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和室を書斎・ワークスペースに!欲しいアイテムとリノベのポイント

和室を書斎・ワークスペースとして使うのは良いアイデアです。なぜなら和室は布団を敷けばベッドルームになり、ちゃぶ台を置けばダイニングになるマルチなスペース。アイテムをいくつか追加するだけで、書斎・ワークスペースとして活用できてしまうからです。また、今ある和室をリノベーションしてプロの手を加えるのもいいアイデア。空間の居住性はグッと高まるでしょう。

既存の和室にアイテムを足す方法と、和室自体に手を加える方法。2通りで和室を書斎・ワークスペースとする方法を見ていきましょう。

既存の和室を書斎・ワークスペースに活かすには?

その場に寝転がることができたり、イ草の香りに落ち着きを感じたり。和室には格別の魅力がありますね。そんな和室を書斎・ワークスペースとして使うには、何を用意すれば良いのか考えていきましょう。

折りたたみ式の机

書斎・ワークスペースに欲しいものといえば机ですが、和室のマルチさを活かすならば、脚が折れるなど、収納できるものを選ぶと良さそう。書斎・ワークスペースだけでなく、和室の用途を限定せずに使えます。

写真の「折りたたみ小机」は、脚を折りたたむことで厚さは8cmとなり収納に便利。重さは8kgとなっていますから、女性にも持ち運びは可能です。シンプルなデザインで、和室だけでなく洋室にもマッチしますから、サイドテーブルやローテーブルといった用途にも使えます。

他にも「接待机」「二月堂机」といった名称で探してみてください。小机では作業スペースが足らないという方は「ちゃぶ台」で探すと、良いものが見つかるでしょう。

参考:オークヴィレッジ「折りたたみ小机」

座椅子

すぐに仕舞えることを優先するなら座布団なのですが、机に長時間向かうことを考えるなら、背もたれはぜひ欲しいもの。写真の天童木工「座イス S-5046」は、座面と背もたれを一体化したシンプルなデザインが魅力ですが、スタッキングもできるので収納時に場所を取りません。プライウッドによるモダンさや木目の美さも魅力です。

座り心地で定評があるのは、同じく天童木工の「低座イス S-5016」。1964年にグッドデザイン賞を受け、現在まで愛されている名品です。ただ少々の座面の高さがありますから、合わせて使う机の選定には高さを考慮する必要があるでしょう。

参考:天童木工「S-5046MP-NT 座イス」
参考:天童木工「低座イス「S-5016」グッドデザイン・ロングライフデザイン賞受賞」

広めの和室を書斎・ワークスペースとして使うなら「文机」

昭和の文豪たちの多くは和室を仕事場にしていました。彼らの仕事場の風景からは、現代でも書斎・ワークスペース作りのヒントを得ることができます。例えば、空間に余裕があるならば窓際に置きたいのが「文机」、イメージは老舗旅館に逗留している小説家です。

文机は、折りたたみ式の小机よりスペース、収納力が共にアップしますから、長い時間腰を落ち着けて、集中して仕事に取り組むためのスペースづくりに向いているでしょう。

和風の衝立でスペースを囲う

さらに集中力を高めるには、周りの環境から自身を遮断してしまうのも実践しやすい方法の一つです。例えば、衝立(ついたて)で文机の周りを囲ってしまいましょう。写真の衝立は塩ビパネルを用いて柔らかい光を得られるようになっています。障子ともマッチしますし、洋風のインテリアにも違和感はなく使えるデザインといえるでしょう。リモート会議の背景としてもおしゃれです。

衝立には、本物の障子を用いたものや、アンティークのものなどもありますから、お好みに合わせてチョイスしてください。

参考:margherita「Cavalletto パーティション」

和室をリノベーションして書斎・ワークスペースとして使うなら?

リノベーションで和室に手を加えることができるなら、和室のマルチさを活かしつつ書斎・ワークスペースとしての機能をより効果的に取り入れることもできるでしょう。アイテムを追加するだけの方法よりもコストはかかりますが、その分大きな満足感を得られることが期待できます。

足元は掘りごたつ式で居心地をアップ

床に置くことで格別のくつろぎ感を得られる「座イス S-5016」のようなアイテムもありますが、イスに座る生活に慣れた方なら、和室でも脚を下ろしたいと感じることでしょう。そんな時にうれしいのは、机の下が掘りごたつ式になっていること。これならば長時間の仕事や作業でも疲れにくいでしょう。合わせて机や収納も使う人の体に合わせたサイズで依頼して造作し、使いやすく疲れにくい書斎・ワークスペースを目指しましょう。

壁には造作棚で機能性をアップ

写真はある老舗旅館の一室で、和室を書斎・ワークスペース化した例として出色なのですが、特に注目したいのは書棚。文机の高さに合わせ、壁をくりぬくようにして書棚が造り付けてあります。家具を置くよりもスッキリとした壁面を作ることができますし、文机をすき間なく壁に引っ付けることができるのも、スペースを有効活用するうえでメリットといえるでしょう。

まとめ

日本の伝統的な住宅の良さを持つ和室。そんな部屋に書斎・ワークスペースを作れば独特の雰囲気ある空間を生み出すことができます。折り畳み机な小机などのアイテムを足したり、足もとを掘りごたつ式にしたりすることで、現代の生活においても十分に能率が上がる空間となることでしょう。仕事や作業に疲れたら、そのまま横になって一休みするのも和室ならでは。

余裕があれば机に置く照明にもこだわってみたいところです。白熱灯色の明かりを持つレトロなスタンドを加えれば、気分はもう文豪です。