ポーチは、玄関前で屋根や庇のある出入り口空間です。玄関ポーチとも言います。広い意味では、門扉から玄関までのアプローチ空間をさすこともあります。
ポーチは、基本的には一戸建て住宅を建てる際に考える設備です。ですが、近年ではマンションの入り口にもポーチをつける場合もあります。
この記事では、ポーチの機能と、ポーチを作る際に押さえておきたいポイントを紹介していきます。
ポーチの機能
それでは、ポーチの機能を紹介していきます。
玄関口にスムーズに出入りできる
ポーチの一番の機能は、家を訪れた人が、ベビーカーや、荷物をその場に置いて対応してもらうことができる点です。玄関前でのちょっとした挨拶の際に役立つ実用的なスペースといえます。
また、雨が降った時、家の中に入る前に濡れた傘の水滴を落とすスペースとしても活躍します。
このようにポーチがあることで、家の出入りがスムーズになります。
雨や雪の吹き込みから守る
ポーチには屋根や庇がついています。ですから玄関内に雨や雪が吹き込むことを防いでくれます。これは、家人を風雨から守るだけでなく、外壁やドアが風雨に直接さらされることが無くなることを意味します。ですから、ポーチがあると、玄関回りの劣化を防ぐことができるのです。
強い日差しから玄関を守る
ポーチの屋根部分には、玄関に直接日光が差し込むのを防ぐ役割もあります。これにより、玄関に熱がこもりにくくなり、玄関外壁や、ドアを紫外線による劣化から守る働きもあります。
ポーチを設置する際に押さえておきたいポイント
それでは、以下、ポーチを設置する際に押さえておきたいポイントを個別具体的に紹介していきます。
ある程度の広さを確保
玄関ポーチは他人が行き交うスペースです。家族でそろって出かけることもあるでしょうし、宅配便の対応をする場合もあるでしょう。
そんな中。一人しか通れないスペースですと、ポーチの機能を活かすことができません。特に外開きのドアの場合、あまりにポーチが狭いとドアを開けただけポーチから押し出されてしまいます。ですからポーチには2~3人が同時にいても窮屈でないスペースを確保しましょう。
屋根と庇のポイント
ポーチの屋根の役割は、玄関を風雨や日差しから守ることです。ですから、あまりに小さな屋根や庇では、期待された役目を果たすことができません。屋根や庇の面積は十分に取るようにしましょう。
また、最近、フラットルーフが流行しています。確かにデザイン性が高く洗練されているのですが、屋根の上部にゴミがたまりやすく、掃除が大変です。一般家屋の場合は、機能性を重視して、角度のある屋根の方が傾斜でゴミが落ちてたまりにくいので掃除が楽です。
床材について
ポーチに用いる床材については、もちろんデザイン性や耐久性に優れているものが良いです。このほかにもポーチに用いる床材には留意しておきたいポイントがあります。
それは「雨でも滑りにくい素材」です。いくらポーチに屋根や庇がついているとはいえ、どうしてもある程度雨水は入ってきてしまいます。ですから、水に濡れても滑りにくい素材を採用し、滑って転倒するリスクを未然に防ぐことが大切です。
照明について
ポーチに用いられる照明はデザイン性に気を遣うのももちろん良いのですが、防犯性と省エネ性にも気を使いたいものです。
最近は人感センサーを搭載した照明があります。侵入者はいきなり照らされ、不意を突かれるとその家には入りたがらないと言われています。また、必要な時だけ照明が点灯するので電気代を節約できます。
玄関ドアについて
ポーチは玄関に通ずるスペースのため、玄関ドアもポーチの機能を有効に生かすためのデザインが求められます。
玄関ドアには内開きと外開きの2種類があります。わが国では生活習慣上玄関で靴を履き替えますので、内開きでは靴の履き替えの際ドアが邪魔になってしまいます。ですから、玄関のスペースを広く使いたい時は外開きのドアを採用するのがよいとも思えます。
ただ、外開きの場合、外からの侵入者に対して、ドアを閉めることで対応することが難しいという欠点があります。この点、内開きですと、ドアに全体重をかけて押せば、外からの侵入者を防ぐことができます。防犯という観点では外開きよりも内開きのドアの方が有利といえます。
さらに、洪水が起きた場合、外開きドアですと外からの水圧でドアが開かず家から脱出できないというリスクがありますが、内開きですと水圧に関係無くドアを開けて脱出できます。
以上を考慮すると、多少、玄関スペースが狭くなったとしても、ポーチに隣接する玄関のドアは、内開きの方がよさそうです。
まとめ
いかがだったでしょうか。玄関ポーチの機能や、設置する際のポイントがお分かりいただけたでしょうか。ポーチは、玄関より先に足を踏み入れる家の第一歩となるスペースですから、ちゃんとしておきたいですよね。