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よく使われるインテリア用語「スタイリッシュ・デザイン」とは何だ?

よく使われるインテリア用語「スタイリッシュ・デザイン」とは何だ?

インテリアコーディネータの仕事とはお客様のご要望をうかがって、ピッタリのインテリアを提案することですが、最も難しいのは「ご要望をうかがう」ということだと言われます。サービスを受ける側にとっては「自分の好みを伝えること」になるのですが、コーディネータと言葉の意味を共有できていなければ、好みに合ったインテリアの実現は難しくなるでしょう。

ここではリノベーションの現場でご要望が多い「スタイリッシュ・デザイン」という言葉について考えていきます。そしてスタイリッシュ・デザインがどのようなムードを指すのか、近いムードの言葉は何かについても考えてみましょう。

そもそも「スタイリッシュ」とは何か?

手元の辞書によると「スタイリッシュ(stylish)」とは「当世風の」「粋(イキ)な」「ハイカラな」「洗練された」という意味を持つと書かれています。類義語には「クール(cool)」「スマート(smart)」、つまりトレンド感があって、カッコいいデザインが「スタイリッシュ・デザイン」と言えるでしょう。
 

スタイリッシュ・デザインに近いインテリア

それではスタイリッシュ・デザインに近いムードを持つインテリアとはどのようなものでしょうか。近年のトレンドから見ていきましょう。


塩系インテリア


淡目のカラーリングと飾り気、生活感のなさを特徴とした「塩系インテリア」が人気になっています。あっさりとした顔立ちの男性を「塩系男子」と呼びますが、塩系インテリアはここから派生したようです。

多用される素材はステンレスや直線的なウッドといったクールなもの、これに淡い色目のコットンのクッション、ラグ、カーテンなどをコーディネートすれば塩系インテリアの出来上がりです。


モノトーン
塩系インテリアがもっとスタイリッシュになると、冷たさすら感じさせる「モノトーン」のムードに。色目は白か黒が中心になるのですが、難しいのは白のあつかいとされます。ベージュやオフホワイトをどの様に扱うかで大きな差も出ます。上級者向きのインテリアといえるでしょう。


北欧モダン
スウェーデンやノルウェー、フィンランドの北欧3国のデザインを取り入れたインテリアが「北欧モダン」と呼ばれます。温かみのある曲線や遊び心が特徴ですからクールさには欠けますが、北欧モダンが持つ機能美はスタイリッシュ・デザインと呼ぶのにふさわしいでしょう。ブランドでいうなら「マリメッコ(marimekko)」のファブリックを多用するのはどうかと思われますが「イケア(IKEA)」のシンプルな収納家具など、アイテム次第でスタイリッシュにまとめることができるでしょう。


ミッドセンチュリー
20世紀半ばに生まれたプロダクトを中心にしたインテリアは「ミッドセンチュリー」のカテゴリー名で呼ばれるようです。曲線を多用している上に長く愛されてきたデザインですから、クールさやトレンド感には欠けますが、アイテムを部分的に取り入れるなら充分スタイリッシュになるでしょう。代表的なブランドとして、「ハーマンミラー(Hermanmiller)」「カリモク60」、デザイナーは「チャールズ&レイ・イームズ(Charles & Ray Eames)」「ジョージ・ネルソン(George Nelson)」などが挙げられます。

スタイリッシュ・デザインと遠いインテリア

暖かさや懐かしさを感じさせたり、装飾性が高いものはスタイリッシュ・デザインとは呼びづらいでしょう。これらを悪いというつもりは全くありませんが、スタイリッシュさを求めるなら避けたほうが無難。統一感がない残念なインテリアになってしまいがちです。

たとえば人気の「インダストリアル系」は装飾が多いという点で、スタイリッシュさには多少欠けます。多用される素材はステンレスではなくアイアンなので、少々無骨すぎる印象がそう思わせるのかもしれません。

また「アンティーク」や「カントリー」は、凝った装飾や感じられる温もりが魅力ですが、スタイリッシュ・デザインとは相性が今ひとつ。なぜなら、シンプルでクールなのがスタイリッシュ・デザインの身上だからでしょう。

そしてスタイリッシュ・デザインと究極的と言えるほどに相性が悪いのが「アジアンテイスト」など、リゾート感・エスニック感があるインテリア。これらはたとえ小物とはいえ、非常に強い存在感を発揮しますから注意したいものです。
 

まとめ

以上、スタイリッシュ・デザインについてご紹介いたしました。ただ一概には言い切れないのがインテリアの面白いところ。相性が悪そうなものをまとめ上げるのもセンス次第ですから、あくまでも参考ということにしてください。

また注意したいのはスタイリッシュが「当世風の」という意味を持つように、スタイリッシュ・デザインも時代と共に移り変わることです。あまりにもスタイリッシュなものは短い期間で陳腐化しがち。すぐにスタイリッシュではなくなってしまうかもしれません。たとえ流行おくれといわれても、好きなものは好きであり続ける意思が必要になりそうですね。