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書斎よりも優先度は上?奥様待望の「家事コーナー」

書斎よりも優先度は上?奥様待望の「家事コーナー」

リノベーションを機会に設けたいスペースとして、近年人気が上昇しているのが「家事コーナー(カジコーナー)」です。ご主人の要望の定番だった書斎に刺激されたのでしょうか、奥様もプライベート感のある空間が欲しいということでしょう。家に関する雑務をこなしたり趣味を楽しんだり「狭くてもいいから自分専用のスペースを!」ということですね。

ここでは家事コーナーとは何か?を改めて考えた上で、家事コーナーを設けるのにふさわしい場所についても見ていきたいと思います。
 

家事コーナーとは何か

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文字通り家事をこなす場所が家事コーナーなのですが、炊事や洗濯、掃除といった数ある家事すべてをこなすためのスペースではありません。家事の一部、洗濯物にアイロンを掛けたり、家計簿をつけたり、調べ物をしたりという空間が家事コーナー。設置場所を工夫することで家事を効率的にこなせるようになります。

もちろん家事コーナーでは家事だけでなく、趣味を楽しんでいる方もいらっしゃいますから、奥様のためのプライベート空間も兼ねています。


家事室、ママコーナーとの違いはあるの?

少し前まで家事コーナーは「家事室」と呼ばれたりしました。家事室のイメージはドアが設けられた完全個室、対して家事コーナーは部屋の一角を奥様専用にしたイメージです。また最近では家事コーナーのことを「ママコーナー」と呼んだりもします。ママコーナーのイメージは家事コーナーより趣味寄り。ご主人の書斎と対をなしていそうです。

しかし家事室、ママコーナー、そして家事コーナー、それぞれの呼び方について特に定義はありませんし、何をしなくてはならないということもありませんが、ここでは家事コーナーに呼び方を統一します。
 

家事コーナーを設ける場所

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家事コーナーの実例を見ていると、設けられている場所は「パントリー」「ランドリー」「デッドスペース」「キッチン周り」の4つにわけられます。


パントリーに設ける

キッチン周りの収納庫、パントリーは人気の空間です。普段は使わない調理器具を保管しておいたり、常温で保管できる食品を買いだめしたり、緊急・災害時の食料や飲料をしまっておいたりと何かと役に立つのです。

こんなパントリーにスペースの余裕があるならば、家事コーナーもぜひ設けたいものです。造り付けの棚と同じ風に、机とイスが備えてあれば最高の家事コーナーになるでしょう。家計簿をつける空間のイメージです。


ランドリークロークに設ける

家事にかかる時間を短縮する「時短家事」が注目を集めています。大切なのが家事動線。いかにムダな動きをなくすかがポイントになるのですが、大きな時短が期待できるのが洗濯でしょう。

「洗濯機」「物干し」「アイロンがけ・畳む」「仕分け」「収納」
以上の流れでおこなわれる洗濯の時短のために「アイロンがけ・畳む・仕分け・収納」を一気にやってしまおうと考えられたスペースがランドリークローク。家族全員のクローゼットが集中しますから「ファミリークロゼット」とも呼ばれます。ここに設けたいのが家事スペースで、主にアイロンがけをおこなっているイメージです。

最近では壁に掛けることができたり、引き出し収納式になっていたりとアイロン台も進化しています。とり入れることで家事コーナーを有効に活用することができるでしょう。


階段下などデッドスペースに設ける

限られた空間を有効活用するには、デッドスペースをいかに活用するかが鍵になります。代表的なデッドスペースといえば階段下。ここを家事スペースにしてしまおうというアイデアです。階段下は高さがありますから、机とイスだけでなく本棚も備え付けることができますし、ダウンフロアにして床を下げてやれば有効に使える空間が拡大します。そこだけ壁紙を変えれば開放的な空間とはいえプライベート感を増すこともできるでしょう。イメージは趣味の空間でしょうか。


キッチン周りに設ける

キッチン周りにカウンターを設けたり、机を造り付けたりするのがトレンドです。狙いはキッチンから目が届くエリアに子どもを滞在させること。幼いうちは何かと安心ですし、少し成長した後は、子ども部屋にこもってしまうことを防ぎます。話題のリビング学習にも向く空間造りです。

そんな空間の一部を家事コーナーにしてしまうアイデアです。プライベート感は薄れてしまいますが、家事コーナーでの雑務中にLDKの雰囲気を感じることができるので、大きな安心感を得ることができるでしょう。
 

まとめ

以上が家事コーナーについてなのですが、ここまで書いて感じるのは「家事コーナーはほんとうに必要なのか?」ということです。あった方がいいのだけれど、絶対に必要とは言い切れないスペース、正に書斎とイメージが重なるのです。

しかし家族全員に関わることが主におこなわれる家事スペースに対して、書斎は完全にプライベートなスペースですから、優先順位は家事スペースのほうが高いともいえるでしょう。使い方によっては奥様だけでなく、家族全員が幸せになるのが家事スペースなのかもしれませんね。