昔は見つけることが難しかったグレーのフローリングですが、近年では選択肢の幅が広がりました。
ここではリユース材やオイル系塗装、突板、フィルム貼りという4種類のグレーのフローリングの写真をご紹介。あわせてヴィンテージ加工やウレタン系塗装についてもお話ししていきます。
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「リユース材」でのグレーのフローリング
リユース材とは、工事現場の足場や解体された家屋の外壁などに使われていた木材を、別の目的のために再加工したもの。リユース素材ならではのくすんだ雰囲気がグレー系の色目でも存在感を発揮します。
トップの写真は足場板をフローリング材としたものです。キズや欠け、ペンキ跡などが残るハードな表情が魅力です。
メリット
リユース材のフローリングのメリットは、好きな方にはたまならいであろう風合いです。足場材なら現場でハードに使われていたことが伝わる表情が魅力。外壁材なら雨風にさらされなければ出ない独特のグレーがたまりません。
また使い込まれたものだけに、経年変化を起こしにくいのもリユース材のメリット。魅力的なグレーのものを見つけられたなら、その後もそのままの色目を保ち続けてくれるでしょう。
デメリット
リユース材のデメリットは、ラフすぎるものは素足で過ごす場所に使いにくいことがあります。また表面やサイズを整えたものとはいえ、すき間や段差ができがちなのも気になるかもしれません。
リユース材は大量生産品ではありませんから、均一の品質のものが手に入らないというのもデメリットです。
デメリットが気になるならば、ハードな魅力やリアル感は多少物足りなくなるかもしれませんが、表面がキッチリ整えられたリユース材や、新品の木材にヴィンテージ加工をほどこしたフローリング材を選ぶという方法もあります。
参考:「OLD ASHIBA(杉足場板古材)商品ご購入の前に 必ずお読みください」
「オイル系塗料」でグレーに着色したフローリング
フローリングの塗装は大きくオイル系とウレタン系に分けられますが、写真はオイル系の塗装を杉の無垢フローリングにほどこしたもの。明るい色目の塗料でグレー系のフローリングに仕上がっており、室内も明るい印象です。
メリット
オイル系塗料のメリットは、無垢材の魅力であるやさしい肌触りや湿度調節の機能をそこなわないこと。はだしで歩きたくなる心地よさを保ったまま、好みの色目にフローリングを染めてくれます。
また天然由来の塗料ですから、健康や環境問題が気になる方も、安心して使うことができるのもメリットです。
デメリット
日ごろのお手入れはカラ拭きでよいのですが、経年で油分が抜けていきますから、半年~1年に1度はオイル系塗料でのメンテナンスが必要になります。コーティングがほどこされているわけではありませんから、水分やキズに弱いのもデメリットといえるでしょう。
グレーの「突板」フローリング
写真はパナソニック・アーキスペック「ナチュラルホワイトオーク色」。複合フローリングの表面に、天然オーク材のシートが貼られた突板仕上げになっており「ナチュラル高結合ハード塗装」がほどこされています。
参考:パナソニック「ホワイトオーク柄(アーキスペック)」
参考:パナソニック「アーキスペックフロアー ナチュラルウッドタイプ」
メリット
ワックスを使わなくても輝きが持続し、キズにも強いというのが「ナチュラル高結合ハード塗装」のメリットとなっています。オイル系塗料よりもメンテナンスの手間がかからないというのは、突板フローリングやウレタン系塗料を用いたフローリングにある程度共通するメリットです。
デメリット
突板フローリングは本物の木が使われているとはいえ、ウレタン系塗料の強力な膜でおおわれていますから、本来の肌触りや湿度調節の機能が失われがちです。
また突板は非常に薄いので深いキズがついてしまうと、下地の合板があらわれてしまい目立つこともデメリットです。
グレーの「フィルム貼り」フローリング
写真はLIXIL・ラシッサ・Dフロア「ホワイトオークF」。複合フローリングの表面を「リアルフットフィール仕上げハイパーフィルム」で覆って表面保護や抗菌などの機能を持たせた作りですが、カラーやパターンも豊富に表現できるため、グレー系のフローリングとして使えるバリエーションもそろっています。こちらの写真の床も白い壁とマッチしていますね。
メリット
床材に特化したフィルムが貼られており、ワックス不要でキズに強いことがメリットです。
またプリントで木目を再現していますから、バリエーションが豊富なこともメリット。LIXIL・ラシッサシリーズだけでもグレー・白系のバリエーションは、10種類以上、見つけることができます。
参考:LIXIL「シッサ Sフロア・ラシッサ Dフロア:バリエーション」
参考:LIXIL「ラシッサ Sフロア・ラシッサ Dフロア耐水・ペット:バリエーション 機能/仕様」
デメリット
リアルフットフィールという技術で本物の木のような肌触りを実現しているとのことですが、もし無垢フローリングと迷っているならば、実際に触れて比較することが必要でしょう。
まとめ
様々なグレーのフローリングのバリエーションを見てきましたが、それぞれに一長一短があるものです。天然の木の風合いを優先するか、メンテナンスの楽さを取るか、悩むところです。ご自身のこだわりや性格にあわせて、ピッタリのものを選んでください。
一方でナラ(オーク)材やタモ(アッシュ)材のような、無塗装の無垢材でグレー系の色目のものも見かけますが、それらの大半は経年で変色しグレーが失われていきがちです。グレーの色目にこだわりがあるなら、リサイクル材以外は何らかの着色がされているものを選んだほうが良いでしょう。
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