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気になるあの床材にはどんな特徴がある?タイル編

気になるあの床材にはどんな特徴がある?タイル編

こんにちは。住宅監督ライターのクマです。今日はタイルについてのお話です。

高級感あふれるタイル張りの床、憧れますね。

タイルは、住宅のポーチや玄関土間には、必ずと言って良いほど取り入れられている床材です。小型サイズのお洒落なものから、大判の高級感あふれるものまで。住まいのテイストにより、キッチンやトイレ、洗面所などの水回りに採用されることが多い素材です。

今回は、そんなタイルの特徴をご紹介します。

手入れ・掃除がしやすいタイル

玄関や水回りに採用されるタイルですが、『掃除がしやすい』という特徴があります。

飲み物などをこぼしても、ペーパーでサッと拭けば取り除けます。気を使う水拭きもへっちゃら。掃除がしやすい事が、長年愛用されて続けている最大の理由です。


汚れや傷を寄せ付けない
タイルはそれ自体が汚れを寄せ付けません。表面がとても硬く、水を吸わないため汚れがつきにくいのです。

吸水性がないタイルであれば、お茶やコーヒーが染み込みません。こぼしてもキッチンペーパーでサッと拭けばあっという間にきれいになります。

タイルをキッチンに採用して気がついた事があります。調理をすると、どうしても油汚れが飛び散りますね。我が家も家族が多いため揚げ物をよく作ります。以前は油汚れをこまめに拭き取っていましたが、タイルにしてからは定期的に洗っています。床用洗剤で一気にまとめて洗う事ができる、これが大きな利点でした。水に強く、汚れも落ちやすいのでとてもきれいになります。

床用洗剤を使って洗う事ができるのは、きれいに保ちたい私にとってとても嬉しい事です。


傷に強い
タイル自体も硬い素材ですが、表面は釉薬の効果でさらに硬く傷が付きにくくできています。

製品にもよりますが、暮らしの中ではまず傷がつく事がありません。流石に鍋を落としたり、重いものを引きずったりすると傷がつきます。ただ、他のタイルに傷がつくような衝撃は、他の床材ではさらに大きな傷がつきます。

傷がつきにくい特徴を利用しているのが、玄関土間やポーチなどの土足で入る部分です。靴の裏に小石や土がついたままタイルの上を歩きますが、傷がつくことはまずありません。泥汚れがついても水洗いができるので掃除も簡単です。

インテリアに採用したいタイル

タイルはどんなところでも、保護やデザインのために使うことができます。耐久性が高いので屋内外を問わず、様々なデザイン、インテリアに採用されています。


屋外や土間に使うタイル

気になるあの床材にはどんな特徴がある?タイル編

家の中で、よくタイルが使われているのが玄関ポーチや玄関土間です。土足で上がるので耐久性が求められ、雨や紫外線にさらされるので耐候性も必要です。タイルはその両方を満たしているので採用されるのです。

このところインテリアで人気なのは、グレー系。特に300mm角の大判の人気が上がっています。

大判タイルは一目見て高級感があります。100mm角や150mm角は一般的で使いやすい寸法です。たくさん使われているので最近は素焼きの大判タイルが選ばれる傾向にあります。

グレーが選ばれるのは機能面では「汚れが目立たないから」。白系は土汚れが目立ちやすいのは誰もがわかります。黒系は目立ちにくいと思われがちですが、茶色の土汚れが浮いて見えます。中間のグレーが汚れも目立ちにくい色で人気があります。デザイン面では、モノトーン・シンプル・男前・ナチュラル、と、実はどのテイストにもあうニュアンス感があるのが選ばれやすい理由の一つになっています。

・グラヴィナ 300mm角平 / LIXIL

グレイスランド 300mm角平 / LIXIL


洗面・キッチンに使うタイル
内装タイルは、一段とデザイン性に優れたものが多くあります。インテリアに合わせて使い分けられます。デザインは大理石調のもの、光沢のある物、ポップな物など。たくさんのデザインがそろえてあります。

共通するのは、掃除のしやすさです。屋外より細かいホコリ、落ちにくい汚れがつきやすくなります。油汚れが落ちやすいように、表面に光沢のある製品がたくさん準備されています。

アコルディU / LIXIL 

ゼロスII / LIXIL


印象がガラリと変わるタイル目地
デザインはとても不思議で、ほんの少し変えただけで全体の印象がガラリと変わってしまうこともあります。

最近はタイル目地も複数カラーが準備されているので、これを変えるだけで同じタイルでも全く別のデザインに仕上げることができます。

・参考: LIXIL「鮮やかな発色で、さまざまな印象の空間提案を可能にする内装用目地材「インテリアカラー目地」新発売~やさしい印象のパステルカラーからスタイリッシュな印象のダークカラーまで全8色を展開~

 

床に使われるタイルの決まりごと

床に使われるタイルは3つの決まり事があります。

1. 汚れが付きにくいこと
2. 滑りにくいこと
3. 耐久力があること

です。 


1.汚れが付きにくいこと

タイルは汚れが付きにくい製品です。汚れが付きにくい理由は、タイル表面にガラスのような膜があるから。これがタイルへ汚れが付くのを防いでくれます。

気になるあの床材にはどんな特徴がある?タイル編

2.滑りにくいこと
ガラスのようにツルツルと滑ってしまうようでは、危なくて床に使うことができませんね。

「耐すべり性評価」という滑りにくさをテストする試験があり、滑りにくいタイルの基準としています。


3. 耐久力があること
土足であるいたり、デッキブラシで掃除したりと、タイルは固く頑丈な材料です。

タイルが固く頑丈なことを証明するために、耐摩耗性試験があります。この試験で、「どれぐらい固くて頑丈か」を計測、基準以上の製品を作り上げています。

まとめ

今回は、タイルについての特徴をお伝えしました。

掃除がしやすく、おしゃれなタイルは使う場所によって様々なところに使われます。魅力的なタイルをぜひお住まいに取り入れてみてください。


参考
・デニス・ジェフリーズ,フロアマテリアル,産調出版株式会社,2005.04
・和田 浩一 他,世界で一番やさしいインテリア,エクスナレッジ,2018.11
・(一財)全国タイル業協会/全国タイル工業組合,タイルネット