ウールは長い歴史のある素材のひとつです。手織りでしか作れなかった時代から、ラグやカーペットとして使われてきました。
化学繊維の進化でリーズナブルな製品が多く流通するようになった現在でも、人の体にやさしく天然繊維ならではの風合いや機能を持ったウールのラグは魅力的なインテリアでしょう。
ウールのラグが気になる方にも、ウールのラグになじみが無い方にも、ラグ選びの参考になるよう、今回はウールのラグについてお伝えします。
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冬はぬくぬく、夏はサラッと。ウールのラグの秘密
冬は暖かく、夏にはサラッと心地よい。一年通して気持ちよく使えるウールのラグですが、その秘密はウールという天然素材の特性にあるようです。
ウールは呼吸する縮れ毛が湿度と温度を調節する
現在よく使われているウール繊維は、主にメリノ種という羊の毛から作られています。羊の毛は縮れていて、毛と毛の間に多くの空気を抱え込む構造になっています。その空気の層が断熱効果を発揮するので、冬には寒さを伝わりにくくして暖かさを保ってくれるというしくみです。
また、ウールにはコットンの2倍ともいわれる吸湿・放湿効果(調湿効果)があるとされています。ですから、夏の暑い時期にはジメジメ感やムレを軽減して、サラッとした触り心地にもしてくれます。
まだまだある、ウールのラグの嬉しい特徴
ウールは「燃えにくい」素材とも言われます。繊維の中に窒素や水分を多く含んでいるので、火が付いてしまっても燃え広がりにくく、しばらくすると火は自然と消えてしまうことも。消防服に使われてきたように、ウールの難燃性は昔からよく知られた特性のひとつです。
また、ウールには他の素材に比べて「汚れにくい」という特性もあります。羊の毛の一本一本が汚れや水を寄せ付けにくい材質で覆われており、はっ水加工したような効果があるとされています。ただ長年使うと効果は弱まっていくので、ラグの上に液体をこぼした場合には、速やかに拭き取るようにしましょう。
さらに、ウールの繊維には弾力性があるので、「ヘタレにくい」ことも特徴として挙げられます。ラグの上に家具などを置いて跡がついてしまっても、少しずつ元に戻ろうとする力が働きます。凹み跡にアイロンのスチームをあて、ブラシで毛を起こすようにすれば、はやく復活させることもできます。ただ、長年にわたってついた癖は戻りにくくなると覚えておきましょう。
ウールのラグから毛が抜ける!遊び毛について
ウールは他の素材と比べて、使いはじめに遊び毛と呼ばれる抜け毛が多く出る傾向があります。細かい毛が抜けて、編み込まれたパイルが抜けてきたように見えますが、これはウールのラグにとっては当たり前のことなので、落ち着いて対処してください。
ウールの原料になる羊の毛は、長さがそろっていません。長い毛も短い毛も一緒により合わせて繊維にしています。ですから、製品になった後も、摩擦などでより合わせた中から短い毛が遊び毛として抜け出てしまうのです。
購入したての頃は、掃除機をかけるとかなりの量の毛が取れるので驚くかもしれません。半年~1年くらいたてば落ち着くでしょう。
このウールの遊び毛と一緒に汚れも取れるので、毛足をきれいに保つ効果もあります。
オシャレなウールのラグを見てみよう
次に、リノベやDIYの現場で選ばれているインテリアがそろうHAGSオンラインショップから、ウールラグのおススメを紹介します。
北欧の国、フィンランドのFinarteのラグです。温かみのある優しい色使いに大胆なスクエアの組み合わせがモダンな雰囲気も感じさせます。シンプル・ナチュラルなテイストのインテリアとも相性ばっちり。
ウール100%の表地はフワフワで優しい手触り。シックなカラーと不規則な格子模様の組み合わせで、カッコよさもありつつ落ち着きのある一品です。滑り止め付きなので、人の動きが多い場所でも使いやすいでしょう。
ウールのラグのお手入れ、基本は掃除機掛け
ラグのお手入れの基本は掃除機掛けです。拭き掃除や外干しと合わせて生活に取り入れていけば、お気に入りのラグを美しく長持ちさせることができるでしょう。
日頃のお手入れは掃除機で
週に1度は掃除機をかけておきたいところです。ラグにはお部屋の空気中に舞っている埃を捕まえてくれる働きもあるので、見た目がきれいでも汚れが溜まっているかもしれません。
毛を逆立てるような方向からゆっくりじっくり掃除機をかけて、毛の間に挟まっている埃やゴミを吸い取りましょう。家具などがないならば、ラグをめくってラグの下や裏側も掃除機をかけておくといいですね。
日頃の掃除機掛けは、購入したてのウールのラグで気になる遊び毛のケアや、ダニやカビの予防にもなります。
たまには拭き掃除や外干しも
月に1~2回くらいは、雑巾での拭き掃除をすると、掃除機で残ってしまう汚れも落とせます。中性洗剤をほんの少し溶かしたぬるま湯に雑巾を浸し、かたく絞って拭いていきます。毛並みに沿って拭いて、次は毛並みに逆らって拭くとより効果的です。濡れた感じが残ってしまっているなら乾拭きもしておきましょう。
さらに半年か年に1回くらいはラグを外に干しましょう。裏側から軽くたたいて埃を落とし、表を出して陰干しするか、天日干しの場合は裏側を出して直射日光を避けるようにしてください。湿気が抜けてフカフカなラグになるので、試してみる価値ありです。
まとめ
ウールのラグは、断熱効果と調湿効果でオールシーズン快適に過ごせるので、季節ごとに敷き替える必要もなく通年で使えます。お気に入りの一品を見つけたら、気持ちの良い触り心地が長持ちするように、お手入れも気にしてみてください。
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