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「ソーラーチムニーとは」とは何か?|誰でもわかるリノベ用語集

誰でもわかるリノベ用語集579

■ソーラーチムニー

「ソーラーチムニー」とは、上昇気流を発生させる発電システムのことです。建物の中にチムニーシャフトと呼ばれる、煙突のような通り道を作ります。チムニーシャフト内にたまっている空気を、太陽光で温めると空気が上昇します。気流の上昇が続くと内部に強い力が発生するようになり、内部に取り付けているタービンを回して電気を作ることが可能になるのです。

ソーラーチムニーは温室に煙突を取り付けた構造となっています。温室部分の大きさや煙突の高さによって発電量は異なり、温室のスペースを広くしたり、高い煙突を取り付けたりすると発電量がアップします。また、石油や石炭などの燃料が不要なので、大きな発電所を建設してもコストを低く押さえられるというメリットがあります。

ソーラーチムニーの建設は1980年代に始まりました。プロトタイプのソーラーチムニーはスペインで建設されたもので、195mの高さと40,000km2の面積を誇りました。8年間の可動の後、1989年に閉鎖しています。

ソーラーチムニーのメリットは自然に配慮していることです。火力発電では石油を燃料とするので、二酸化炭素の排出などの問題が懸念されています。原子力発電についても、安全性に不安を持つ人が多くいるでしょう。ソーラーチムニーは、自然のエネルギーを使用しているので発電における環境への不安を取り除けます。また、空気がこもりやすい場所での自然換気を促せるので、建物内を快適な状態に保てます。

(参考:三井住友建設「ソーラーチムニー自然換気システムとは」