新築一戸建てに比べて安価で自由度の高い、中古一戸建てのリノベーション。リノベーションに向いているのは、どのような物件なのでしょうか。
この記事では、物件を探す上でチェックすべきポイントをご紹介していきます。
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築年数と耐震性
物件を選ぶ上で重要なのが、建物の価格と安全性のバランスです。築古の物件は安価ですが、その分安全性に問題があることも考えられます。まずは、築年数と耐震性という視点からポイントを確認していきましょう。
築20年が表す意味
中古一戸建てを選ぶ上で一つの基準となるのが、築20年という数字です。
住宅は、新築時から徐々に価値が低下するものです。木造一戸建てでは、築15年で新築の約2割まで価格が低下し、築20年を経過すると建物としての資産価値がほぼゼロになると言われています。
(参考:三菱UFJ不動産販売「築年数」)
これは、減価償却における木造住宅の耐用年数が22年とされているためです。
(参考:国税庁「耐用年数(建物/建物附属設備)」)
つまり、築20年以上の物件は建物を除いた土地のみの価格で手に入れられる場合があるということです。ただし、この後に述べる耐震性を考慮に入れないと、せっかく安価で手に入れても、後から工事費で費用がかさむ危険性もあるので注意しましょう。
2000年基準
資産価値から見た築年数の基準をお伝えしましたが、同時に耐震性が確保されているかもチェックしておきたいところです。
1981年6月以降に建築確認を受けている建物は「新耐震基準」を満たしており、震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しない構造になっています。それ以前に建築確認を受けたものは「旧耐震基準」なので、震度5強程度の揺れに耐えられるところまでしか保証されていません。
(参考:R.E.words不動産用語集「新耐震基準」)
その上で、木造一戸建てに関しては「2000年基準」も考慮が必要です。2000年の建築基準法改正で、木造住宅の耐震基準が大幅に見直されました。
2016年の熊本地震では、新耐震基準を満たしながらも倒壊した木造住宅があったと報告されており、2000年基準の重要性が浮き彫りになっています。
(参考:日経クロステック「81年〜2000年住宅の8割超が大地震で倒壊の恐れ」)
2000年以前に建築確認を受けた物件を検討する場合、2000年基準を満たす耐震性能があるかどうかを確認しましょう。万が一、2000年基準を満たさない場合には、耐震補強工事の費用を見込む必要があります。
構造でリノベーションの自由度が変わる!
中古一戸建てをリノベーションする際には、建物の構造にも注意が必要です。
木造一戸建ての場合、「在来工法」「2×4(ツーバイフォー)工法」「プレハブ工法」などの工法があり、リノベーションのしやすさが異なります。ここでは、代表的な工法2つについてご紹介しましょう。
リノベーション向きの「在来工法」
日本の一戸建てで多く採用されているのが「在来工法」です。柱や梁を組み合わせて作った骨組みによって建物を支え、そこに床・壁・屋根を取り付けるという構造です。壁を取り除いても構造的に問題が少なく、間取りや増改築が比較的自由に行えるため、リノベーションに向いているとされます。
制限が多い「2×4工法」
もう一つご紹介するのが「2×4工法」です。断面が2インチ×4インチの角材を使用することが名前の由来。角材で作った枠組みと合板を接合したパネルを組み合わせて、箱状の居住空間を作ります。そのため、壁も建物を支える役割を果たしており、レイアウトを変えるのが難しい点がネックになります。一般的に自由度が低く、リノベーションしづらいと言われています。
一戸建ては敷地にも注目しよう
中古一戸建ての購入を検討する上で、建物と同様に重要なのが敷地の状況。
リノベーションに際して増築も含めて検討している場合には、建ぺい率・容積率に余裕があるか確認しておきましょう。
また、築古物件においては、現行の建築基準法の基準を満たしていない「再建築不可物件」にも要注意です。リノベーションには支障ありませんが、将来的に建て替えたいと考えても認められません。物件としての価値も低くなるので、資産価値を求める場合には避けた方が良いでしょう。
まとめ
今回は、リノベーション向きの中古一戸建てを選ぶ上でのチェックポイントをご紹介してきました。
ご紹介したポイントを押さえておけば、リノベーションに適した物件をかなり絞り込むことができるでしょう。ただし、最終的にはリノベーションのプロに相談して、後悔のない物件選びを心がけたいところですね。
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