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「脂肪族系水素溶剤(しぼうぞくけいすいそようざい)」とは何か?|誰でもわかるリノベ用語集

誰でもわかるリノベ用語集515

■脂肪族系炭化水素溶剤(しぼうぞくけいたんかすいそようざい)

「脂肪族系炭化水素溶剤」は「しぼうぞくけいたんかすいそようざい」と読みます。「脂肪族系炭化水素溶剤」とは石油精製装置から製造される直留型石油系溶剤製品です。蒸留範囲をコントロールしているという特徴があり、塗料や洗浄などに使用されます。

有機化合物には芳香族と脂肪族が存在します。脂肪族では炭素原子が直鎖、分枝、非芳香を形成しています。最もシンプルな脂肪族化合物としてメタン、エチレン、アセチレンなどがあります。

一方で芳香族とは環状不飽和有機化合物の一群です。炭化水素のみで構成されているという特徴があります。主な芳香族化合物としてフラン、チオフェン、ピロール、ピラゾールがあります。

脂肪族炭化水素とは非芳香族性の炭素と水素のみで構成される脂肪族化合物のことです。多重結合の有無により、緩和と不緩和、形状により鎖式と環式に分けられます。

脂肪族系炭化水素溶剤の特徴として、灯油や軽油よりも臭いが少ないという特徴があります。また、オゾン層を破壊しないので環境に配慮していると言えるでしょう。さらに、洗浄力に優れており油汚れにも有効です。

一方で、脂肪族系炭化水素溶剤は可燃性なので、引火に対する設備対応が必要です。また、製品によって消防法や有機溶剤中毒予防規則などに対する対処が求められるでしょう。

脂肪族系炭化水素溶剤の用途は印刷インキ、液体トナー、ワックス用希釈剤、接着剤、化粧品、家庭用芳香剤、ドライクリーニング溶剤などです。

(参考:ENEOS「T-SOL(脂肪族系炭化水素溶剤)」)