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バルコニーリフォームのポイントとは

バルコニーリフォームのポイントとは

バルコニーの用途は様々です。まず、「第二のリビング」とも言われ、憩いの場や団らんの場として使われます。また、日当たりが良いので洗濯物を干すスペースとしても活躍します。ただし、バルコニーは屋外にあるので常に風雨や紫外線にさらされます。ですから定期的なメンテナンスが必要でしょう。とくに床の防水や、手すりなどは劣化しがちです。

また、家族が増えるとバルコニーを増設するご家庭も多いようです。その際には、建築上の法的手続が必要な場合もあります。増築するわけですから近隣住民との関係で気を付けるべき点も出てくるでしょう。

この記事ではバルコニーリフォームをする上で気を付けておきたい様々なポイントを紹介していきます。
 

バルコニーリフォームの必要性

バルコニーリフォームのポイントとは

バルコニーは屋外にあることがほとんどなので、天候などの環境の影響を受けやすい場所です。風に晒され、夏には強い紫外線も受け続けます。これらはバルコニーの床や手すりの経年劣化の原因となるでしょう。


床の経年劣化

バルコニーの床が劣化すると防水機能も損なわれます。防水機能が損なわれると雨水が床に浸透してしまい、床が腐食する原因にもなります。腐食すると雨漏りにもつながります。さらに腐食が進むと床が抜けてしまうケースも。バルコニーは二階に設置されている場合も多いので、床が抜けると危険です。ですから、そうなる前に床の防水機能が効いているか定期的にチェック、メンテナンスする必要があるでしょう。

しかし、いくらメンテナンスしても劣化が著しい場合には、床の張替や、防水加工などのリフォームの必要も出てきます。具体的にはFRP防水やシート防水などの施工方法があげられます。


手すりの経年劣化

風と紫外線が原因で経年劣化するのは床だけではありません。手すりも同様です。スチール製の手すりは経年劣化すると錆び等で強度が落ちるとされます。強度が落ちた手すりに体重をかけると手すりが崩壊。さらに落下事故などの深刻な事態が生じるおそれも考えられます。その前に、スチール製の手すりは、錆びの有無に関わらず、定期的に塗装しなおす等のメンテナンスが必要でしょう。

手すりのリフォームとして、アルミ製の手すりに交換するという方法もあります。但し、アルミ製は錆びには強いですが、メンテナンスフリーというわけではありません。

手すりは安全面に直結する設備ですから日ごろから気を配るようにしたいものです。
 

バルコニーリフォームの注意点

バルコニーリフォームのポイントとは

今あるバルコニーが狭く感じた場合、広いバルコニーへと増築工事を行うご家庭も増えてきたようです。

増築する際には、バルコニーそのもの以外にも気を付けたいポイントがあります。以下では、法的規制の問題と、周囲の環境との問題についてご紹介します。


法的規制の問題

まず、一定規模以上の増築工事を行う場合、建築基準法に基づく確認申請を行う必要があります。

ある程度大きな付属物は、火災や地震が起きた際に燃えたり、崩れたりする危険もあるため、防火や耐震がちゃんとなされてるかチェックする必要があります。このため、市町村の建築主事に確認申請する必要があると覚えておきましょう。

一定規模以上とはどれくらい?との疑問もあるかと思います。一定規模とは、増築する建築物の床面積の合計が10m2以上を指します。(建築基準法6条2項)さらに、防火地域や準防火地域では、10m2以下であっても確認申請の対象となりますので、気を付けましょう。

次に、建ぺい率、容積率を超えていないかを確認する必要もあります。

建ぺい率とは、土地に対して建物を建てることができる面積の割合です。土地いっぱいに建物をたてることができるわけではありません。土地いっぱいに建てると火災や地震などが起きた際、近隣の住居を巻き込む結果ともなり得ますので、ある程度スペースをもたせる規定が設けられています。住宅の場合、土地に対して建築に使える面積の比率は5割くらいです。(建築基準法53条1項1号等)

容積率とは、土地に対しての延べ床面積の比率です。延べ床面積が広いと、その建物にたくさんの人が生活できます。そうすると、高層マンションの場合、土地の面積に対して住民の数が多くなりすぎてしまうこともあり得ます。その結果、水道水が十分に供給されなかったり、道に出る際に渋滞になることも予想されます。ですから、延べ床面積を制限することでインフラに支障が出ることを防ぐ目的があります。

このように、建ぺい率も容積率もそれぞれの理由があり設けられています。しかし、ベランダを少し拡張しただけで、そんなに延焼、倒壊に巻き込まれるリスク、インフラの機能不全が起きるとは考えにくいですね。ですから、2mを超えない部分は建ぺい率、容積率に加算しないと決められています。(建築基準法施行令第2条第1項第3号)


風通し、日当たりに気を付ける

バルコニーをリフォームした為に、風通しが悪くなったり、増築部分が影になって日当たりが悪くなったら何のためにリフォームしたのかわかりませんね。また、隣の家に日が当たりづらくなってしまったらトラブルのもとにもなり得ます。このような風通し、日当りに関しては設計段階で支障が生じないよう十分に気をつけましょう。


プライバシーは守られているか

バルコニーはリビングに接している場合が多いために、バルコニー増築で外からリビングが丸見えになる事例もあるようです。これではプライバシーを守るのは難しいでしょう。この場合、ルーバー構造設計の壁を用いることで、日差しや風の通りはそのままに、外からの視線を遮ることもができます。プライバシー保護に配慮したいご家庭では、検討することをおすすめします。
 

まとめ

いかがだったでしょうか。バルコニーをリフォームする際に、押さえるべきポイントが多くあることがお分かりいただけたでしょうか。バルコニーは第二のリビングとなる憩いの場です。是非とも素敵な空間にしてくださいね。