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人工大理石・人造大理石・コーリアン、キッチン天板に一番向くのはどれ?

人工大理石とか「人大」と一括りにされがちな素材は、人工大理石、人造大理石、コーリアンの3種類です。人工大理石と人造大理石は、名前や用途が似ていても違う素材です。製法から考えると、人造大理石は天然石系(エンジニアドストーン)に分類されるべき素材です。

ここではまず、人工大理石と人造大理石、コーリアンの3つを比較します。その後、日本の主要メーカーのうち、どこがどんな人大を採用しているかについて書いていきます。

 

 

キッチンの天板に用いられる人工大理石と似た素材

 

人工大理石

大理石と名前が付いていますが、成分的には全く関係がない、大理石風の素材が「人工大理石」です。主成分となっている樹脂により、アクリル系とポリエステル系に分けられますが、アクリル系のほうが汚れや熱、キズに対して強い性質を持っており、日本の主なキッチンメーカーが天板に採用しています。

 

人造大理石

大理石などの天然石を砕き樹脂で固めたものが「人造大理石」です。本物由来ならではのリアルな質感が特徴です。

キッチンの天板向きの大理石に近いタフさを持っていますが、同じ人造大理石でもメーカーにより製法が異なり、すべてが同等の性質であるとは言い切れませんので、注意が必要です。

 

コーリアン

人造大理石と同じような製法で作られていますが、汚れや熱に対する強さ、キズの付きにくさで、人造大理石を上回る評価を得ているのが、アメリカの化学メーカー「デュポン」社が開発したコーリアンです。

コーリアンの天板をキッチンで選択できるのは、日本のメーカーならLIXIL、パナソニック、クリナップ、TOTOの4社となっています。

 

3つの素材の位置づけは?

防汚、耐熱、耐キズにおいて、コーリアン > 人造大理石 > 人工大理石の順になるのですが、価格においてもこの順番は変わりません。コーリアンは採用しているメーカーで、最上級ラインのオプションとして用意されています。

 

 

日本のキッチンメーカーはどの「人大」を天板に用意しているか?

「人大」と呼ばれる素材には主に3種類あることは、お分かりいただけたと思います。

それでは、日本の主要キッチンメーカーは人大系の素材のうち、どれをキッチン天板に採用しているのでしょうか。

 

トクラス

用意している「人大」系の天板:人造大理石

人造大理石のキッチンを手掛けて40年、自社開発をおこない続けているメーカーがトクラスです。防汚・耐熱において相当な自信を持っていますが、面白いのが耐キズについての考え方で、万が一キズが付いてもナイロンたわしで研磨すればよいとか。キズが消えることを売りにしています。

 

タカラスタンダード

用意している「人大」系の天板:人造大理石

タカラスタンダードでは、人造大理石は、中くらいのグレードという位置づけです。防汚、耐熱、耐キズが高い天板が必要ならば、最上位グレードの「レミュー」で天然石系のクオーツストーンが選べます。

 

LIXIL

用意している「人大」系の天板:コーリアン、人造大理石

人造大理石とコーリアン、両方をラインナップしているのがLIXILです。人造大理石は、中グレードのキッチンでも選ぶことができますが、コーリアンを選ぶことができるのは最上位グレード「リシェルSI」のみとなっています。価格は、人造大理石より高く設定されており、高級キッチン天板として売り出し中のセラミックと同程度です。

 

パナソニック

用意している「人大」系の天板:コーリアン、人造大理石

パナソニックの人大系キッチン天板もLIXILとよく似た扱いになっています。コーリアンが選べるのは最上位グレードの「Lクラス」のみです。

 

クリナップ

用意している「人大」系の天板:コーリアン、人工大理石

クリナップでは、コーリアンと人工大理石製、2種類の人大系のキッチン天板を用意しています。コーリアンは最高グレードという扱いです。

 

TOTO

用意している「人大」系の天板:コーリアン、人工大理石

TOTOが用意する最高グレードのキッチン天板は、天然石系のクリスタルカウンター、これと並ぶのがコーリアン、普及グレードとして人工大理石を位置づけています。

 

 

まとめ

以上、人工大理石と混同もしくは「人大」と一括りにされがちな、3つの素材について見てきました。人工大理石は普及グレード、人造大理石は上位グレード、コーリアンは最上位グレードという位置づけになっていることは、どこの主要メーカーでも変わらないのですが、注意したいのは、同じ人工大理石でも防汚、耐熱、耐キズといったキッチンの天板に要求される性能は同じではないということです。

まあ見た目が気に入ったら、そのキッチン天板を選択すればよいだけのことですから、それほど難しく考える必要はないのですが、大理石風のキッチン天板でより高い性能を求めるならば、LIXILやパナソニックなどコーリアンをラインナップしているキッチンの選択をおすすめします。