今や国内のキッチンのほとんどはシステムキッチンと言われます。システムキッチンには、色々な定義がありますが、一般的にはコンロ、調理台、シンクが一体化している台所設備のことを指します。
そして、システムキッチンにも様々なタイプがあります。大きく分けて壁付けキッチンと、ペニンシュラ型・アイランド型に別れます。これらの大きな違いはシステムキッチンの片側が壁に密着しているか、いないかです。この壁に密着しているという点が、壁付けキッチンのメリットであり、デメリットでもあります。この記事では、壁付けキッチンのメリット・デメリット、そしてデメリットの克服方法を紹介していきます。
壁付けキッチンとは
壁付けキッチンとは、システムキッチン本体が壁に密着しているタイプのものを指します。コンロ、調理台、シンクが一列に並んでいる点が外見上の特徴です。調理台はシンクとコンロに挟まれている場合がほとんどです。なぜなら調理台を真ん中にすると、料理しやすいためとされます。食材を切ってすぐに火にかけたり、洗った食材を切って、炒めるといった一連の動作を想像していただければおわかりいただけるでしょう。
狭いスペースを有効利用できるので、日本ではシステムキッチンの多くがこの壁付け型と言われています。
壁付けキッチンのメリット
それでは、以下で壁付けキッチンのメリットついて紹介していきます。
狭いスペースを有効に使える
壁付けキッチンは文字通り壁に密着させて設置します。と、いうことは、その分、他のスペースが広く取れるということでもあります。これは狭い住居にとっては心強いでしょう。
LDKのマンションの場合、壁付けキッチンを採用すると、当然ながらリビングのスペースをかなり広く使える点も人気の要因とされます。
料理をダイニングにスムーズに出せる
壁付けキッチンの場合、背後にダイニングテーブルがあることが多いようです。料理をコンロから調理台に移し、皿に盛り付け、すぐに出せます。また、調理台からテーブルまでの距離が短いので、一度に大量の料理を出すこともできます。
また、壁付けキッチンの構造上、冷蔵庫がシステムキッチンの横にあることが多いので、食材をスムーズに調理台に移すこともできます。さらに、作った料理を冷蔵庫にしまうのも近くて便利でしょう。
集中して料理をすることができる
壁付けキッチンは、目の前が壁であることがほとんどです。余計なものが目に入りづらいので、料理に集中もできるでしょう。その結果、料理を短時間で終えることもでき、他の家事や仕事にすぐに取り組めるのもメリットです。また、気持ちを集中することで、料理中にいいアイデアもわくかもしれません。
壁付けキッチンのデメリット
壁付けキッチンはメリットが多いのですが、一方でデメリットも存在します。以下で、ご紹介します。
動線が限られてしまう
壁付けキッチンの場合、水平方向の移動が主な動きです。一人の時なら良いのですが、二人で調理する際に、すれ違う動作がしづらい点がデメリットのひとつでしょう。また、調理台やシンクのスペースが限られるので、おとなが二人で並んで使うには狭すぎる場合がほとんどです。
キッチン内が丸見えになる
壁付けキッチンは壁に密着している関係上、LDKの場合には、調理台からリビングまで視界を遮るものがない設計がほとんどです。したがって、キッチン内が丸見えになってしまうでしょう。調理している途中の光景はあまり人に見せたくないもの。また、調理ごみが丸見えになってしまうこともあり得ます。遮るものがなく限られたスペースを有効活用できるメリットが、デメリットに変わってしまうこともあるかもしれません。
コミュニケーションが取りにくい
壁付けキッチンの目の前は、基本的には壁です。このため、顔を合わせて家族と話すには振り返らないといけません。せっかく皆で食べる美味しいものを作っているのですから、ワイワイ楽しく作りたいですよね。でも、壁付けキッチンの構造上、面と向かってコミュニケーションをとりながらの調理は、実現しにくいでしょう。
壁付けキッチンのデメリット克服方法
壁付けキッチンには、どうしてもデメリットが出てしまいますが、工夫次第では克服することもできます。代表的な克服方法をいくつか紹介します。
引戸で遮る
壁付けキッチンの背後に薄い引戸をつけることで、視界を簡単に遮ることもできます。使っているときには、引戸を締めてしまえばキッチンが丸見えになることもありません。料理が全部できたところで戸を全部開け放つと、いきなり完成品がみんなの視界に飛び込んできて、きっと盛り上がるでしょう。
サイドボードを置く
視界を遮る方法としてはサイドボードを置くのもアリです。また、サイドボードは調理台にも使えますので、動線が制限されてしまうという壁付け型キッチンのもうひとつのデメリットも解消できます。
まとめ
いかがだったでしょうか。壁付けキッチンの特徴、メリット・デメリット、そして克服方法がお分かりいただけたでしょうか。キッチンは毎日、しかも長時間使う場所です。ぜひとも自分のライフスタイルにピッタリな理想となるキッチンにしてくださいね。