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マンションのキッチンリフォームで出がちな制限とは?

マンションのキッチンリフォームで出がちな制限とは?

キッチンに対する不満についてのアンケートによると、トップになった回答は「調理スペースの狭さ」でした。これは広さに制限のあるマンションならなおさら、キッチンをリフォームして調理スペースを広くできないか?と思っている方も多いでしょう。

しかし、マンションでのキッチンのリフォームは一戸建てと異なり少々の制限があります。つまり制限内でいかに使いやすいキッチンにするかが、マンションでのリフォームの腕の見せどころにもなるのです。

(参考: 株式会社ジャストシステム マーケティング視点で見る「キッチンの今」
 

マンションならではのキッチンリフォームの制限

 


キッチンのリフォームをするケースで、マンションならではの制限は以下の通りです。

・シンクが移動できない
・キッチン全体の移動ができない
・レンジフードが移動できない
・IHヒーターが使えない
・管理規約による制限がある


シンクが移動できない

マンションならではの制限のひとつは水回りの移動。排水管を大きく動かすことができない可能性があります。中でも古いマンションにありがちなのが、排水管が床下を通り抜けコンクリートに達しているケース。これではシンクはほとんど動かすことができません。


キッチン全体の移動ができない

排水管にはスムーズに水を流すための傾斜が必要です。床下を通っているケースでも、大きく移動させすぎると傾斜がゆるくなり排水に問題が出るかもしれません。キッチンのレイアウトを変えることはできても、キッチン自体を動かすことは難しい可能性があります。


レンジフードが移動できない

レンジフードの排気はダクトを通って外へと逃されるのですが、ダクトが長くなりすぎると排気がスムーズにできなくなります。マンションに限ったことではありませんが、キッチン全体を移動させるリフォームには制限があると覚えておきましょう。


IHヒーターが使えない

ガスコンロをIHヒーターにリフォームしたいというケースでも制限が出がちです。 特に200VのIHヒーターを入れる場合、調理中にすぐにブレーカーが落ちるということにもなりかねません。支障なく使うには、電気容量を増やす必要がありますが、マンションによっては制限があるかもしれません。


管理規約による制限がある

キッチンに限らずなのですが、マンションのリフォームを検討する際に、必ずチェックしなくてはならないのが管理規約です。水回りの移動が可能でも規約では一切認めていなかったり、電気容量を増やすことや床材の変更すら認めていないケースもあります。

リフォームを思い立ったら管理組合と相談する。これはマンションリフォームの鉄則です。
 

マンションでも問題なくできるキッチンリフォーム

マンションは制限が多いといっても、キッチンのリフォームが全くできないわけではありません。たとえば冒頭で取り上げたキッチンの不満のトップである、調理スペースの狭さを解消するだけならば問題はないのです。


レイアウトを変更せずにキッチンを入れ替える

シンクの大幅な移動に制限があるのがマンションですから、現在のキッチンのレイアウトはそのままのリフォームならば大抵は大丈夫です。

キッチンレイアウトとは壁に付いてレイアウトされている「I型」や二列になってレイアウトされている「II型」などのことですが、壁についたままでキッチンを新しくしたり、大型のものに入れ替えるならば問題はないのです。近年メーカーが力を入れている、イスに座って調理できるキッチンへの入れ替えも問題がないということですね。


カウンターを造る

壁付きの「I型」からアイランドキッチンなど対面型の「II型」へ。こんなリフォームが難しいかもしれないのが、マンションのキッチンです。しかしアイランド部分に持ってくるものによっては実現も十分可能です。

たとえばアイランド部分をコンロと調理スペースにしてしまう。あるいは、排気や安全性の面からコンロが難しいなら、調理スペースを兼ねたカウンターにしてしまうのはいかがでしょうか。キッチンのイメージが大きく変わるリフォームになるでしょう。
 

マンションのキッチンリフォームを成功させるには

 



「理想のキッチンを思い描く」「実際にレイアウトを体験する」と順を追うのがキッチンリフォームの成功の秘訣です。


理想のキッチンをイメージする

ただキッチンをリフォームしたいというだけでは、理想のキッチンを造ることは難しいでしょう。まず、現在の不満点を明確にしてみます。その後に、理想のキッチンをイメージしましょう。考えを整理することも兼ねて書き出してみることをおすすめします。


実際にレイアウトを体験する

理想としてイメージしたものが、たとえばアイランドキッチンだったとしましょう。ならばメーカーのショールームへ足を運び、アイランドキッチンを実際に体験してみて下さい。見た目はオシャレだけれど使いにくいなど、後々出るかもしれない不満を未然に防ぐことができるかもしれません。
 

まとめ

マンションのキッチンリフォームで一戸建てと異なるのは制限の問題です。特にネックになるのが排水。配管が移動できない造りになってしまっているならどうしようもないのです。しかし、キッチンのリフォームが全くできないのかというと決してそうではありません。キッチンのレイアウトを変えずにリフォームするとか、カウンターをしつらえるとか、方法次第とも言えるでしょう。

理想とするキッチンのイメージを固めた上で、信頼できるリフォーム業者と話し合ってみてください。