可能性があるからです。

窓用の防音シートを購入する場合はその商品の説明書きを見て、自宅の窓に使用可能かどうかチェックしましょう。


床に使う防音シート

床に防音対策をする場合、ゴム製の硬いマットととカーペットのような柔らかいマットを組み合わせる方法が推奨されています。

ゴム製の硬いマットは防音性が高く、階下からの騒音や自室から発生する音をより抑えてくれるでしょう。しかしゴム製のマットだけでは、足音やドラムを叩いた音のように振動して伝わる音にはあまり効果がみられない場合もあります。

そこで必要なのが、カーペットのような柔らかいマット。振動音を低減する効果が期待できます。この2タイプの防音マットを組み合わせることが効果的でしょう。
 

まとめ

ご自宅を騒音から守るため、または近所へ迷惑をかけないための対策の1つである、防音シートについて解説しました。音の発生する場所や種類によって、買うべき防音シートや使用方法が変わることがお分かりいただけたと思います。

自宅での快適な暮らしや仕事への集中のために、音に悩む方は検討してみてはいかがでしょうか。