リノベーションで現代のライフスタイルやインテリアのテイストに合わせた和室を設ける住まいが増えています。家族団らんの場や子どもの遊び場、寝室、客室など、和室はさまざまな用途で活躍する多目的な居室でもあります。
ただしライフスタイルによっては、使いにくさを感じて和室をなくす選択をすることもあるでしょう。
今回のテーマは和室です。オシャレな和室リノベーションの事例はもちろん、和室を縮小したり取り払った利した事例も、ビフォーアフターの画像付きでご紹介します。
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和室を残してオシャレにリノベーション
日本人になじみ深い和室は、くつろぎの空間や子どもの遊び場、来客をもてなす場所などさまざまな用途があります。リノベーションで和室をなくすケースも多い中、あえて和室を残し、和のテイストで一新した3事例を見ていきましょう。
事例1|モダンな雰囲気ただよう和室空間
築29年の戸建をリノベーションした事例です。古さが感じられる和室が、モダンで温かみのある空間に変わりました。
<ビフォー>
畳や障子、床の間の壁にも古さが感じられます。床の間は畳よりも高くなっており、段差がありました。
<アフター>
畳や床の間を一新し、モダンな雰囲気も感じられる和室に生まれ変わりました。床の間の壁に木の素材感を楽しめる天然木の素材を採用し、間接照明で柔らかく照らしているのがポイントです。畳の高さに合わせてフラットにした床の間は黒のダイノックシートで仕上げ、空間を引き締めるアクセントになっています。障子から差し込む光もほんのりと明るく、安らげる空間を演出していますね。
事例2|既存の設備を活かし、生まれ変わった和室
当初は和室を洋室にリノベーションする予定でしたが、特注でつくられた照明などを活かし、和室として残す選択をした事例です。
<ビフォー>
長方形の縁あり畳が敷かれ、床の間がありました。梁にぴったりとはまったおしゃれな照明や、天然木の味わいを残す柱、伝統的デザインの違い棚など、細部まで丁寧に作りこまれた和室でした。
<アフター>
畳を縁のないシンプルな正方形の琉球畳に替え、見た目がぐっとスタイリッシュな印象に変わりました。床の間は引き戸を付けて収納スペースにし、空間を有効活用しています。収納の中には枕棚やハンガーパイプを設置しており、使い勝手に配慮されているのが特徴です。
事例3|まるで旅館の一室のような空間に
築31年の和風の木造住宅をフルリノベーションした事例です。既存のものを活かしつつ、新しいものを取り入れておしゃれな和室へと変わっています。
<ビフォー>
縁側や床の間のある立派な和室です。収納スペースはあるものの、やや雑然とした印象です。
<アフター>
畳を新調し、床の間や収納スペースを一新しましたが、板張り天井や床の間の柱、照明など、既存のものも残して活用しています。畳と床の間側の壁の色をそろえて統一感を出し、まるで旅館の一室のような、高級感ある癒しの空間へと生まれ変わりました。
家族でのんびりと過ごすのはもちろん、来客をもてなす部屋としても使えます。もみ殻を使った壁紙や、素朴な質感の聚楽壁を採用している点もポイントです。
和室を縮小して小上がりや畳コーナーに
和室そのままでは持て余すけれど、和室のメリットの感じているなら、リビングの一角に畳コーナーとして残す方法もあります。続いては、和室を小上がりや畳コーナーへとリノベーションした事例を3つ見ていきましょう。
事例4|LDKと一体感のある小上がりスペースに
1997年築のマンションをリノベーションした事例です。リビングに隣接した和室を縮小して、LDKの一角に小上がりのファミリースペースをつくっています。
<ビフォー>
扉を開けておけば空間につながりができるものの、リビング床面とは段差があり、キッチンなどから和室が見えにくい間取りでもありました。
<アフター>
和室を取り払い、小上がりスペースとなりました。この事例では、将来的に一つの居室しても使えるように設計されている点も特徴です。移動して向きを変えたキッチンからは、小上がりスペースを含めてリビングダイニングが見渡せるようになりました。
小上がりは、座位でくつろげる、高さでゾーニングして別の部屋のようになる、といった特徴があり、子どもが遊ぶスペースや、家族団らんの場所として活用できます。また、小上がりにすると床下収納をつくれて空間を有効活用できるため、収納を増やしたい場合にもおすすめです。
事例5|キッチンから目が届く畳スペースに
築26年のマンションを全面的にリノベーションしています。もともとあった和室は、造作の小上がり畳スペースへと形を変えました。
<ビフォー>
開口部はあるものの、LDKとの間にある壁でそれぞれが独立した空間になっています。床面に段差があり、収納は襖のついた押し入れでした。
<アフター>
