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防音のために、どこをリフォームする?その方法と費用

防音のために、どこをリフォームする?その方法と費用

電車や車の音、上下階から響いてくる音。生活していて、騒音で困った経験はありませんか?ちょっとならガマンしようと思っていても、いったん気になると耳から離れない、なんてことも。家にいるのにリラックスできるどころかストレスの元になり得るのが騒音です。逆に、もしかするとあなたの家の音が外や隣人宅に漏れている可能性もあるかもしれません。

今回は、防音に関するリフォームについて解説します。どこのリフォームが効果的なのか、どのくらいの費用がかかるかも知って、少しずつ実行に移していきましょう。
 

音が漏れるのはどこから?防音リフォームできる5つの場所

防音のために、どこをリフォームする?その方法と費用

主に防音リフォームの対象になる場所は、以下の通りです。

1.窓
2.壁
3.床
4.天井
5.部屋全体

いざ防音リフォームしようと思っても、具体的にどこから音が漏れているのかわからなければ、対策もしづらいところ。まずはどこがどんな音を通してしまいやすいのか確認しましょう。


【防音の対象1】窓から漏れる音

窓は外の音が聞こえやすい場所。人の話し声が聞こえる、車の音が気になる、そんな時は窓が原因かもしれません。

屋外の音の多くは、空気の振動によって部屋の中に届けられます。特に影響を受けやすいのが窓。壁よりも薄く、そして窓やサッシなどスキマがあることで音が伝わりやすいと言われています。


【防音の対象2】壁から漏れる音

壁が薄いと、窓と同じように屋外の音が聞こえやすくなってしまう場合があります。また壁の場合は、集合住宅の隣人の生活音が気になる場合も。

基本的には鉄筋コンクリート造の方が木造よりも音を通しづらいと言われています。ただし、防音加工を施した場合は木造でもかなり防音効果を期待できる場合があります。

壁の防音性能を確かめるために、軽く叩いてみる方法があります。音が軽く、響くように感じられた場合は音が通りやすい可能性があります。一方、何かが詰まっているように重い音が鳴ったとしたら防音対策がしっかりしている壁かもしれません。物件購入前に確認できると良いでしょう。


【防音の対象3】床から漏れる音

床で注目しておきたいのは、階下へ響いてしまう音。これは自分のための防音というよりもご近所のための防音の意味合いが強いと言えます。

ご近所との騒音トラブルはできるだけ避けたいもの。しかし床に伝わる生活音を完全に消すことは難しいでしょう。子育て世帯ならなおさらです。子供の活発な足音を防ぐには、より厚い床を選ぶ必要があります。


【防音の対象4】天井から漏れる音

天井は上階の住人の生活音が響いてきやすい場所。もし騒音が気になる場合には、リフォームを検討するのも良いでしょう。

壁や床と同じく、木造よりも鉄筋コンクリート造の方が防音性能は高いと言われています。ただ、家の工法だけでなく床や天井に防音機能が施されているかをチェックすると良いでしょう。

単に2重床であるだけでは、防音対策として十分ではない可能性があります。一般的には、床のスラブ厚が180mm以上で大人の足音が聞こえづらく、200mm以上で子供の走る音が聞こえづらくなると言われています。

とはいえ、単に数値だけでは語れない部分があるのが防音性能。スラブが厚くても部分的に穴をあける工法を用いていれば防音性能は下がるとされています。実際に下見を行って音の響きを確認するとより確かでしょう。


【防音の対象5】部屋全体で対策したい音

部屋全体の防音が必要になるケースとして、楽器の演奏や音響設備が挙げられます。

「思いっきり楽器を楽しみたい!」「音響にこだわった部屋を作りたい!」そんな場合は、部屋全体に防音加工を施した防音室や組み立て式の防音ボックスを利用するのも手です。

防音リフォームの対象となり得る場所を5つご紹介しました。では、実際に防音リフォームをすると費用がどのくらいかかるのか、チェックしていきましょう。
 

防音リフォームの場所と費用をご紹介

防音のために、どこをリフォームする?その方法と費用

ここでは、防音する場所別にリフォームの方法と費用の相場をご紹介します。あらかじめ相場を知っておくことで、自分の行おうとしているリフォームが割高なのか、またはDIYに踏み切ったほうが良いのかの判断材料となるでしょう。


1.窓の防音リフォーム

窓の防音性能を高めるためのリフォームは主に2種類。

【防音性能のある合わせガラスに変える】
一般的に、2枚のガラスの間に防音性能のある中間膜をはさみ、密着させたものを「防音合わせガラス」と言います。

一般的な費用の相場は3~15万円。(施工、廃材撤去処分費含む)

