マンション購入を考える際、新築にするか中古にするか迷うところです。
新築マンションは、すてきだけど価格が高いし、中古は設備や安全性が不安など。
そんな時に考えたいのが、リノベーション済みの中古マンションの選択肢です。
今回は、最近人気が高まるリノベーション済みマンションについて、購入する前に知っておくべきメリット・デメリットを徹底解説していきます。
人気が高まるリノベーション済みマンション
首都圏では2016年から3年連続で、中古マンションの成約戸数が新築マンション供給戸数を上回る状態が続いています。(LIFULL HOME’S PRESS「首都圏で中古が新築より売れるマンション逆転現象。
新築中心だった市場に本当の転換は起こるか?〜時事解説」)
中でも人気が高まっているのが、リノベーション済みマンション物件です。
これは分譲住宅にとどまらず、全国で団地の賃貸を展開するURでも、MUJIやイケアといった有名企業とコラボしたリノベーション済み物件を展開しています。
リノベーション済みだとこんなメリットが!
リノベーション済みマンションには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
新築マンションよりも安価に「新築同様」の住まいが手に入る
メリットとして真っ先に挙げられるのが、「新築同様」の住まいが手に入る点です。
新築マンションには、「新築プレミアム」とも呼ばれる付加価値が上乗せされている場合があります。首都圏における2019年1月時点の平均価格帯を比較すると、新築平米単価が81.3万円なのに対して、中古成約物件の平米単価が51.46万円となっており、中古物件価格の安さが際立っています。(国土交通省「不動産市場動向マンスリーレポート(平成31年2月)」)
リノベーション済み物件は、中古物件よりは価格水準が高くなりますが、それでも新築物件より割安感があります。
立地が良いことも
都市部では、駅前や駅から徒歩圏内の新築物件は限定的です。
リノベーション済みの物件なら、立地が良い上に新築同様の部屋で生活でき、今後資産価値上昇の見込める沿線であれば、将来的に売却が有利になる可能性もあります。
実は資産価値が下がりにくい
新築マンションでは、購入した瞬間からどんどん価値が目減りしていきます。
ところが、築年数が一定期間を超えると、目減りするスピードが緩やかになると言われます。
つまり、ある程度築年数の経過した中古物件であれば、価値が下がりにくいといえるでしょう。
加えてリノベーション済みであれば、一般的な中古物件よりも資産価値を維持できる可能性があります。
注意すべきデメリットとは?
つぎに、気になるデメリットもお伝えしていきましょう。
築年数40年前後の物件は耐震基準に注意!
築年数が古い場合、新耐震基準を満たした建物かどうか、という点は必ず確認しておきたいところです。
1981年6月1日以降、現在の新耐震基準が適用されています。つまり、それ以前に建設された物件は、旧耐震基準しか満たしていない可能性があります。
新耐震基準が震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しないレベルであるのに対し、旧耐震基準は震度5強程度の揺れを想定しています。
大規模修繕等で耐震化工事を行っている場合もあるので、個別に確認が必要でしょう。
旧耐震基準は、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、破損したとしても補修することで生活が可能な構造基準として設定されている。技術的には、建物自重の20%の地震力を加えた場合に、構造部材に生じる応力が構造材料の許容応用力以下であるかどうかで判断される。
なお、新耐震基準は、震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準として設定されている。(R.E.words不動産用語集「旧耐震基準」)
目に見えない設備が老朽化している可能性もある
リノベーション済み物件は、床・壁・天井、トイレやキッチンなど表面上の設備は新築同様です。
しかし、意外と盲点なのが、目に見えない部分の設備です。
いくら表面が綺麗でも、給排水配管は交換されているでしょうか。
また、床下や壁、細かく言えば窓のパッキンなど、見落としがちな部分は要注意です。
一般的に売り主が宅建業者である場合、瑕疵担保責任が2年間認められますが、気づかずに2年以上経過してしまう可能性もあるので気をつけましょう。
瑕疵担保責任:売買契約や請負契約の履行において、引き渡された目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合に、売り主・請負人が買い主・注文者に対して負うこととなる責任。(R.E.words不動産用語集「瑕疵担保責任」)
まとめ
新築に比べて安価でありながら、新築同様の綺麗さが魅力のリノベーション済みマンション。
デメリットは注意すれば回避できるものです。耐震基準や見えない部分の老朽化について意識できれば、お得にマイホームを手に入れられる手段とも言えます。
ここで紹介した点を意識して、新築・中古以外の第3の選択肢としていかがでしょうか。