天井は部屋の印象を左右すると言われます。天井なんて、部屋を見上げなければ目に入らないと思っていませんか?ところが違うのです。部屋のドアを開けたら、まず視界に飛び込んでくるのが天井と気づくことも多いはず。
天井の色や素材、高さは部屋の印象に大きくかかわります。また、天井は部屋に占める面積が広いので、調湿作用、シックハウス症候群対策などが施された素材が注目されることもうなづけます。
この記事では、天井のデザインがもたらす効果、天井の素材、その特徴、効果等を紹介していきます。
天井リフォームでのデザイン効果
先に述べましたように、部屋のドアを開けたら真っ先に視界に飛び込んでくるのが天井と言われます。ですから、デザインがもたらす視覚効果は大きいものがあるとされます。色一つとっても効果は大きく変わります。
天井の色がもたらす視覚効果
天井の色を変える方法はビニールクロスの貼り替えが、比較的簡単です。そこで、貼り替えるにしてもどんな色がいいのか、という疑問が生じると思います。基本、自分が好きな色にすれば良いのですが、色には様々な視覚効果があることを知っているとリフォームに役立ちます。それでは、以下でそれぞれの色がもたらす代表的な効果を紹介していきます。
まず、膨張色。どんな色かというと白っぽい色や淡い色を指します。効果は、その名の通り空間を広く見せることだと言われます。天井には照明があるのが通常です。膨張色は照明の光を反射させます。光の反射により部屋に奥行きがあるように見え、より広く見せることができるのです。同じ高さの天井でも膨張色の方が高く見える効果が期待できます。
次に、収縮色。膨張色の反対です。黒とかグレイ、濃い緑です。部屋を落ち着いたように見せる効果があり、寝室に好んで使われる傾向があります。落ち着いた空間は、眠りをいざなうこともできますからね。
色に加えて、デザインによる視覚効果もあります。例えば、規則正しく並んだ模様は、実際の広さよりも広く見せる効果があります。リビングなどに使うとより効果的とされています。
色を選ぶ際のポイント
色の視覚効果を踏まえて、次に自分が希望する色を選んでみましょう。ホームページで調べたり、業者にサンプルを見せてもらう方法もよいですね。その際、注意してほしい点があります。それは、ホームページなり、サンプルなりで見た色よりも、「少し暗めの色」を選ぶことです。そのほうが、自分がイメージした天井に、より近い印象で仕上がる場合が多いと言われます。なぜでしょうか。
通常、天井には照明があります。サンプルの色をそのまま天井に採用した場合、照明に照らされる分、明るくなってしまうのです。実際にリフォームしてから「ちょっと明るすぎないか?こんなはずじゃなかったのに」とならないよう、ワントーン暗めの色を選ぶことをおすすめします。
天井リフォームでの素材効果
天井リフォームの良し悪しは天井の素材によっても左右されがちです。手軽にリフォームできる素材、作業に時間はかかるものの、その分、長期間の使用に耐える素材、シックハウス対策が出来ている素材と様々です。天井素材は大きく分けて、クロス類と塗装、板張りの3種類があります。それでは、以下、天井リフォームに代表的な素材を紹介していきます。
ビニールクロス
ビニールクロスは代表的な天井素材です。値段も安く、工事期間も短く、種類も豊富です。また、最近では防カビ、シックハウス対策、防火仕様と機能面でも充実した製品も見受けられるようになりました。一方、万能素材ですが、難点もあります。それはクロスゆえ、部分的な補修ができず、貼りかえるとなると、全面補修になってしまう点です。
織物クロス
織物クロスは、繊維を編みこんでクロス状にしているので、ビニールクロスに比べ破れにくい点が特徴です。伸縮にも強いと言われます。クロスの素材は、綿、絹、セルロースなどです。
ただ、織物なので、汚れがすぐにしみ込みやすいデメリットもあります。また防火機能も弱いとされます。値段もビニールクロスに比べ高価ですし、貼り替えるにも手間がかかるので、DIYには不向きな素材と言われます。
しかしながら、自然素材の風合いは、ビニールクロスでは得られない魅力でしょう。
紙クロス
紙クロスは自然風合いの趣が出せます。また、表面加工が容易なので、デコボコした模様や、波のある模様などのデザインが選べる点も特徴と言えるでしょう。さらに、織物クロスより貼り付け作業が容易とされます。
ただし、織物クロスと同様に汚れがしみ込みやす、落ちづらい素材と言われています。また、防火機能が低い傾向にあるため、台所の天井での使用は避けるようにしましょう。
漆喰(しっくい)
漆喰は城壁や蔵の外装に採用されている素材です。耐久力に優れ、防火機能も高い点が注目される特徴でしょう。また、湿気を吸収し、部屋をカビから守ります。さらに、シックハウス症候群の原因となる有害物質を吸収し、壁の中に閉じ込めてしまう作用も確認されていますので、アレルギー症状の改善効果も期待できます。
一方、塗装に手間がかかり、工期も長くなりがちです。さらに、地震の際には大きなひびが入ってしまう可能性も。言い換えれば、地震のような大きな自然災害さえ起きなければ長期間使える素材と言えるでしょう。
珪藻土(けいそうど)
珪藻土は藻の化石から出来ています。調湿性に優れるとされ、「呼吸する壁」と言われるほどです。また、耐火性も高い特徴があります。ですから、七輪などの材料にも使われてきました。それに、臭いを吸収し、閉じ込める作用もあるとされています。その特徴をいかして、シックハウス症候群対策にもなり得ます。
ただ、施工に手間がかかると言われます。壁ならまだ素人でもできるかもしれませんが、天井となると業者に頼んだ方が現実的でしょう。それに工期も長びく傾向があります。
それでも、上述したメリットは捨てがたいとおっしゃる方も多い素材です。
板張り天井
木材を貼り合わせた板張り天井は、木の独特の質感があります。調湿性能にも優れています。ただし、コストがかかり、時間の経過とともに変形しやすいというデメリットもあると心得ましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。一言で天井リフォームと言っても、色を変えただけでも印象は大きく変わることがおわかりいただけたかと思います。
さらに、デザイン、材質を変えればその変化と効果は大きいものがあります。その分、リフォームの選択肢が広がると言えるでしょう。
自分のイメージに合った天井リフォームを実現して、素敵なお部屋にしてくださいね。
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