基本的にガラス面積が広ければ広いほど高くなります。また、防音の他に紫外線カットや破片拡散防止の機能を持たせることでも高額になっていきます。


【内窓を付けて2重窓にする】
2重窓にすることで、間の空気の層で音を吸収し防音効果を高めます。内窓と外窓の厚みを変えることで、より防音性能を高めることができると言われています。

一般的な相場は7~15万円と言われています。


2.壁の防音リフォーム

壁に遮音シートや吸音材を入れる方法があります。

6帖ほどの部屋ならば、一般的な相場として12~25万円とされています。

1つの壁のみに限定してのリフォームなら、さらに安くなる可能性もあります。もし騒音の原因が特定できていて、それが限られた範囲からの音であればリフォーム範囲を狭めると費用を抑えることも可能です。


3.床の防音リフォーム

床の防音性能を高めるには、主に3通りの方法があります。(費用は6帖程度の広さを想定)

【防音機能のある床材へのリフォーム】
床材を防音性能の高いものへ張り替えるリフォームです。24~30万円が相場と言われています。

【遮音マットへのリフォーム】
床材の下に「遮音マット」と呼ばれるものを敷き詰める方法。既存の床を剥がして取り替えるなどの工賃を含めると、30~60万円かかると言われています。

【吸音材へのリフォーム】
床下の空間にグラスウールなどの吸音材を入れる方法。素材によっては断熱効果も期待できます。費用の相場は35~80万円と言われています。こちらも工賃込みでの相場です。


4.天井の防音リフォーム

まずは上階の住人と相談出来れば良いのですが、難しい場合もあるかもしれません。その場合、自室の天井に騒音対策をする方法があります。

遮音性の高い素材を貼り付ける、2重天井にするなどの方法があり、さらに広さにもよりますが、その相場は40~80万円とされています。

ただし、天井や壁等の構造を伝わって響く騒音をカットするのは難しいと言われています。


5.防音室へのリフォーム

防音室を作るには、部屋全体を防音仕様にする方法と防音ボックスを作る方法の2つがあります。
(費用は、6帖程度の広さを想定した見積もり目安です。)

【部屋全体を防音仕様にする】
一般的には200~600万円かかると言われています。防音室は基本的にオーダーメイド性の高い設備であるため、価格の開きが大きくなりがちです。元々の防音性能が低い木造建築の方が、高額になる傾向があります。

【防音ボックスを組み立てる】
部屋の中に市販の防音ボックスを作る方法で、部屋は狭くなりますが全体を防音仕様とするより安価でカンタンというメリットがあります。一般的な相場は50~300万円と言われています。
 

【DIYに挑戦】自分で出来る、防音リフォーム

防音のために、どこをリフォームする?その方法と費用

これまでご紹介した防音リフォームは、基本的には業者に依頼するものです。依頼すれば工賃などの費用がかかってしまいます。

そこで、最後に自分で出来る防音DIYをご紹介。材料さえあれば手軽にできるものもあります。ぜひご参考にしてください。


窓の防音DIY

屋外の音が伝わってきやすい窓。部屋の防音性能を高めるために、まず窓の防音DIYからチャレンジしても良いでしょう。

【遮音カーテン】
音の通りづらい素材で作られたカーテン。しっかりとした重い生地なら、遮熱、遮光機能も期待できるでしょう。
価格の相場は0.5~2万円。
防音効果を発揮させるコツは、スキマを作らないように大きめのサイズを選ぶことです。

【隙間テープ】
サッシと窓のつなぎ目にあるスキマを塞ぐことで、防音性能を高めます。外からの騒音は、サッシのわずかスキマからも侵入してしまいます。スポンジなどの材質でできたテープをサイズに気を付けて貼り付ければ、防音効果が期待できるでしょう。


床の防音DIY

階下の住人とのトラブルを避けるためにも、床の防音性能は大切。たとえ子どもがいなくても、イスを引く音、物を落とした音が下に響いている可能性はあります。

【カーペットを敷く】
通常のカーペットでも、コインを落とすような軽い音は軽減させることができるとされています。さらに防音性能を高めたい場合は、クッション性のある層がついたタイプのカーペットも◎。

【クッションフロアを敷く】
クッション性のある床で防音効果を図る方法です。現状のフローリングと張り替えるだけでなく、上に重ねることも可能なタイプがあります。
 

まとめ

防音リフォームができる場所とその費用をご紹介しました。ご近所との相談や自分の意識だけで解決できれば良いのですが、ライフスタイル等の問題で防音対策をしたくなるケースもあるかもしれません。

落ち着いて暮らしたい、周りに気兼ねなく暮らしたい場合はリフォームを検討しても良いでしょう。