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キッチンパネル向きの素材を値段の安い順に並べると?

キッチンパネル向きの素材を値段の安い順に並べると?

キッチンパネルには様々な素材が用いられていますが、価格面から見るとどのような差があるでしょう。本文では価格が安いものから順に並べてみましたが、中には表面などの加工によって順番が入れ替わるケースもありますし、金属でも安価なものもあるようですので、ご承知ください。

それでは価格が安い順に、キッチンパネルを見ていきましょう。
 

合板キッチンパネル

合板キッチンパネルとは、​強化されたセメントの薄板などの表面に、印刷されたシートを貼り付けたものです。最も価格が安いのはシートだけが貼られたもの。金属や天然石をまねたものなど、デザインのバリエーションは豊富ですが、耐久性に難がありますから金属タワシでこすったりすることはNGです。

また、化粧紙と合板等を貼り合わせ、ポリエステル樹脂を塗布しフィルムをかけて樹脂を延ばして硬化させたポリ合板は、キッチンパネルとしてもおすすめの素材です。耐久性が高くキッチンパネルに向きますが、価格は上記の合板と比べて高めです。ホワイトボードマーカーでメモ書きができるほど、防汚性が高められたコーティングになると価格は下のメラミン化粧板を上回るようです。
 

メラミン化粧板キッチンパネル


熱や汚れに強いメラミンで表面が覆われた板です。キッチンのワークトップにも用いられるほど耐久性は高いのですが、難点はデザインのバリエーションが合板に比べて多くないことと、見る人が見ればメラミンとすぐに分かってしまうこと。質感の好みが大きく別れる素材でしょう。

表面に凹凸のパターンがあるなどの凝ったデザインになるほど価格は高くなっていきますが、それでも金属製よりは価格が抑えられる素材と言えます。
 

ステンレス製キッチンパネル


メタリックな質感と清潔感に富むのが金属製のキッチンパネルで、ステンレス製のものが一般的なようです。熱や汚れ、そしてキズにも強く、キッチンパネルとしてクリアしなければいけない性質はすべて持っていますが、キッチンパネル用として販売されているものは、さらに防汚性を高める加工も施されています。

ステンレスの問題は質感で好みが別れることです。キッチンの広い部分がシルバーになってしまい、業務用のキッチンみたいと嫌う方も多いようです。
 

キッチンパネルに向くその他の金属

キッチンパネルに求められている条件とは、キズや汚れ、熱に強いということです。これらの条件を満たしている板状のものであればキッチンパネルとして販売されていなくても、使うことは可能でしょう。


アルミニウム

アルミニウムはステンレスと同じような特徴を持つ素材で、軽さにおいて上回っています。両面テープや接着剤で壁に固定しますから、軽いのは良いのですがキズに弱いのが難点。光沢もステンレスに比べて今ひとつです。嬉しいのはステンレスよりも価格が安いところでしょうか。


ガルバリウム

住宅の外壁材や屋根に使われるもので、鉄板の表面にアルミニウムと亜鉛の合金でメッキが施してあります。特徴はカラーなどのバリエーションが多いことと、価格が安いこと。外壁材に使われるほどですから、汚れや熱、キズにも強くキッチンパネルにも使うことができる素材です。選び方によっては個性的な仕上がりになりますし、価格もステンレスのパネルよりは安くなるでしょう。

ただキッチンパネルとしてメーカーが出しているものではありませんから、業者によっては施工を嫌がる可能性もあります。
 

ホーロー製キッチンパネル


金属の表面をガラスでコーティングしたもので、古代エジプト時代には技術が確立していたという長い歴史を持つ素材です。高級感がある光沢を持っていますから、キッチンの印象をグレードアップできるでしょう。

ただし難点は価格で、キッチンパネル素材としてはトップクラスに位置付けられます。


磁石が付くというホーローの特性

キッチンパネルの必須条件ではありませんが、あったほうが使いやすさが増すのが、磁石が付くということです。フックやラックなど磁石付きの小物を固定することができ、キッチンの壁面の使い勝手が随分良くなる。これもホーローの長所と言えるでしょう。

他にもガルバリウムやステンレスの一部など、ホーロー以外にも磁石が付くキッチンパネルはありますから、ここに着目して選ぶのも良さそうです。合板タイプのキッチンパネルの一部にも磁石が付くものがありますが、価格はグッと高くなってしまうようです。


メモができるというホーローの特性

ホワイトボードマーカーでメモができるというのもホーローの特性で、キッチンパネルとして優れている点です。合板パネルの一部やガルバリウムの一部にも、メモができる表面加工になっているものもあります。
 

タイル張りキッチンパネル

価格が最も高くなるのはタイルです。ホーローと同じように長い歴史を持っている素材で信頼性が高く、キッチンパネルとして十分な特性を持っています。一方でタイルの問題点は、繋ぎ目である目地に汚れが溜まりやすいのと手入れが面倒なところでしょう。

価格が高くなる理由は、一枚ずつ手作業で張るからです。施工期間も目地が乾燥する時間が必要なので長くなりがちです。
 

まとめ

以上、おおまかに価格の安い順にキッチンパネルの素材を並べてみました。こうやって見ていくと「キッチンパネル用として販売されていないものでも使える素材があるかも?」と気がつくかもしれませんが、それも正解です。トタンや波板を張ることで、インダストリアルやアーリーアメリカンなテイストを演出しているケースはよくあります。

これらのキッチンパネル向きの素材は、同時に壁材としても活かすことができます。合板パネルで自然石風や金属風のものを玄関やトイレ、バスルームに使うと一気にゴージャスになりますので、応用してみるのも楽しそうですね。