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防音リフォームの際に押さえておきたいポイント

防音リフォームの際に押さえておきたいポイント

日々生活していると、どうしても生活音がでてしまいます。話し声、床を歩いた時の音、DVDで映画鑑賞、楽器の演奏等あげてみればきりがないでしょう。ドタバタとした音は階下の住民にとっては騒音ですし、また、映画鑑賞や楽器演奏などは、騒音になってはいないかと気になってしまうと、集中もできませんね。さらに、話し声が家の外に漏れてプライバシーが守られていないのでは、といった心配やペットの鳴き声などが周囲の人の迷惑になっていないか等も気になります。

そこでこれらの音への対策として、防音リフォームの検討が必要になるでしょう。防音リフォームは集合住宅であるマンション等では特に重要と言われます。この記事では防音について解説し、個別の防音リフォームについて紹介していきます。
 

リフォームの前に。防音ってなに?

防音リフォームの際に押さえておきたいポイント

そもそも「防音」とは何でしょうか。防音にも色々な種類があるとされますが、大きく分けると「吸音」と「遮音」に分けることができるでしょう。


吸音とは

吸音とは読んで字のごとく、こちらが出す音を吸収し、外に漏らさないことをいいます。こうすることで、家の場合には、室内の会話が漏れることもないので安心してかなりデリケートなことも話せるでしょう。

具体的にどの様なことをするのかというと、スポンジ状の素材で空気音の反射を少なくし、音の反響を抑えます。なぜ、スポンジ状の素材を用いると空気音の反射が小さくなるのかというと、音が小さな繊維にぶつかることでエネルギーが小さくなる効果があるとされます。それを繰り返すことによって音を聞こえないレベルまで下げることが可能と言われます。吸音材は床、壁、天井に取り付けることで生活音を外に漏れないようにすることができるでしょう。


遮音とは

遮音とは外部からの音を遮ることを指します。吸音が音を出さないのに対し、遮音は音を入れさせないと言えるでしょう。

遮音の方法としては、重い材料、気密性の高い材料で音を入れさせない等の方法があるようです。また、二重窓を設置したり厚手のカーテンを用いることでも遮音性を上げる効果が期待できます。


吸音・遮音の組み合わせが重要

防音を十分に行うには吸音と遮音の両方が必要とされます。

例えば、オーディオを鳴らす部屋に遮音だけしたとしましょう。遮音は音を跳ね返します。ですから、遮音だけだと部屋の中に大きな音が反響し、快適な空間とは言いづらい状況でしょう。また、吸音だけでは外からの音を防ぐことは難しいとされます。ですから遮音・吸音の両方が必要であると覚えておいてください。
 

具体的な防音リフォーム

防音リフォームの際に押さえておきたいポイント

防音リフォームは、部屋の状況によって様々な対策が考えられます。代表的な防音リフォームを以下で個別に紹介していきます。


床の防音リフォーム

お子様が走ることで生じる足音や、ペットの足音は階下の住民にとっては騒音になり得ます。放っておくと階下の住民との間で思わぬトラブルに発展しかねません。騒音は小さいに越したことはないしょう。

床の防音リフォームとしては、吸音・遮音性の高い素材のものに張り変える方法や既存の床板に新たに重ね貼りする方法、さらに、もっと防音性を高める二重床工法が代表的です。


・床の張り替え
まずは床の張り替えです。既存の床を撤去して、防音機能に優れている床に張り替える方法です。防音機能に優れている床は緩衝材を用いているため、普通の床とは踏み心地が異なると言われます。事前にショールーム等で踏み心地を確かめた方が良いでしょう。


・重ね張り
次に紹介するのは重ね張りです。既存の床の上にそのまま防音性に優れている床材を張ります。張替と比べ、床を撤去する費用、撤去した床を処分する費用がかかりません。また、撤去工程がない分、工期も短くなり、工賃も抑えられるでしょう。

このように、張り替えに比べてリーズナブルで工期も短い重ね張りですが、注意したい点もあります。それは、床の厚みが増してしまうのでドアが閉まらなくなる可能性もあることです。また、フローリングを敷いてから長期間経っている場合には、下のフローリングが劣化していないか業者に事前チェックしてもらってから重ね張りするといいでしょう。


・二重床工法
さらに防音効果を期待したいときは二重床工法を用いると良いでしょう。二重床工法とは、床のスラブ(コンクリート地)に束を立て、空間を作ります。その空間に緩衝材をいれて、上にフローリングを敷く方法です。フローリングとコンクリートスラブとの間に空間ができますので、より高い遮音性が期待できます。


壁や窓の防音リフォーム

壁の防音リフォームとしては、壁に吸音シートと遮音シートを入れることで高い防音性を発揮することができるでしょう。また、石膏ボード二枚重ねも防音リフォームとして有効です。

窓の防音リフォームとしては、既存の窓に内窓を取り付けて二重窓にする方法もあります。こちらも遮音性が高いようです。また、断熱効果、防犯効果も期待できると言われます。
 

まとめ

いかがだったでしょうか。防音リフォームとは、何か特別なことをしなければならないと考えていたかもしれません。でも、防音リフォームは、意外にシンプルな工事で済むということがおわかりいただけたかと思います。家の音対策が気になる方は、防音リフォームに取り組んではいかがでしょうか。