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床に不陸(ふろく)が起こるのはどんな時?対策はこうしよう!

床に不陸(ふろく)が起こるのはどんな時?対策はこうしよう!


不陸(ふろく・ふりく)という言葉を聞いたことがありますか?

たとえば「床が不陸」とは床が地面と平行ではないこと。少々の不陸はしょうがないとされていますが、まっすぐ立っていない感覚になったり足の裏で感じてしまうような不陸はさすがにNGでしょう。

不陸の原因は住宅の経年劣化だったり、リフォームやリノベーションの結果だったりします。ここでは不陸が起こる典型的なケースについてお話しし、対策についても触れていきます。また、どの程度の不陸なら許容範囲なのかについてもお話ししましょう。
 

「ろくでもない」の語源?!不陸とは

「ろくでもない」とは何の役にも立たず、値打ちもないこと。くだらないことを指す言葉です。漢字で書くと「陸でもない」、陸とは本来まっすぐであることを指し、転じて「正しい」とか「まとも」なことを指すようになりました。

つまり不陸とは正しくない、まともではない様子を表す言葉です。床ならば地面と平行ではないことを指しますし、壁ならば下地が整っておらず凸凹が発生していることを指します。「碌でもない」とも書きますね。
 

床に不陸が起こりがちなケース

真っすぐであるはずの床が不陸となっているケースは古い住宅にありがちです。また、せっかくリフォームしたのに不陸が起こってしまったというケースもあるもの。起こってしまった不陸をいかに修正するか、起こさないかがプロの腕の見せ所でしょう。
 

床の不陸が起こってしまったケース


古い一戸建ての場合、フローリングや畳の下に敷かれている合板や、これらを支える横木(根太=ねだ)が経年劣化した場合にも不陸が起こります。古いマンションの場合、合板や根太を用いずにコンクリート床の上に直接フロア材を張ってあったりするのですが、コンクリート床自体に不陸が発生していることもあります。


床の不陸の直し方

古い住宅の不陸は、劣化した合板や根太を新しいものに交換したり、スペーサーを挟み込んだり、古い床の上から根太と合板を張り直すことで修正する場合が多いようです。コンクリート床に問題がある場合は打ち直したり、セルフレベリング剤を流し込んで対策されます。
 

リフォームで床に不陸が起こるケース


不陸が起こった住宅はリフォームするしかないのですが、問題はリフォームやリノベーションをおこなった結果、不陸が起こってしまったというケースでしょう。典型的な3つの例をご紹介します。


2部屋を1部屋にするリフォーム・リノベーション

隣り合う和室をフローリングにしてリビングを広くするというのは、よくおこなわれる工事です。フローリングと畳では厚さが違いますから、根太を敷いてフローリング側を高くする必要があるのですが、調整が不十分だと不陸が起こることもあります。


フローリングを敷き直すリフォーム・リノベーション

コンクリート床に直接敷かれたフローリングやカーペットを、新しくする場合に起こりがちな不陸です。原因は古い床材をはがした際のトラブル。床材をはがすことで下地が傷んだ場合には、打ち直しなどの修正をすべきですが、そのまま新しい床材を張ってしまい不陸が起こることもあります。


無垢フローリングへのリノベーション

床に不陸(ふろく)が起こるのはどんな時?対策はこうしよう!

肌触りが心地よい無垢材は人気ですが、不陸が起こりやすいという特徴もあります。原因は無垢材ならではの変形。空気中の水分を吸ったり吐いたりすることで、反りや歪みが発生し不陸が起こり得ます。


これらの不陸の対策は?

最初と2番目の不陸を予防する方法としては「床に手を入れると不陸が起こると聞きますが?」と、あらかじめ業者さんにたずねておくとよいでしょう。どのような方法で不陸を防ぐのかを説明してくれたり、起こってしまった場合の解決法まで話をしてくれるなら、間違いのない業者さんと判断もできます。丁寧な工事が期待できますから不陸が起こる心配はなさそうですし、万が一起こっても、しっかりと修正してくれるでしょう。

一方で残念な業者さんの場合、不陸についての返事があいまいだったり要領を得ない場合もあります。少しでも不信感を抱いてしまったら満足いく結果も望めません。業者の選定から考え直したほうが良いかもしれません。

3番目の不陸は、無垢フローリングの特性が原因ですから防ぐ手立てもありません。無垢フローリングの場合、多少の不陸は付き物と考えておきましょう。
 

どの程度の床の不陸は許容範囲なのか?

国土交通省が平成12年に「住宅紛争処理の参考となるべき技術基準」という公告を出しました。その中で床に関しても「6/1,000以上の勾配の傾斜」は「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高い」と述べています。

つまり「1,000mm(1m)で6mm以上の不陸があるのは見逃せない欠陥である」という意味ですから、どの程度の不陸ななら許容範囲なのかについての指針になるでしょう。
 

まとめ

6/1,000以上の勾配の傾斜=不陸であると述べましたが、これは飽くまでも指針の一つです。これ以下でも気になる方は気になるでしょうし、これ以上でも平気な方は平気なのが不陸ですから、非常に難しい問題と言えるでしょう。

後で揉めたりしないために、上でも述べた通り信頼できる業者さんを探して依頼することをおすすめします。不陸だけでなく事前にどんどん質問して、信頼関係を築いておきましょう。