落ち着いた雰囲気が魅力の和室ですが、経年によって汚れや傷が目立ちやすいのが難点。特に和室でよく見られる砂壁は剥がれやすく、他の作りに変更したいと考えている人もいるかもしれません。今回は、そんな和室の壁リフォームについて徹底解説。和室の壁の種類やリフォームの費用、工期など詳しくお伝えしていきます。
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和室の壁はクロス貼りか塗り壁か
和室の壁といえば砂壁のイメージが強いですが、実際にはさまざまな種類があります。砂壁を含む塗り壁の他、壁紙クロスを用いる場合もあります。和室の壁リフォームを行うにあたっては、まずクロス貼りにするのか塗り壁にするのかを選びましょう。
クロス貼りにする場合、和室であっても他の居室と考え方は変わりません。もっとも一般的なビニールクロスを使ってもOKですが、和室におすすめなのは質感がよく高級感を演出できる紙クロスや織物クロス、塗装のような質感を再現できる珪藻土クロスなどです。壁紙クロスで仕上げるのであれば、和室の雰囲気を崩さないデザインのものを選ぶようにしましょう。
塗り壁は大きく5種類
壁紙クロスは手軽さが魅力ですが、質感という点では塗り壁に軍配が上がります。塗り壁と一口に言っても、冒頭で紹介した土壁をはじめとして大きく5種類に分類できます。それぞれの特徴は次の通りです。
砂壁
和室でよく見られる砂壁は天然砂や細かく砕いた石、貝殻粉や色ガラス粉などを使用した塗り壁。調湿性に優れており日本ならではの高温多湿な気候に適しているほか、防火性・耐火性も高く木造建築に向いている壁と言えるでしょう。シックハウス症候群の原因となる有害物質を吸収するとも言われ、健康面でも効果が期待できます。価格がリーズナブルなのも広く用いられている理由です。一方、表面がボロボロと崩れやすく、耐久性があまり高くない点は注意が必要です。
土壁
土壁も砂壁と同様、古くから日本建築に使われてきた壁であり、調湿性・防火性の高さとリーズナブルな価格が魅力です。消臭効果やシックハウス対策効果も見込める点も砂壁と共通しています。土壁は左官職人が塗って仕上げるので、独特の風合いが楽しめる点が特徴。砂壁と比べれば耐久性は高いですが、劣化すると表面にヒビが入ってしまうことがあるため要注意です。
漆喰
サンゴから加工された石灰を原料とした漆喰は静電気を溜め込みにくいという性質があり、表面にゴミやホコリがつきにくいのがポイント。仮に表面が汚れてしまっても、上から塗り直せば元に戻せるというメンテナンス性の高さも魅力です。砂壁・土壁以上に調湿性が高いので、和室の快適度をアップするのにも効果的な塗り壁と言えるでしょう。
珪藻土
藻類の一種である珪藻の化石が堆積したものを原料とする珪藻土は、吸水マットやコースターの素材としても広く使われる素材です。調湿性の高さから人気の素材ですが、砂壁や土壁と同じくボロボロと崩れやすいのは難点。ただし、一度塗れば長い間使えるのでトータルコストとしてはそれほど高くないとされます。
プラスター壁
塗り壁用素材の一種であるプラスターは使用する材料によって種類が分かれますが、もっとも一般的なのは石膏プラスターです。古代エジプト時代から使用されていたと言われる素材で、漆喰壁に似た美しい仕上がりが特徴。漆喰に比べて安価で加工しやすいものの、機能性は漆喰仕上げのほうが優れると言われます。
壁の種類ごとにみるリフォーム費用相場
ここまで和室に用いられる壁の種類を紹介してきましたが、どの素材で仕上げるかによってコストは変わってきます。続いては壁の種類ごとに費用相場を見ていきましょう。いずれも材料費と施工費を合わせた目安です。
- 壁紙クロス:6畳で約116,000〜175,000円程度
- 砂壁、土壁:6畳で約36,000〜60,000円程度
- 漆喰、珪藻土:6畳で約42,000〜78,000円程度
(参考:リフォらん)
壁紙クロスがもっとも高価というのは意外に感じるかもしれませんが、和室を新たに壁紙クロス仕上げとする場合、ベニヤ等で下地を作ってから施工する必要があります。施工費がかかるのでリフォーム費用が高くなるというわけなのです。もともと壁紙クロスを使用している和室であれば、比較的リーズナブルに貼り替えられます。
壁を塗り替える場合の工期目安
次に、和室の壁をリフォームする際の工期目安についても解説します。リフォーム前の和室の壁仕上げが何かにもよりますが、ここでは一般的な砂壁からリフォームする想定で見ていきます。
- 同じ砂壁に塗り替える場合:2〜4日程度
- 漆喰、珪藻土に塗り替える場合:2〜4日程度
- 壁紙クロスを新たに貼る場合:2日程度
(参考:リショップナビ)
(参考:リフォーム成功学)
元が壁紙クロス仕上げの和室において、同じ壁紙クロスに貼り替えるのであればもっと短期間でリフォームできる可能性があります。
まとめ
今回は和室の壁リフォームについて、仕上げの種類・費用・工期を詳しく解説してきました。手軽な壁紙クロス仕上げもいいですが、塗り壁で仕上げると和室らしい落ち着いた雰囲気や質感を演出できます。どのような和室に仕上げたいかイメージした上で、マッチする仕上げ方法で壁をリフォームしてみてはいかがでしょうか。
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