子どもの遊び場やお昼寝の場所として使える小上がりの畳スペースに生まれ変わりました。小上がり部分は畳のため、そのまま座ったり寝転んだりできます。
和室とLDKの間にあった壁を取り払い、開放的な空間が生まれました。掃き出し窓からの日差しがLDK全体に広がります。
押し入れの襖の代わりに間仕切り壁を設置、その裏にワークスペースを作っています。壁に室内窓を設けることで圧迫感を減らせるうえ、家族がお互いの気配を感じながら過ごせるのが特徴です。
事例6|さまざまな使い方ができる畳コーナー
和室や隣接する居室、クローズドだったキッチンもすべて仕切りを取り払い、一続きのLDKにした事例です。リビングの一部を畳コーナーにしています。
<ビフォー>
押し入れが設けられた、よくあるリビング横の和室です。1996年築ということもあり、古さが感じられます。
<アフター>
大空間となったLDKの一角に3.9帖の畳コーナーをつくっています。当初の位置から比べると奥まった場所にありますが、遮る壁が無いので明るく開放的です。
畳コーナーの隅には座って使えるカウンターが設置されており、ちょっとした書き物や仕事などさまざまな使い方ができます。扉付きの収納も確保されていて、お部屋をすっきりと片付けられそうですね。
和室から洋室へ
ライフスタイルによっては、和室を取り払って洋室に変えたいケースもあるでしょう。和室から洋室へとリノベーションした事例を2つご紹介します。
事例7|収納たっぷりのワークスペース兼寝室へ
築20年のマンションをリノベーションした事例です。リビング横にあった和室を、ワークスペース兼寝室に変えています。
<ビフォー>
バルコニーから離れたリビングの奥にあった和室は、押し入れ付きで、引き戸で仕切ると個室になるタイプでした。畳の劣化や襖の変色が見られます。
<アフター>
畳をフローリングにしてホワイトの壁紙が明るいワークスペース兼寝室になりました。壁には棚板を設置しており、飾り棚や収納棚として使えます。
和室にあった押し入れは、ハンガーパイプにつくり替え、たっぷりの洋服を収納できるクローゼットになりました。収納に扉は設置せず、リネンのカーテンで目隠しする仕様です。
事例8|押し入れは収納+デスクスペースへ
マンションをフルリノベーションした事例です。和室を洋室にして、収納やデスクスペースも確保しています。
<ビフォー>
縁のある長方形の畳に、奥行きのある押し入れの和室でした。押し入れは天袋があり、中板で上下に仕切られています。天井の変色や畳の劣化が見られます。
<アフター>
畳を取り払って、重厚感のある色合いのフローリングを張り、建具や壁紙はシンプルなホワイトで統一、クールさを感じさせるすっきりとした内装の洋室に生まれ変わりました。押し入れの半分はウォークインクローゼットに、もう半分はデスクスペースを設置しました。
和室を取り込んで広々LDKへ
リノベーションで広く開放的なLDKをつくりたいと考える人も多いのではないでしょうか。リビング横に和室がある場合、和室を取り込んで広いLDKを実現するという間取り変更が選択肢となります。
事例9|大きな窓から光が差し込む広々LDK
築52年のマンションリノベーションで、広々としたLDKなどの間取り変更を行った事例をご紹介します。
<ビフォー>
LDKの隣にある和室は、引き戸で仕切る仕様でした。戸を開けておけばLDKと空間につながりをもたせることも可能ですが、内装に統一感がありませんでした。
<アフター>
和室だった場所は広いリビングの一部になりました。間仕切り壁を取り払って大きな掃き出し窓から光が差し込む開放的な空間になりました。梁はそのまま残っていますが、空間に一体感が生まれています。
オークの無垢フローリングや珪藻土の壁など、自然素材を取り入れて、ナチュラルなインテリアに生まれ変わりました。
事例10|パーケット張りがおしゃれなリビング
最後に、リノベ済み物件をリノベーションした事例をご紹介します。
<ビフォー>
グレーの縁なし畳で、クロスはリビングと同じホワイトで揃え、モダンな雰囲気の和室でした。
<アフター>
垂れ壁や間仕切り壁を取り払い、おしゃれな広々LDKへと生まれ変わりました。デザイン性のあるパーケット張りのフローリングが目を引きます。
キッチンの向きも変えて、キッチンからリビングを見渡せる間取りにしています。
和室だったスペースは窓に面していませんが、白い扉の向こうにある居室との仕切り壁の上部に室内窓を取り付け、光を取り込めるように工夫されています。
まとめ
オシャレな和室のリノベーション事例を、ビフォーアフターの画像を使ってご紹介しました。和室のまま残して一新するのはもちろん、小上がりや畳スペースとして残したり、洋室や広々としたLDKに一体化にしたりする方法もあります。
ライフスタイルに合わせて、暮らしやすさに配慮した和室リノベーションをしてみてはいかがでしょうか。
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