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今すぐ何とかしたい!シロアリ駆除は自分でできる?

シロアリ(ヤマトシロアリ、イエシロアリなど)は、家の土台や柱、壁を食い荒らし、建物を弱らせてしまう困った害虫です。

普段は床下や壁の裏側などの見えないところにいるので、直接目にする機会はあまり無いと言えます。しかし、床の軋みや建付けの悪さ、春先から夏にかけてみられる羽アリが気になったら要注意。シロアリが近くで巣を作っていないか警戒しましょう。

今回は、シロアリが気になり被害が広がっているのでは、と不安を感じた時に、どうすればよいのかを解説していきます。

シロアリ被害をチェック!

シロアリの被害を疑うなら、身近なところからチェックしてみましょう。例えば、次のような現象が起こっていませんか。

  • 春から夏にかけて、家の中や周辺で、羽アリや落ちているアリの羽をよく見かける。

建物に被害を与えるヤマトシロアリ(4月から5月頃)やイエシロアリ(6月から7月頃)の羽アリが大量発生する時期です。新しい蟻が住めないほどいっぱいになった大きな巣があると考えられます。

  • フローリングや畳で、踏むと、フワフワした感触のところやギシギシと音がするところがある。
  • 壁際などに、木の削りくずや砂粒、土くずのような物が落ちている。
  • 床や柱など木材の表面に小さな穴が開いている。
  • ドアや引き戸の開閉がスムーズにできないなど、建付けが悪くなったと感じる。

これらの現象は、シロアリが建物内部の木材を侵食しているサインとも受け取れます。

  • 家の基礎コンクリートや外壁などに、土の筋(蟻の道)ができている。

蟻道(ぎどう)と呼ばれる蟻の通り道は土の筋のような見た目をしています。蟻道は、シロアリが土の中から建物に侵入する際のルートとも言えます。

以上のような現象が起こっていたら、シロアリが巣を作っていることを疑いましょう。

また、築年が経つほどシロアリ被害の割合も増える傾向です。新築時にシロアリ対策が施工されたとしても、薬剤の効果は長くても5年ほどで弱まると言われています。そのあとは薬剤散布などの対策を取らないでいると、シロアリの被害にあう確率も高まっていくとされています。築年が浅くても安心はできません。

シロアリの被害にあっているかも、という疑いが出てきたら、まずは専門の業者に調査を依頼しましょう。シロアリの活動領域は、床下など普段の生活では目にすることが難しい場所が多いので、確認するには専門技術を持ったプロの集団に依頼して、調査してもらうとより確実です。

参考:auiewo「シロアリ対策|今すぐできる駆除の方法と業者に任せるときの注意点【完全版】」
参考:生活110番「シロアリ被害を写真でチェック!床下・浴室など食害に遭いやすい場所の特徴」
参考:LIFULL HOME’S PRESS「【春はシロアリの恋の季節②】住まいを長持ちさせるための対策は?その効果は??」

シロアリ駆除は自分でできる?専門業者に頼む?

結論から言うと、専門的な知識や装備を持たない人がシロアリの駆除を行うことは、おすすめできません。というのも、被害の再発、被害範囲の拡大につながることも考えられるからです。

シロアリは、コロニーと呼ばれる巣をいくつか作っていることが多く、そのうちの一か所を駆除しても、その建物へのシロアリ被害を終わらせることにはなりません。時間が経てば、シロアリは活動を再開するでしょう。また、より駆除しにくい奥まった場所に逃げていって巣をつくることもあり得ます。

また、シロアリ駆除では、シロアリの発生が多くが確認されている床下にもぐっての作業が必要になってきます。見通しが悪く狭い空間で薬剤を使っていくことになり、シロアリ以外の害虫や害獣が生息している可能性も高いです。慣れていない人には危険な作業になるでしょう。

このように、シロアリの駆除を自分で行うことにはリスクが伴います。手間や費用は掛かりますが、専門業者に依頼して、徹底的に駆除してもらうのがおすすめです。

参考:株式会社雨宮「シロアリ・羽アリの生態と見分け方。自分でできる対策と予防方法は?」

DIYのシロアリ駆除はどの程度有効か

シロアリ駆除は専門業者に任せるのが基本ですが、大量の羽アリが発生して気持ち悪いとか、食い荒らされている部材を見つけてしまったなど、今すぐにシロアリを何とかしたい、という事態に遭遇することもあります。

