全体的に古くなったり、壁がひび割れたりしたお風呂をリノベーションする場合、どのような素材を選びますか。お風呂に使われる素材にはたくさんの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
選ぶ素材によって、お風呂の快適さは変わってきます。お風呂の素材を選ぶ際のポイントや、素材別の特徴についてみていきましょう。
お風呂の素材選びのポイント
お風呂は家の中でも湿度が高く、カビが生えやすい場所です。身体や髪を洗う際に石けんカスや皮脂などが壁や床に付着します。水が付着したままになりやすく、水垢もつきやすいでしょう。そのため、汚れやカビ、水垢に強い素材を選ぶのがおすすめです。素材をきちんと選ぶことによって、日頃のお手入れを簡単にでき、清潔に保てます。
また、お風呂は床がぬれているため、滑りやすいです。床の素材は滑りにくく安全性の高いものを選ぶと安心です。さらに、冬は暖かい居室と寒いお風呂の温度差によって、ヒートショックを起こしやすいと言われています。予防のためにも、断熱性や保温性が高い素材を選びましょう。
お風呂の壁・床・天井の素材
お風呂の壁や床、天井にはどのような素材があるのでしょうか。それぞれの特徴も含めてご紹介します。
樹脂系
一般的なユニットバスに使用される素材です。ユニットバスとは、壁や床、天井、浴槽などが一体になっているお風呂で、基本的にはすべて同じ素材を使用しています。水漏れしにくいため、マンションなどでよく採用されています。
樹脂系の素材は、大理石調や織物風などデザインのバリエーションが豊富です。好みのカラーやデザインを選ぶ楽しさがあります。保温性や断熱性が高いのが特徴です。乾きやすいように加工されたものもあり、カビに強いものもあります。日頃のお手入れもしやすいでしょう。滑り止め加工もできます。
タイル
タイルはカラーバリエーションが豊富で、デザイン性も高いです。見た目がおしゃれに仕上がるでしょう。ただ、保温性は比較的低く、さらに施工に手間がかかるためコストが高い傾向です。タイルそのものよりも、目地に水分が残りやすく、そこに汚れがつきやすいというデメリットもあります。
しかし、大きなサイズのタイルなど掃除のしやすさを考えられたものもあり、お手入れのしやすさは改善されています。汚れにくいタイルや、床に使用しても滑りにくいタイルなどもあります。
木製
木の温かみや香りで癒し効果を得られるでしょう。和風のお風呂に仕上がります。保温性はさほど悪くなく、耐久性は木の材質によります。比較的高価です。木の性質上乾きにくいため、よく乾燥させたりこまめにお手入れしたりする必要があります。ただ、木のリラックス効果は期待できるため、お手入れが苦にならなければ魅力的な素材です。
塗装
モルタルやコンクリート、漆喰などで塗装します。汚れがつきやすく、カビが比較的生えやすいでしょう。また、保温性も劣ります。
浴槽の素材
浴槽は、肌が直に触れる面積が広いため、肌ざわりも大切です。お湯が冷めにくいようにするためには、保温性の有無もポイントです。浴槽に使われる素材にはどのようなものがあるのでしょうか。
人工大理石
人工的につくられた大理石風の素材で、アクリル樹脂やポリエステル樹脂などが主成分です。加工性に優れており、着色性もあるため豊富なカラーバリエーションから選べます。耐水性があり、さらに汚れにも強いためお手入れしやすいでしょう。ただ、人工的につくられた大理石風の素材のため、天然の大理石よりキズがつきやすいです。
FRP
浴槽に使用されるメジャーな素材です。ガラス繊維強化プラスチックで、樹脂素材にガラス繊維を混ぜています。カラーバリエーションが豊富のため好みのものを選べるでしょう。保温性や耐久性、耐衝撃性にも優れています。柔らかくて肌ざわりが良いため、リラックスして入浴を楽しめるでしょう。価格も比較的安く、補修しやすいのもメリットです。ただ、色あせや汚れが目立ちやすいという特徴があります。
ホーロー
金属の表面にガラス質の釉薬を焼き付けてつくられます。見た目がきれいで、なめらかな肌ざわりが特徴です。保温性に優れており、さらに汚れが付きにくく、防カビ性もあります。水垢のつきやすい浴槽だからこそ、お手入れのしやすさもうれしいメリットです。ただ価格が高く、劣化するとサビが発生します。
木製
木の温もりを感じられ、独特の肌ざわりや香りに癒されるでしょう。特にヒノキは香りが良く、保温性や耐衝撃性にも優れています。ただ、ヒノキの価格は高めです。木はまめなお手入れが必要ですが、腐りにくい処理をされたものもあるようです。
まとめ
お風呂の壁や床、天井、浴槽に使う素材には様々な種類があり、それぞれ異なる特徴があります。見た目はもちろん大切ですが、汚れがつきやすくカビが発生しやすい場所だからこそ、長く使うことを考えて、掃除のしやすい素材を選ぶのがおすすめです。
さらに安全性も考慮して、滑りにくい素材や保温性の高いものを選びましょう。