家の印象を大きく左右するフローリングには、大きく分けて複合フローリングと無垢フローリングの2種類があります。2つは加工方法や性質が異なるため、それぞれに違うメリット・デメリットがあるのです。
そこで今回は、両者の違いについて解説。その上で複合フローリングに焦点を当て、メリット・デメリットをご紹介していきます。
複合フローリングと無垢フローリング
まずは、複合フローリングと無垢フローリングの違いについて簡単に解説しましょう。
複合フローリングとは?
複合フローリングとは、複数の合板を張り合わせた下地材の表面に、天然材やシートを張り合わせたフローリングのこと。表面に張り合わせる素材によって、次の3種類に分類することができます。
●挽き板フローリング:表面に2mm程度の厚さがある天然材を使用した複合フローリング
●突き板フローリング:表面に0.3〜1mm程度の薄い天然材を使用した複合フローリング
●シートフローリング:表面に木目がプリントされたシートを使用した複合フローリング
挽き板フローリングは、厚みのある天然材を使用しているため、無垢フローリングに近い天然木の質感を味わえるのが特徴。対するシートフローリングは、天然木の質感こそ感じられませんが、リーズナブルかつメンテンスもしやすいので経済的です。
無垢フローリングとは?
無垢フローリングとは、素材に100%天然木を使用したフローリングのこと。天然木の丸太をそのまま加工しているので、木の質感や温もり・香りをダイレクトに感じられるのが特徴です。また、生きた木と同様、乾燥している時には湿気を吐き出し、湿っている時には湿気を吸収するという調湿機能を持っています。加えて、無垢フローリングは経年変化によって味わいを増していく点も特徴的。
一方で、使用する木の種類によっては表面が柔らかく傷つきやすかったり、床の反りや割れが起こりやすかったりする点がデメリットです。複合フローリングと比べると、一般的に高価でメンテナンスしにくいという問題もあります。
複合フローリングのメリット
複合フローリングと無垢フローリングそれぞれの特徴がわかったところで、ここからは複合フローリングのメリットについて解説していきましょう。床を複合フローリングにすると、次のようなメリットがあります。
●無垢フローリングに比べてリーズナブル。
●種類が多いので、予算やデザイン、機能性など幅広い要望が叶えられる。
●床材の品質や仕上がりが均一なので、どんな床でも施工しやすい。
●床材の反りや割れが生じにくい。
●表面が加工されているものが多く、日々のメンテナンスがしやすい。
●表面に特殊加工が施されているものであれば、表面が傷つきにくい。
このように複合フローリングは、経済性や実用性が高い点がメリットと言えるでしょう。実際、日本の住宅における床材の主流は複合フローリングです。
複合フローリングのデメリット
経済性や実用性で優れる複合フローリングですが、その分デメリットもあります。主なデメリットは次の通りです。
●木そのものが持つ質感や温もりを感じにくい。無垢フローリングに近い質感を求めて、挽き板フローリングを選ぼうとすると、どうしてもコストが高くなる。
●商品によっては、作り物感や安っぽい印象を受ける。
●浅い傷には強いが、深く傷つけてしまうと中の合板が見えてしまう。
●表面に特殊加工が施されている場合、傷つけてしまうと床板ごと交換しなければならない。
●経年劣化してしまう。
天然材100%の無垢フローリングを「自然の加工品」とするならば、複合フローリングは人の手が加えられた「工業製品」。初期費用を抑えられる分、長く使っていくと経年劣化する場合があるのです。
複合フローリングがオススメの人、そうでない人
ここまで複合フローリングのメリット・デメリットを見てきましたが、どんな人にオススメなのでしょうか。続いては、複合フローリングがオススメの人、そうでない人の特徴を見ていきます。
複合フローリングがオススメの人はこんな人!
●床の初期費用をとにかく抑えたい人
●部屋の内装に合わせて、床の色やデザインを細かく決めたい人
●床暖房の設置を検討している人
●家の中ではスリッパ履きが基本で、床の質感が特に気にならない人
●子どもの行動や家具の移動で床に傷がつくのが気になる人
●こまめに掃除をする人
複合フローリングがオススメでない人はこんな人!
●木の質感や香りを感じたい人
●家では素足でいることが多く、床が冷たいのは嫌な人
●床の経年劣化が気になる人
まとめ
こだわりのある家=無垢フローリングというイメージがあるかもしれませんが、希望の内容によっては複合フローリングを採用した方がいい場合もあります。フローリングは、経済性・実用性・デザイン性などを総合的に考えて選ぶのがオススメです。
以上、今回は複合フローリングの特徴とメリット・デメリットについてご紹介しました。