システムキッチンには様々なタイプがあります。壁付型キッチン、アイランド型キッチン、そしてペニンシュラキッチンです。もしかしたらペニンシュラキッチンという名前を聞いたことがない人もいるかもしれません。でも、モデルルームなどによく飾られていますので、見たことがあるのではないでしょうか。

ペニンシュラキッチンはアイランドキッチンのようにオープンキッチンで空間を広々と使います。そして、アイランドキッチンにはない長所もあります。この記事ではペニンシュラキッチンのメリット・デメリットを紹介していきます。
 

ペニンシュラキッチンとは

すでに述べたように、ペニンシュラキッチンとはオープンキッチンの一種です。アイランドキッチンと混同されることがありますが、別物です。では、どこが違うのでしょうか。

ペニンシュラキッチンの外観上の特徴は、システムキッチンの片辺が壁に密着していることです。壁を陸に例えると、ちょうど半島のように横に伸びています。その形状から「ペニンシュラ」＝「半島」と名付けられています。

一方、アイランドキッチンは壁に接続されずに、独立しています。このため、「アイランド」＝「島」の分類名称がつけられました。
 

ペニンシュラキッチンのメリット

ペニンシュラキッチンは、オープンキッチンという点に着目すれば、アイランドキッチンに近い印象です。一方、壁に接していることに着目すれば、壁付キッチンのようでもあります。この、両方の特性を持つ構造がペニンシュラキッチン独自のメリットを生み出していると言えるでしょう。

以下で、個別に紹介します。


壁付けキッチンとアイランドキッチンのいいとこどり

まず、壁付けキッチンの長所のひとつとして、スペースをコンパクトに使えるところが挙げられます。一方、アイランドキッチンの長所は、オープンキッチンならではの開放感ある間取りと言えましょう。

ペニンシュラキッチンは、オープンキッチンである点から、開放感があります。その一方で、壁に接しているので、スペースを有効に使うこともできます。つまり、限られたスペースでありながら開放感もある「良いとこどり」のキッチンと言えるでしょう。


油汚れに強い

ペニンシュラキッチンの壁に接している部分にはコンロが設置されています。何故だかわかりますか？油が飛び散るのを防ぐためです。揚げ物や炒め物をするとどうしても油が飛び散ってしまいます。この点、アイランドキッチンでは遮るものがないので床に油が落ちてしまいます。一方、壁に接しているペニンシュラキッチンでは壁に油が当たるので、アイランドキッチンに比べて床が汚れにくいとされます。そして、開放感はそのままです。

油汚れを抑える点でも気になるのが、キッチンの換気扇。ペニンシュラキッチンは換気扇が選択できる点も特徴のひとつです。換気扇には大きく分けて壁付け型と天井型があります。一般的には、壁付け型は壁付けキッチンに、天井型はアイランドキッチンに用いられます。一方、ペニンシュラキッチンの換気扇は、住宅事情に応じて、壁付け型または天井型から選べる点が特徴です。


コミュニケーションをとりやすい

ペニンシュラキッチンはアイランドキッチンと同様にオープンキッチンです。料理をしている途中、視線をあげると、リビングが見えます。また、お子様が小さいときは、様子を見ながら料理をすることができ、不意に目を離したすきに生じるであろうアクシデントも未然に防ぐことができるでしょう。このように、料理をしながら常に周りを見渡せるということは、コミュニケーションだけでなく、安全面においても大きなメリットとされます。
 

ペニンシュラキッチンのデメリット

壁付けキッチンとアイランドキッチンのいいとこどりのペニンシュラキッチン。しかし、皮肉なことに、この「いいとこどり」がデメリットになってしまうこともあります。以下、ペニンシュラキッチンのデメリットを紹介します。


どっちつかずになってしまう

いいとこどりは、見方を変えれば「中途半端」に見えてしまうこともあります。ペニンシュラキッチンは、壁に密着している割には場所をとり、オープンキッチンのなのに壁がそばにあるので、手狭に感じてしまうこともあります。メリットがデメリットにもつながり得ると知っておきましょう。


収納力が劣る

ペニンシュラキッチンは、アイランドキッチン同様、オープンキッチンです。したがって一方が壁に接してません。このため、上棚をつけることができない点もデメリットのひとつでしょう。壁付けキッチンの上棚には鍋やボウル、そして食器や普段使わない調理器具などを入れることができます。しかし、ペニンシュラキッチンには上棚がないので、収納においては不便と感じるかもしれません。


匂いが広まってしまう

ペニンシュラキッチンにも当然ながら換気扇はあります。でも、広がりある構造であるため、匂いを壁でシャットアウトできる範囲が少ないのもデメリットでしょう。その結果、換気扇を回していたとしても、匂いがリビングに行き渡ってしまうこともあり得ます。


結局広いスペースが必要になる

ペニンシュラキッチンは壁からせり出している構造なので、壁付けキッチンと比べてしまうと、どうしても場所をとってしまうこともデメリットと言えるでしょう。
 

まとめ

いかがだったでしょうか。ペニンシュラキッチンのメリットとデメリットをご理解いただけましたか？

デメリットもありますが、キッチンのスペースをほんの少し広くとるだけで、アイランドキッチンと壁付けキッチンの両方の良さを味わえるのはペニンシュラキッチンの魅力と言えるでしょう。

キッチンリフォームなどをご検討の際には、候補のひとつに考えてみてくださいね。