リノペディアとは
リフォームやリノベーションの実際のユーザーの声をもとに、現場からその工事にかかる費用・工期・注意点などのポイントをまとめた工事事典です。
監修:空間プロデューサー 岡野 潤
「引き渡しからが本当のお付き合い」。施工責任者・アフター責任者として、住んでからの小さな改良工事や疑問点・お困りごとの相談など全般を担う
今回のテーマ
キッチンの背面にオープン棚などの収納を設けたい
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もくじ
1. この工事で影響する場所は?
・キッチン背面の壁
収納棚やカウンターを設置、固定するために壁に下地を入れる工事が必要です。収納棚のサイズや収納する物の重さによっては、壁の補強工事も必要になります。
・天井(必要な場合)
天井からの吊戸棚を設置する場合は、天井に下地を入れて固定する工事が必要になります。
また、既存の照明の位置を移設する場合は、照明の移設工事と、照明の跡を補修する工事が必要です。
・電気配線
収納棚に、家電などを置く場合はコンセントを新設する工事が必要です。
また、照明の移設や新設を行う場合も、電気配線工事が必要です。
2. 費用相場
・費用相場は、約10〜15万円です。
・費用には下記のものが含まれます。
壁の解体・補強
壁の仕上げ材(壁紙・珪藻土など)
収納棚・カウンター
配線(コンセント・アース取付)
3. 工期の目安
2日間位
上記が基本の日数となり、必要となる追加工事の種類が増えるに従って、工事の日数も増えます。
4. 工事の流れ
1)壁の解体・補強工事
キッチン背面の壁を解体し、収納を固定する部分に下地を入れます。
2)電気配線工事
壁の中に配線してコンセントを設けます。
3)壁の内装仕上げ
壁を壁紙や塗り壁材で仕上げます。
4)棚や収納家具の設置
既製品の収納家具の場合は設置、固定します。造作カウンターやブラケットの場合は、組み立て、設置、固定します。
5. キッチンの背面にオープン棚などの収納を設ける工事のリノベーション・リフォームの事例
事例1:壁面いっぱいの大容量背面収納があるキッチン
キッチンと同じ間口のカウンター兼収納棚は、奥行きも十分あるので、作業スペースとして使うことができます。さらに、カウンターの上部は、可動棚になっているので、好きな高さに調節できるうえ、棚を増やすことも出来ます。
事例2:見せる収納で機能的なキッチン
壁付けL型キッチンなので、背面に壁がありませんが、キッチンの上部にステンレス棚やフックを取付け、食器や調理器具を見せる収納にしています。また、中央に置いた作業テーブル兼食器棚は機能性も抜群です。
事例3:自由度の高いオープンな背面カウンター
カウンターの下は、BOXやラックがピッタリ収まるように計算されており、無駄なスペースがありません。扉を付けずにオープンにすることで、既製品の家具やゴミ箱が置け、自由度の高い収納スペースになっています。
6. 業者の選び方チェックポイント
1.工事品質
事前の現場確認の記録を残しているか
当たり前のことですが、寸法などの記録をしっかりとることです。
養生をしっかりしているかどうか
工事の際には特に、通路・エレベーターなどの共有部分に養生の仕方に差が出ます。丁寧さはこういう場所に出るというのは現場でも大切にしています。
現場を裸足で歩けるか
整理整頓ができている現場は釘などの危険な工具が落ちていません。部材の整理整頓はもちろん、ほうきと塵取りでこまめに掃除ができる環境であることも大切です。
リスクの説明があるか
中古リノベーションの場合は、現場の状況により希望していた工事が出来ないケースがあります。契約の前にリスクの説明があるか確認しましょう。
2.デザイン提案力
メーカー品以外の提案ができるか
有名メーカーのアイテムは、どの業者でも比較的見積を取りやすいですが、有名メーカー以外への知見もあるかが一つの基準になります。
ニーズにあった提案ができるか
ヒアリング時に「どのアイテムが良いか」だけでなく、「なぜその窓が良いか」や、「使い方」のヒアリングがあると、ニーズに沿った提案があることが期待できます。アイテムが決まっている場合は個人でインターネットで価格を確認しながら選択できるメリットがあります。デザイン提案を期待するのであれば、使い方を含めたデザイン案を出せる業者が良いでしょう。
7. 工事の際の注意点や意外な落とし穴
コンセントの場所や使う家電を事前に決めておく
背面収納部分に電子レンジやポットなどの調理家電を置く場合は、コンセントが必要になります。また、電子レンジなどアースが必要なものもあるので、アース付きのコンセントを設置する必要があります。延長コードを使わなくても良いように、置きたい家電と場所を事前に決めて、コンセントの数や位置を確認しておきましょう。
補強工事や電気配線ができない壁がある
壁に断熱材が入っていたり、マンションの共用部分となる外壁(躯体部分)だったりする場合は、直接、壁に棚や収納を取り付けることや、電気配線を通すことが出来ません。その場合は、壁の内側に空間をつくるために、室内側に壁をふかす必要があります。工事内容や費用が変わるので確認が必要です。
8. オススメのオープン棚アイテム
HAGSアイテム:ブラケット ソリッドアイアン B [D105〜370mm]
シンプルながらも、存在感を放つレトロでかっこいいアイアン素材のブラケットです。アイアンはシルバーとブラックの2色展開で、サイズはSS〜LLまであり、最大10Kgまで耐荷重があるので、飾りたい物のサイズや重さに合わせて選ぶことが出来ます。
HAGSアイテム:ブラケット I型シェルフフレーム 8段 [D115/165mm]
木板を2つのはしご状フレームに渡して棚を作ることができるので、棚板を好みの高さに設置して使えます。ホワイトフレームとパイン材を使って北欧風に、ブラックフレームを使えば、インダストリアルテイストの部屋づくりが叶います。
HAGSアイテム:壁型収納 カベツケ ブラック×ニュージーパイン
はしご状のスチールパイプに無垢集成材を渡したデザインで、背板が無いので、スッキリと圧迫感がなく、壁のテクスチャや壁紙のデザインを見せることが出来ます。
高さは、600・1200・1800と3種類あるため、飾り棚としてだけでなく、本格的な収納棚としても使えます。デスク上部に天井から、吊り戸のように設置して使うのもオススメです。
9. まとめ
この「リノペディア」では、リフォームやリノベーション時のモヤモヤを一つずつ紐解くことで、後になって思いもよらない事態に陥ることがないよう、実用的な注意点をお届けしています。費用は現場の状況や時期により異なる点、工期や状況も現場の状況が優先されますので、ここに記載された情報を参考に、事前に業者にしっかりと確認をするようにしましょう
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