フローリングのきしみが気になるという経験をしたことはあるでしょうか。音自体は小さい場合が多いですが、歩くたびに足元で「ギシギシ」という音がして、不快に感じる方も多いでしょう。そこで今回は、床がきしむ原因や対処法についてまとめました。

この記事では、床のきしみの原因や対策方法をご紹介しています。床のきしみに悩まされている方や築年数の長い住宅にお住まいの方は、ぜひ参考にしてください。
 

床がきしむ原因とは

床のきしみには原因があります。そのため、原因を把握できれば対処法も分かるでしょう。ただし、きしみの原因はひとつではありません。まずは、どのような原因があるのかを知っておくことが大切でしょう。


1つ目の原因：構造上の問題

床がきしむ原因の1つ目は、建物の構造上の問題です。フローリングは、「根太」と「大引き」というパーツで支えられています。2つが組み合わさることにより、床にかかる力を地面に逃すことができるのです。通常、根太と大引きを敷く間隔は決まっていますが、間隔を長めにとっていると床のきしみが起こりがちです。

一方で、根太と大引きは均等に配置しているものの、きしむことがあります。その場合、床が水平になっていない可能性が考えられるでしょう。もともと地面の部分であるコンクリートや土の部分は、水平ではありません。そのため、職人が水平であるのかを確かめてから土台部分を設置します。しかし、床が水平でない場合、年月を重ねると床がきしむようになると言われます。


2つ目の原因：資材の問題

床がきしむもう一つの原因は、資材の問題です。フローリングの素材には木材が使われていることが多く、季節によって膨張や収縮が起こることでも床のきしみが発生します。フローリングには、合板を使用した複合フローリングと天然木を使用した無垢フローリングの2種類がありますが、特に無垢フローリングは、湿度の変化によって木材の膨張や収縮が起こる特性があります。

長い年月を重ねたフローリングに関しては、根太との接着不良が起こることも考えられます。フローリングには、接着剤を使用するタイプとクギを使用するタイプがあります。接着剤を使用するタイプは、年月の経過とともにはがれることもあるので注意しましょう。

また、フローリングは木材を使用しており、メンテナンスを怠ると木材が腐食する恐れもあります。床がきしむだけでなく、床を踏んだときに沈むようであれば腐食が進んでいるかもしれません。その場合には、早急な修理をご検討ください。
 

床のきしみを放置するとどうなる？

フローリングの膨張や収縮で発生するきしみに関しては、放置していても自然と音が消えることもあります。しかし、フローリングの腐食や床の構造上の問題の場合は、放置しても解決しません。きしみを放っておいた場合に発生する問題として、以下の2つのトラブルが挙げられます。


床が抜ける

床のきしみを放置すると、床が抜けることがあります。特に、洗面所やキッチンなどの水回りの部分は、床が抜けやすいので注意しましょう。床を踏んでいるときに床が抜けてしまうと、打撲や骨折などの怪我につながることも。床のきしみを感じたなら、早めに対策を取りましょう。


シロアリが大量発生する

フローリングが腐食している場合、シロアリが大量発生する恐れもあるので注意しましょう。シロアリは木材をエサにしており、腐食した木材によって繁殖します。シロアリによって食いつくされると、床の強度が下がります。さらに、シロアリが増え続けると、壁や土台部分を食いつくし、場合によっては建物の耐久性や耐震性を大きく下げる恐れもあると言われます。床がきしむときは、シロアリが発生していないか業者に点検依頼することをおすすめします。
 

床のきしみ対策

こまめな手入れをしたものの、きしむことがあります。ここでは、きしみが発生した際の対処法を紹介しますので参考にしてください。


こまめな換気をする

床がきしむときには、こまめな換気をしましょう。湿度の変化による木材の膨張や収縮できしみは発生します。そこで除湿機やエアコンを使って、湿度を一定に保つようにしましょう。また、窓を開けて空気を入れ替えるのもおすすめです。


隠しクギや接着剤できしみを直す

床のきしみを直す別の方法は、隠しクギや接着剤の使用です。隠しクギとは床のきしむ部分にクギを打ち込むことで、床と根太の部分のすき間を無くす方法です。ホームセンター等では、床のきしみを解消するための接着剤を販売しています。接着剤を使うことで、床と根太のすき間を埋められるでしょう。


きしみがひどいときには業者への依頼がおすすめ

隠しクギや接着剤による修理やこまめな換気をを試みたものの、きしみが改善されないこともあります。そのような場合、リフォーム業者や工務店などのプロに相談するのも早道です。フローリング補修の経験のある会社へ依頼すれば、気になっていたきしみも解消できるでしょう。
 

まとめ

この記事では、床のきしみの原因や対処法を紹介しました。主な原因として、根太や大引きの配置が正しくない構造上の問題とフローリングで使用する木材の問題が挙げられます。時間が経過すると、自然と音が消える場合もあります。一方で、床の腐食によってきしみが発生している場合には、床が抜け落ちることもあると承知したうえで、必要な対策を検討しましょう。