パラボラアンテナというと、聞き慣れない言葉だと感じるかもしれませんが、実は日々の生活で使っている身近なものです。パラボラアンテナとはどういうものなのか、解説していきます。
パラボラアンテナの特徴
パラボラアンテナとはどんなもので、どのような特徴があるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
パラボラアンテナとは
パラボラアンテナとは、金属の板や網でできている、お椀のような形のアンテナです。回転放物面鏡の中心部分に主アンテナがあります。マイクロ波領域で使われることが多く、地上通信や宇宙通信に使用されます。
住宅においては、衛星放送の受信アンテナとして使用されることがほとんどです。衛星放送のアンテナを設置することで、BS放送、CS放送などの地上デジタル放送では見ることができない番組を視聴できます。業務用においては、地上のマイクロ波通信やレーダー、電波望遠鏡、宇宙通信などに使われます。
パラボラアンテナの大きさ
大きさは、45cm程度の家庭用のものから、10m以上の業務用のものまで様々です。大きければその分受信する力はアップしますが、大きくなるほど風などの影響を受けやすくなります。45cm程度の家庭用のパラボラアンテナであっても、赤道上空約36,000kmにある人工衛星からテレビの電波を受信できるのです。
ほとんどのパラボラアンテナは白色
パラボラアンテナのほとんどは白色です。それは、太陽の熱の影響を受けにくくして正確に電波を送受信するためです。太陽の熱は電波の送受信を邪魔してしまいます。黒色は太陽熱を集めてしまいますが、白色は太陽の光を反射するので太陽熱を吸収しません。
住宅における衛星放送用パラボラアンテナの設置
住宅でパラボラアンテナを設置する場合、屋外か、屋内にするという選択肢があります。それぞれの場所で設置する際の注意点をみていきます。
屋外に設置する場合
屋外に設置する場合は、屋根やベランダ、窓の手すり、壁などに設置します。基本的には南西方向で、午後2時頃に太陽の光が当たっている所が、設置場所の目安です。屋外の設置においては、不向きな場所があります。それは、建物や山などの障害物があって電波が受信しにくいところです。周辺の家のアンテナがどちらの方向を向いているかを参考にするのも良いでしょう。
屋外に設置することが多いパラボラアンテナですが、その寿命は約10年と言われています。ただし、屋外に置く際は地域や立地に大きく影響されます。雨や雪などの影響を受けやすく、海沿いでは塩による影響で寿命が短くなる可能性があります。
屋内に設置する場合
マンションの決まりなどで、屋外にパラボラアンテナを設置できない場合もありますが、屋内の設置なら可能です。ただ、屋内パラボラアンテナは屋外のものよりも電波の感度が弱い場合があります。壁や屋根、ガラスの素材、カーテンの厚さ、さらには外の障害物も影響するため、設置する場所は慎重に選びましょう。最近は、衛星放送の電波が届いているのかを確認するアプリもあるようなので、活用してみるのもおすすめです。
衛星放送用のパラボラアンテナのメリット・デメリット
日々の生活において最も身近なパラボラアンテナは、テレビの衛星放送の受信です。衛星放送の受信におけるパラボラアンテナのメリット・デメリットについてみていきましょう。
メリット
パラボラアンテナのメリットは、まず強い指向性を持つということです。そのため、電波を受信する際は不要な雑音が入りにくく、側面や後ろへ電波が漏れにくいのです。感度が良く、妨害を受けにくくなっています。また、一度設置すると維持費はそれほどかかりません。
デメリット
デメリットとしては、住宅の屋根や壁などの屋外にアンテナを設置することが多いため、台風や雨風などの影響を受けやすいことが挙げられます。また、近くに大きなビルや木があって障害物となる場合は、電波が受信しにくくなります。さらに、アンテナ設置の際は初期費用がかかります。
衛星放送の受信用のパラボラアンテナの種類
衛星放送を受信するためのパラボラアンテナには、3種類あります。
まず、一般的に最も設置されている、BSデジタル放送用のアンテナです。こちらを設置すると、BSデジタル放送と110度CSデジタル放送が受信できます。2つめは、CSデジタル放送用アンテナで、スカパープレミアムサービス専用のアンテナです。最後に、最近登場した4K8K対応BSアンテナです。こちらは、BSデジタル放送と110度CSデジタル放送が受信できることに加え、4K8K衛星放送も視聴できます。
まとめ
パラボラアンテナには様々なメリット・デメリットがあり、種類も異なるものがあることが分かりました。パラボラアンテナを選ぶ際は、ご自身の用途に合ったものを選びましょう。また、設置の際はアンテナの向きや角度の調整が難しく、屋外であれば高所での作業になる場合もあるため、信頼できる業者に頼むと安心です。