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ご存知ですか?家具に合わせた生活動線

ご存知ですか?家具に合わせた生活動線

新しい暮らしを目の前にすると、いろんな家具につい目が行ってしまいますよね。ただ、家具の大きさや配置に気をつけないと、せっかくのお部屋が使いにくくなってしまうことがあります。
そこで今回は、人が不自由なく家の中を動き回るのに必要なスペースや生活動線、さらには空間を広く見せる方法について調査しましたのでご紹介します。生活を一新する際の参考にしてもらえたら光栄です。

買ったソファが失敗!?基本を覚えて失敗回避!

せっかくお気に入りのソファを買ったのに、いざ置いてみたら動きづらい。そもそも、どれくらいの大きさが基本なのか分からない。そんな時は、このあとご紹介する生活スペースを参考にしましょう。
澤井聖一さんの著書「誰にも聞けないインテリアのルール(注1)」では、人が歩くのに必要なスペースやソファとテーブルに必要なスペースなど、生活に必要最低限のスペース情報を紹介しています。ただしあくまで必要最低限のスペースであり、置く家具によってはさらにスペースを設けた方がよい場合もありますので注意が必要です。

リビング編

<人が歩くのに必要なスペース>
・正面を向いて歩く:60cm
・横向きに歩く:45cm
・正面を向いて2人がすれ違う:110~120cm

<ソファや家具の横を通るのに必要なスペース>
・低い家具と壁の間を通るとき:60cm~
・低い家具の間を通るとき:50cm~

<ソファとテーブルに必要なスペース>
・ロータイプのソファとの間:40~50cm
(テーブルの高さ35cm、ソファの座面25~35cmの場合)
・座面の高いソファとテーブルの間:30~45cm
(テーブルの高さ45cm、ソファの座面35~42cmの場合)

また、1人がけ・2人がけ・3人がけの一般的なソファのサイズはこちらです。

・1人がけ:縦幅90cm×横幅80~90cm
・2人がけ:縦幅90cm×横幅160~180cm
・3人がけ:縦幅90cm×横幅210~240cm

1人がけのソファを基本的に覚えて、2人・3人のサイズは横幅を人数分倍にした大きさと覚えるのがよいでしょう。

ダイニング編

1人分の食卓スペース:縦幅40~50cm×横幅60~70cm

人が歩くのに必要なスペース
・腰かけたとき:40~50cm
・椅子を引いて腰かけるとき:70~80cm
・座っている人の後ろを通るとき:60~90cm

テーブルの大きさを調べる際は、1人分のスペースのランチョンマットをお店に持っていき、人数分+ゆとりを考慮しながら確認するとよいでしょう。

忙しいときの命綱!動線は確認しましたか?

家具を置くスペースを確認したら、次は動線について考えましょう。動線とは、人が生活をする上で自然に通る道筋を1つの線で表したもの(注2)のことです。動線を短くすることで、生活上の無駄を減らすことができます。無駄がなくなるということは、生活がもっと快適になるということにも繋がります。動線にもいくつか種類がありますが、それぞれがなるべく重ならないように計画することが大切です。

動線の種類

動線には以下のような種類があります。

・家事動線:炊事、洗濯、掃除などの家事をする動線
・通勤動線:家族の部屋とリビングや玄関を結ぶ動線
・衛生動線:トイレや浴室に行くための動線
・来客動線:お客さんが移動する動線
など(注3)

生活動線が重なるのを避けることによって、朝の混雑を回避できたり効率よく家の中を動けるようになったりします。生活動線を考えるときは、朝起きてから寝るまでの生活の流れを図面に記載してみましょう。
ご家族やご友人と住んでいる場合は、自分以外の人の動きも頭に入れながら家具の配置を考えてみるとよいかもしれません。また、生活動線を遮らないためにも、家具の占有率は全体の3分の1に留めることがおススメです。

視線を意識することで空間に変化をつけよう!

視線や視覚のコントロール1つで、部屋の快適さが変化することをご存知ですか。部屋は視線の流し方を操ることによって、狭くも広くも感じることができるのです。最後は、視覚を意識したレイアウト方法についてご紹介します。

1.視線を抜く

視線の先に遮るものがないと、視線が抜けて空間を広く演出できます。視線が抜けられる空間は、開放感があり居心地のよい場所としてリラックスできるでしょう。家具を配置する際は、部屋に入る時やソファに座る時に遮るような場所に置かないように注意しましょう。家具の重心を低く抑えることもポイントの1つです。

2.フォーカルポイント

空間の中にフォーカルポイント(注視するポイント)を置くことによって、見せたくないポイントに視線を向けさせないようにすることが可能です。1つの空間に「視線の抜け」と「フォーカルポイント」を作ることでまとまりやメリハリを生み出すことができます。フォーカルポイントは、花や絵や水槽、雑誌などで作り、その周りはすっきりとさせておくことを意識しましょう。

3.遠近法

家具のレイアウトに遠近法を用いることによって、空間を広く演出する方法です。入り口から背の高い家具、部屋の奥に進むにつれて背の低い家具を置くことで高低差が生まれ、部屋の広さや奥行きを生み出すことができます。部屋の手前に背の高い戸棚を置き、部屋の奥にロータイプのソファやチェアを置いたりしてみるのもよいかもしれません。

終わりに

人が通るために必要なスペースを把握し、家具の置き場所などを工夫することで、暮らしを快適にしましょう。動線を確認することもポイントです。また、空間を意識的に操作することによって、住生活の中に生まれる小さいモヤモヤを解消できることもあります。みなさんも、動線や視線を意識した部屋づくりで快適時間を過ごしませんか。
 
(注1)澤井聖一「誰にも聞けないインテリアのルール」株式会社エクスナレッジ、2013年
(注2)みんなにやさしいリフォーム「生活が快適に!リフォームで絶対作りたい『回遊動線』とは」
(注3)All About「間取プランニング―動線計画」

参考サイト
「家具をレイアウトする時に知っておきたい6つのテクニック」
「ハウススタイリング‐Q.お部屋を広く見せるテクニックを教えてください」
 

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