専門家の駆除を待てないときに、自分でできる対策にはどのようなものがあるのか、紹介していきましょう。

  • 羽アリの掃除

大量発生している羽アリ、とにかく目にしたくないなら、掃除機で吸い取る、ほうきで払う、水や湯をかけて流す、などの方法が考えられます。駆除とは言えませんが、一時的にでもアリを見なくてよくなります。

その際、一部を捕まえて保管したり写真に撮ったりしておくようにしましょう。後から専門業者に駆除を依頼する時、アリの種類などが特定できるので、効果的な対策を行う上でも役立ちます。

  • 市販の殺虫剤を使う

シロアリ用の殺虫剤にはホームセンターなどで市販されているものもあります。安全性をより重視していることもあり、プロの使う薬剤と比べれば、効果の継続期間が短いなどの違いがあります。

市販の殺虫剤には成分や効果に種類があるので、使いたい建物の状況に合わせて求める効果が期待できる製品かどうかを判断して選びましょう。シロアリの嫌がる成分で近寄らせない予防効果のあるもの、殺虫効果の高い駆除用のものでは使い方も異なります。

また、家族やペットへの影響がでることもありますので、効果の強さに加えて危険性についてもしっかり確認したうえで、使用方法を守って使うことが重要と覚えておきましょう。

気を付けたいのは、シロアリ用でない殺虫剤は使わない、ということ。ゴキブリ用やコバエ用の殺虫剤なら常備していることもあるでしょう。しかし、用途の違う殺虫剤ではしっかりと効果がでないままシロアリを分散させてしまい、駆除の難易度を上げてしまいかねません。

いずれの方法でも、DIYでできるシロアリ駆除は、一時的な処置であると言われます。シロアリの被害は、数日で建物を倒壊させるほどの進行スピードはありません。焦って対処しようとせず、落ち着いて本格的な駆除を専門家に依頼するべきと覚えておいてください。

参考:アサンテ「第2話 『羽アリが大量に発生! これってシロアリ?』見分け方と対策の基本」
参考:ユーコーナビ「プロ厳選!おすすめシロアリ駆除薬剤5つ&失敗しない選び方のコツ」

今すぐできるシロアリ被害の予防対策

シロアリを発見しても、DIYで完全に駆除することは難しいとご説明しました。

シロアリ被害を抑えるために、シロアリの好む環境をできるだけ作らないようにする方法もあります。本格的な駆除や防虫処理をしても、シロアリ被害は時間が経つと再発することがありますので、普段からシロアリの寄り付かない環境を整えておくことにも意味があります。

シロアリはもともとは土の中にいて湿気の高い環境を好みます。そこに大好物の木材があるとシロアリを引き寄せ易くなるといえます。ですから、湿度を下げ木材を遠ざけることが基本の対策になります。

  • 家の中で湿気がこもりやすい場所を換気する

室内では、浴室やキッチン、トイレ、そして掃除で水を使う玄関などは要注意スペースとされます。また、シロアリの発生が多く確認されている床下の通気も大切です。家の外周をチェックして床下の通気口が物でふさがれていないか、チェックしておきましょう。

  • 屋外に廃材を放置しない

床下や通気口の近く、庭などに使っていない木材や廃材が放置されていませんか。木材を好むシロアリを引き付けてしまいますので、すぐに撤去しましょう。移動できない場合には、殺虫剤を使うなどの対策をしましょう。

  • 雨漏り、水漏れを放置しない

家の中で雨漏りや水漏れしている場所がないかチェックしましょう。湿気を含んだ家の部材はシロアリの好む環境になりがちです。

参考:アサンテ「第4話『シロアリを寄せ付けない環境を整える』ことが大切!自分で出来るシロアリ被害の予防法」

まとめ

シロアリは、家の基礎や柱を内側から破壊してしまいます。床下や壁の裏の見えないところで、気づかないうちに被害が進行していたといったケースも多くあります。

羽アリや木くず、建付けの悪さなど、シロアリ被害の兆候があるなら、自分で何とかしようとするのは一時しのぎにすぎません。専門の業者に調査や駆除を依頼するのが対処法の大原則と心得ておきましょう。