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フローリングに無垢材を使いたい時のポイント

フローリングに無垢材を使いたい時のポイント

フローリングに無垢材使いたい。そう考えている方は多いのではないでしょうか。

今回は無垢材を検討していく中でのポイントを設計士さん等のプロのアドバイスや、調べたことをまじえてご紹介します。

無垢材にはメリット・デメリットがあり、取り入れた後のことも考えなければいけません。お伝えする情報が、いま検討されている方のお力に少しでもなればと思います。
 

無垢材フローリングのメリット・デメリット

無垢材の魅力は、木目の良さと温かみ、そして耐久性だという声をよく耳にします。

無垢材はとても魅力的ですが、万能というわけではありません。メリット・デメリットがあり、選び方や使い方にも注意が必要です。


無垢材のメリット

無垢材のメリットはたくさんありますが、「無垢材ならでは」というメリットを3つご紹介します。

<調湿作用がある>
無垢材の調湿作用は、高温多湿の日本にマッチした作用です。

オイルステインなどの、調湿作用を妨げない塗料を使った場合、調湿効果があります。床全体に使うとそれなりの調湿効果が期待できます。

無垢材の調湿作用は、高気密高断熱の住宅でも効果を発揮。1日のうち、湿度の変化する日中と夜間の湿度差の調整の手助けもしてくれるでしょう。湿気の多い梅雨や乾燥しがちな冬に、同様の効果があることは魅力のひとつです。

無垢材の調湿効果は意外なところで発見できます。足の裏の汗も吸ってくれるので、サラサラとした足触りが楽しめ、素足がとても快適です。一方、最近の合板フローリングは、見た目や手触りが無垢材とほとんど変わりません。しかし、素足で歩くと無垢材の方がサラサラとした気持ちよさを体感できるでしょう。

<経年変化が楽しめる>
無垢材は、色味の変化も楽しみの一つです。

時間がたつごとに風合いが増し、味わいが出てきます。また、経年変化も材種によって違ってきます。

スギやヒノキは赤身のある色合いに、オークやナラは木目がより目立つ濃い色に変化します。また、メープルなどは木目が薄くなり、光のムラがよりよくなるものもあります。

張った直後が完成ではなく、経年変化により味わい深くなじんでいくことで一体感が増すのが無垢材の魅力とも言えるでしょう。

<あたたかみがある>
無垢材の表面のあたたかみは、経年変化による色の違いだけではありません。

無垢材は、熱を伝えにくいため「冷え」を感じにくい性質もあります。冬場、床が冷たいのはとてもつらいですね。無垢材は断熱性はそこまで高くありませんが、熱を伝える「熱伝達率」が低いので冷たさを感じにくいとされます。足裏がヒヤリとしないことは、毎日の生活にはありがたいことではないでしょうか。


無垢材のデメリット

無垢材には、「キズや汚れに弱い」「熱・乾燥に弱い」「価格が高い」などのデメリットもあります。
次に、無垢材フローリングのデメリットについて見てみましょう。

<キズや汚れに弱い>
無垢材のデメリットでまず上げられるのが、キズや汚れに比較的弱い点です。

「あばたもえくぼ」のことわざ通り、キズや汚れも味わいのうちと考えればよいですがなかなかそうもいきません。やはり大きなキズや目立つ汚れは気になるものです。
 

フローリングに無垢材を使いたい時のポイント

<熱・乾燥に弱い>
熱や乾燥に弱く、その結果として寸法が狂ってしまう点もデメリットとしてあげられます。

過剰な収縮が起き、目地のスキマが極端に空いたり、板が割れることもあります。

特に、床暖房は熱と乾燥の両方を引き起こしますので無垢材との相性がよくないと言われます。無垢の床に床暖房を入れる場合は特に注意が必要です。

<価格が高い>
材種や幅で、合板フローリングと比較すると無垢材は価格が高い印象を受けます。

生産量が限られている、綺麗な木目が少ない、世界的に人気がある等の理由で、無垢材のフローリングは高価な製品と言えます。製品によっては合板フローリングが高い場合もありますが、全体を見ると床材に使用できる材料は高価な傾向です。

無垢材フローリングのデメリットが気になる方は、それらを解消した合板フローリングを含めての検討をオススメします。
 

フローリングに無垢材を使いたい場所・避ける場所

リビングや玄関、寝室や子供部屋など、無垢材を使いたいところは沢山ありますね。

実は、家中どこでも使えるわけではなく、様々な理由で無垢材を使いたい場所、避けるべき場所があります。まずは避けたい場所からお伝えします。


避けたい場所

キッチン、トイレは避けたい場所です。

キッチンの油汚れや洗剤汚れは無垢材にとって大敵です。放置するとシミの原因になり得ます。油汚れも、無垢材の中に浸透してしまうのでなかなか落ちません。

トイレは、尿の中に含まれる微量のアンモニアが無垢材の中にしみ込んでしまいます。シミの原因になりますし、なによりニオイがいつまでも取れません。便器周りの結露も、床のシミの原因になるでしょう。


使いたい場所

避けたい場所のキッチン・トイレ以外は使える場所です。

リビング・寝室・子供部屋・玄関・廊下など、人を迎える場所や普段使いの場所には採用をおすすめしたいです。

洗面所や脱衣室にも使えます。無垢材は水分や湿気には強いのです。濡れたままにせず、ふき取ることを心がければ無垢材の傷みは、抑えることもできるでしょう。
 

無垢材フローリングのお手入れポイント

フローリングに無垢材を使いたい時のポイント

日常のお手入れ

通常は乾拭きや掃除機でホコリを取ります。

汚れが付いたときは薄めた食器用中性洗剤で拭く、その後、必ず水拭きをして洗剤成分を取り除くことです。余分な水分も乾拭きでふき取っておくと効果的です。


大掃除の時

水拭きをしたら最後に乾拭きで水分を取り除く。通気をとって乾かす。

汚れがひどい場合、薄めた食器用中性洗剤で拭く。水拭き2回ほど行い洗剤成分を拭き取る。乾拭きをして水分を拭き取る。最後、通気をとって乾燥をすることを心がけましょう。


使ってはいけないもの

・アルカリ・酸性の薬品
・化学薬品を含ませたモップなど

具体的には、お掃除用品として人気の重曹もそのひとつ。変色の原因になるので、要注意です。いったん変色した無垢材を直すのはとても大変なので、覚えておいてください。
 

まとめ

今回は、フローリングに無垢材を使いたい時のポイントと題してお伝えしました。無垢材にはメリット・デメリットの両方があり、それらをどう考えるかがポイントになると思います。

フローリングのリフォームをご検討であれば、参考になさってください。