クローゼットに付いている扉には、一般的によく使われる折れ戸や引き戸、開き戸など様々な形状のものがあります。しかし、あえて扉を付けないという選択肢もあります。
扉なしのクローゼットには、使う上でどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。デメリットを解消するための対策についても併せてご紹介します。
扉なしクローゼットのメリット
クローゼットの扉をなくすことで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
通気性が良くなる
クローゼットの中はカビが生えやすい環境です。湿気がこもったままの着た衣類を収納していたり、中に衣類を詰め込んでいたりすると、湿気がたまってカビが生えることもあります。扉付きのクローゼットの場合は、定期的に扉を開けて換気をすることで風通しを良くしますが、最初から扉がなければその手間もかかりません。扉がないことで空気が入れ替わり、湿気がたまるのを防いでカビや臭い対策にもなるでしょう。
無駄なスペースがない
開き戸の扉を付けた場合、開け閉めの邪魔になるのでクローゼットの扉の前に物を置けないスペースができます。また、一般的にクローゼットによく使われる折れ戸の場合、クローゼット内部の扉部分は物が取り出しづらく、引き出しなども置きにくくなりがちです。クローゼットの中にデッドスペースができてしまうのです。扉なしであれば、クローゼット内のスペースをすべて活用できるでしょう。
衣類の出し入れがスムーズに行える
衣類を取り出したりしまったりする際に、扉を開ける動作をしなくて済みます。中に衣装ケースや引き出しを置いている場合は、扉を開けてさらにそのような収納を開ける必要があるため、手間に感じることもあるでしょう。
部屋の一部として使用できる
時が経つにつれて、年齢や家族構成の変化で衣類の収納量が変わることもあります。扉なしクローゼットならば、収納量が多いときはすべて収納スペースとして、収納量が少ないときは部屋の一部として活用することも可能でしょう。また、クローゼットからはみ出すような大きなものの収納場所にもなります。
見せる収納できれいにする意識が持てることも
扉を閉めてしまえば隠せる扉付きクローゼットと違い、常にクローゼットの中が見える状態です。そのため、きれいに保とうという意識が持てることもメリットでしょう。中のものが一目で分かり、どのような衣類を持っているのかも把握しやすくなります。
指をはさまない
特に小さな子供がいるご家庭では、扉の開け閉めの際に指をはさむという危険性もあります。扉をなくしてしまえば、そのような心配もなくなるでしょう。
扉なしクローゼットのデメリット
扉をなくすことで多くのメリットがあることが分かりましたが、デメリットもありますのでご紹介します。
衣類にホコリが付く
扉がある場合でも掛けている衣類にホコリが付くことがありますが、扉がないことでさらに衣類や収納ケースなどにホコリが付きやすくなるでしょう。ただ、扉がある場合でも定期的にクローゼットの中の掃除をする必要はあります。扉なしならば、さらにこまめに衣類の手入れやホコリ取りをしてきれいに保ちましょう。
衣類が日焼けする
クローゼットのある部屋の方角や日当たりにもよりますが、場合によっては衣類が日焼けしてしまうこともあります。クローゼットをつくる際はそのようなことも配慮して場所を決めると良いでしょう。
冷暖房効率が下がる
夏場や冬場に冷暖房を付ける際、扉付きクローゼットよりも部屋の冷暖房効率が悪いというデメリットもあります。冷やす、もしくは暖める必要のない収納スペースにまで冷気や暖気が流れてしまうことがその理由です。
防虫剤や除湿剤の効果が得られにくい
クローゼットには防虫剤や除湿剤を置いていることも多いでしょう。これらは密閉している空間の方がより効果を発揮します。常に開けっ放しのクローゼットでは、効果が得られにくいと言えます。
見た目がごちゃごちゃすることも
常にクローゼットの中が見える状態なので、きれいに見せる収納ができる場合は問題ありませんが、そうでない場合は部屋全体がごちゃごちゃして見えることもあり得ます。クローゼットがある部屋に来客を通す場合などには、気になることもあるでしょう。
扉なしクローゼットのデメリットを解消する
デメリットを解消するためにできる対策も併せてご紹介します。まず、衣類に付くホコリを予防するためには、カバーをかけておきましょう。普段使わない衣類ほどホコリがたまりがちなので、出番の少ない衣類には特におすすめです。
衣類の日焼け防止や、見た目をスッキリさせるためには、カーテンやロールスクリーンを設置しましょう。日の当たる時間帯や来客時にさっと下ろすだけで、日焼けを防ぎ、見た目もスッキリさせることができます。
防虫剤などの効果をしっかりと持たせたい場合は、季節ごとに使わない衣類やたためる衣類を衣装ケースや引き出しの中に収納し、その中に防虫剤を入れると良いでしょう。
まとめ
クローゼットの扉をなしにすることで、実用性や安全性などのメリットがあることが分かりました。しかし、衣類に付くホコリや日焼け、見た目の問題などのデメリットもあります。ただし、これらのデメリットを解消できる対策もあります。普段のクローゼットの使い方や収納量に合わせて、クローゼットに扉を付けるかどうかを決めましょう。