ブラケット。あまり聞きなれない言葉ではないでしょうか。壁から張り出した照明、壁から飛び出すような形で付けられた部品。それらの呼称の1つが、ブラケットです。その形状から、装飾を目的とするものも多いと言われています。
今回はブラケットという言葉の意味と、ブラケットタイプの照明のメリット、デメリットや取り付け前のチェックポイントをお伝えします。
ブラケットという言葉について
ブラケットという言葉は、言い換えると「持ち送り」という建築用語で「梁(はり)や柱、壁から横に出した部材」のことです。一端は壁などで固定されており、もう一端は固定されず宙に浮いている形が特徴。この形状は、一般的に「持ち出した」と表現されます。
ブラケットをもとに足場を組んだり、バルコニーを作ったりします。身近なもので言えば、カーテンレールの留め具もブラケットと言われています。
このブラケットの構造を利用した照明が、ブラケット照明と呼ばれます。壁から「持ち出した」部品で固定される照明のことで、天井の照明とは区別されています。豊富なデザイン、様々な照らし方とバリエーション豊かなブラケット照明は、使用用途も様々です。
ブラケット照明は、自分のこだわりを反映させやすいアイテムと言えるでしょう。どこを照らすのか、どんなデザインで部屋をおしゃれにできるのかを考える余地があります。そして壁に取り付けるという特徴からも、ブラケット照明に特有のメリットが生まれます。具体的に見ていきましょう。
ブラケット照明のメリット・デメリット
壁から張り出す照明ということで、ブラケット照明は天井の照明とは違う独特のメリットがあります。しかしその形状のために特有のデメリットもあります。
ブラケット照明のメリット
・インテリアにもなる
ブラケット照明自体が、装飾の役割も兼ねるとされています。デザイン性の高いものは、それだけでおしゃれな部屋を演出するインテリアとなるでしょう。
・間接照明として機能する
ブラケット照明の中には、間接照明になるものがあります。部屋をより明るくするために、メインの照明と併用ができます。また、ブラケット照明だけの明かりで薄暗い雰囲気を演出する方法もあります。
間接照明としての光は、寝室でも役立ちます。睡眠のためには、直接に光源を見ることは良くないと言われています。間接的にやわらかい光を出すタイプのブラケット照明は、心地良い睡眠の手助けにもなります。
・スペースの節約になる
「卓上ランプがなければ、もっと机に物が置ける」と感じたことはないでしょうか。そのような時、省スペースに役立つのがブラケット照明です。壁に照明を取り付けることで、床や机のスペースの有効活用にも繋がります。
ブラケット照明のデメリット
・取り付け、取り外しが簡単にできない
一般的に、ブラケット照明の多くは電気配線の工事が必要です。この工事は電気工事士という専門家でなければできないと言われています。そのため、資格を持っていなければ自分で取り付けたり、取り外したりできないケースがあります。
・ぶつかってしまうことがある
壁から突き出た形をしているので、天井照明に比べ、体や荷物をぶつけてしまう可能性が高くなります。
ブラケット照明を取り付けたい時に、チェックするポイント
デメリットの部分で触れましたが、ブラケット照明は簡単に付け直せないケースがあります。「なんとなく、ブラケット照明が欲しい」と思って取り付けた場合、失敗してしまうことも。実際に取り付ける前に、これらのポイントをチェックしておくと良いでしょう。
1.付近の壁、床に目立たせたくないものがないか
間接照明として使う場合には、特に大切なポイント。ブラケット照明は、基本的に壁や床を照らし出します。その場所に、目立たせたくない物がないか確認しておきましょう。
2.照明のデザインは様々な角度で確認する
カタログで正面のデザインだけ見て選んだ場合、横からの見た目がイメージと合わないことも。ブラケット照明は、基本的には壁から張り出すデザインです。横からの見た目や、可能なら実物も確認しておくと、失敗を減らせるでしょう。
また、どのくらい張り出すかもチェックしておくことで、歩いていて照明とぶつかるリスクも軽減できますね。
3.直接に光が見えてまぶしくないか
部屋の構造やブラケット照明を取り付ける高さによっては、光が直接見えてしまい、そのまぶしさが厄介に感じることがあります。どのくらい明るいものなのか、どんな照らし方をするものなのかを事前にチェックしておくと良いでしょう。
「こんなはずじゃなかった」という事態を回避するためにも、事前に照明そのものや取り付ける場所を検討しておくことをおすすめします。
もう少し軽い気持ちでブラケット照明を取り付けたい場合には、コンセントから電気コードで繋ぐタイプのブラケット照明を選ぶのも1つの方法です。電気工事が必要なく、自分でネジ等を使って壁に固定するものが販売されています。その場合、取り外しも自分で行えるため、やり直しがききやすいと言えるでしょう。
まとめ
ブラケットとは、一般的に壁や柱から張り出した部材のことを言います。その構造を利用して壁に取り付ける照明が、ブラケット照明と呼ばれています。
壁に取り付けることで部屋のデザインや省スペースに活かすこともできますが、取り付け方によってはデメリットが生じてしまうことも。配線工事が必要なものの場合には、特に事前の計画が大切だと心得ておきましょう。