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アメリカらしい家の特徴とは?典型的な住宅スタイルをご紹介


アメリカの映画やドラマで見たような家に住んでみたい!家の購入やリフォームを考える時、そのように考える方もいらっしゃると思います。

アメリカの住宅には、歴史的に多文化の影響を受けて、多くのバリエーションが存在します。こちらの記事では、アメリカらしい家の特徴や、典型的な住宅スタイルをご紹介していきます。

 

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アメリカの家の特徴

まずは、アメリカのごく一般的な戸建住宅に見られる特徴をご紹介します。

間取りの特徴

LDK表記は使われておらず、ベッドルームとバスルームの数で間取りを表現します。
例)4bds 3.5ba ベッドルーム4部屋にバスルーム(お風呂+トイレ)3つ、トイレのみが1つという意味

アメリカらしい間取りの例として、以下のような項目が挙げられます。

  • 一般的に日本の家と比べてサイズは大きく、天井は高め、窓は多め
  • 玄関ドアを開けてすぐ部屋が広がり、靴を脱ぐためのたたきはない
  • フォーマルなダイニングとは別に、キッチンの側などにカジュアルな食事のためのヌックスペースがある
  • 暖炉を中心とした広々としたリビングスペース
  • 乾燥機と洗濯機を置くための独立したランドリールーム(外干し文化がない)
  • 車2、3台分のインナーガレージがある(物置や作業場として使う人も)
  • 広さを活かし地下室やボーナススペース(シネマルームとして使用や、ビリヤード台などを置くこともある)、パントリーなど収納スペース、ウェットバーなどがある場合も

住宅寿命が長い

国土交通省「長持ち住宅の手引き」によればアメリカの平均住宅利用期間は55年とのこと(日本は約30年、イギリスは77年)。実際には、州によって天候条件等が大きく異なるため、調査元ごとにデータも40年から100年など幅があるようです。いずれにしても、日本の住宅よりはかなり利用期間が長いとされています。

住宅購入=終の住処という考え方がなく、ライフステージに合わせて積極的に住み替える人が多いアメリカ。中古物件の流通が盛んなので、住宅売却を利益に繋げようと必然的に修繕やメンテナンスに力を入れます。もともと、このような修繕が容易にできるよう設計されていることなども、住宅寿命が長い理由のひとつです。

アメリカの典型的な住宅スタイル

アメリカの典型的かつ現在も人気が続く住宅スタイルを一部ご紹介します。

Colonial(コロニアル)

コロニアルとは、1600年代の植民地支配下で生まれた建築様式。ニューイングランドのイギリス人入植者によってもたらされた歴史的建築様式と、19世紀末から20世紀に広まったリバイバル様式の両方を指すのが一般的とされています。

また、世界中からの入植者の多文化的な影響を反映した建築様式を包括して使われる用語なので、スパニッシュ、フレンチ、ダッチ、フェデラル、ソルトボックスなど数多くのバリエーションが存在し、それぞれに違う特徴があります。

一般的に認知度が高いとされるブリティッシュ・コロニアルの主な特徴

  • シンメトリーで長方形に近い形状
  • 玄関ドアは中央に配置
  • 伝統的でシンプルなデザイン
  • ニュートラルカラーの外壁 など

Ranch(ランチ)

ランチは、シンプルな間取りとガレージ付きで、価格も手ごろな傾向にあることから、現在のアメリカでとても人気のあるスタイルのひとつ。1930年代に生まれ、第二次世界大戦後の郊外住宅建設時にも量産されました。

ランチスタイルの主な特徴

  • 平屋
  • 緩やかな勾配の屋根
  • 長方形、Uの字型、L字型の開放的な間取り
  • アウトドア生活を楽しむためのパティオやデッキ など

Victorian(ヴィクトリアン)

ヴィクトリアンは、ヴィクトリア女王がイギリスを統治していた1837年から1901年までの60年以上にわたる時代に、その影響を受けた住宅のことで、いくつかのバリエーションがあります。ロマンチックで華美な装飾を施したデザインが特徴的ですが、現在では伝統にモダンをミックスした、よりシンプルなアレンジも人気。

ヴィクトリアンスタイルの主な特徴

  • 急勾配の切妻屋根
  • 2階または3階建て
  • 丸みを帯び、複雑でアシンメトリーな形状
  • 視線を上に集める小さな突塔
  • 装飾された出窓や縁、木工細工
  • 鮮やかな色使い など

Craftsman(クラフツマン)

クラフツマンは、それまで大量に作られたヴィクトリアンへの反動から、シンプルさに重点が置かれたスタイルで、1900年代初頭に生まれました。産業革命後のイギリスで起こった、アーツ・アンド・クラフツ運動に影響を受けています。自然素材やその造形の美しさ、人間が自らの手で作り出せるものの素晴らしさを再認識させる美学で、現在も人気の高いスタイルのひとつ。

クラフツマンスタイルの主な特徴

  • 軒先に張り出した緩やかな勾配の屋根
  • テーパード型の角柱で支えられた広くて開放的な屋根付きの玄関
  • むき出しの梁や棚などの木工品、内外装の石細工などに職人の技術が反映されている など

Contemporary(コンテンポラリー)

元は20世紀半ばに設計されたモダンな住宅のことを指す用語でしたが、現在では、ここ数十年のうちに建てられ、シンプルかつ持続可能性に重点が置かれた住宅に対し幅広く使われています。

コンテンポラリースタイルの主な特徴

  • 凝った装飾や不必要なディテールの排除
  • アシンメトリーな外観
  • 開放的な間取り
  • 大きな窓やガラスの多用
  • 自然との結びつき など

まとめ

多文化の影響を受けながら発展してきたアメリカには、上記でご紹介した以外にも数多くの住宅スタイルのバリエーションがあります。また最近ではひとつのスタイルにとらわれることなく、いくつかの要素をミックスするなど、自由な発想でデザインも進化していると言われています。

世界中の住宅やその歴史を知ると、家づくりの際に理想のイメージを絞り込んでいく時の助けにもなります。アメリカを含め様々な国の住宅スタイルをぜひ参考にしてみてくださいね。

Writing: チチ(アメリカ在住)

参考:
長持ち住宅の手引き
最も人気のあるアメリカの家のスタイル
26 建築家のスタイル: アメリカの近所を築いた家

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