施主自らアイテムを調達することにより、自由度の高いこだわりリノベーションを実現できると人気の施主支給。しかし、どんなアイテムでも施主支給できるというわけではなく、アイテムによって施主支給に向いているものとそうでないものがあります。
この記事では、施主支給に向いているアイテムと向いていないアイテムの特徴を解説します。また、向いているアイテムを具体的に紹介していきますので、今後リノベーションで施主支給を検討している人はぜひ参考にしてください。
事例集ダウンロードはこちら
施主支給とは?
施主支給とは、アイテムの選定〜調達まで施主自らが行い、取り付けや施工を施工会社が実施するという方法のこと。
通常の工事では、施工会社が取り扱う設備やアイテムの中から、施主の好みに合うものを選ぶのが基本で、選択肢がある程度限定されてしまいます。施主支給であれば、施主が好きなアイテムを選べるので、より自由度の高いリノベーションが可能になるという点が魅力です。
また、アイテムの調達方法が自由であり、施工会社のマージンを支払う必要もないため、調達コストを削減できる可能性があるというのもメリットとされます。
なお、施主支給は、何かトラブルが発生した際に、責任の所在が曖昧になるというデメリットがあるため、施工会社によっては受け付けないケースや、受け付けてもアイテムが限定されるケースがあります。施主支給を検討するのであれば、早めに施工会社へ対応可能か確認するようにしましょう。
参考:施主支給とは?メリット・デメリットや向いているものを徹底解説!
施主支給に向いているもの・向いていないものの特徴
施主支給を検討するにあたって気をつけたいのが、施主支給に向いているアイテムとそうでないアイテムがあるという点です。どんなアイテムでも施主支給で自由に選べるというわけではありません。向いているもの・向いていないもの、それぞれの特徴を見ていきましょう。
施主支給に向いているものの特徴
施主支給に向いているアイテムは、引越し後に自分で取り付けられるものや、壊れてしまっても簡単に交換できるものです。
施主支給のアイテムは、施工会社が普段取り付けているアイテムとは異なる場合がほとんどのため、職人も取り扱うのが初めてというケースがあります。取り扱いが簡単なものであれば、職人も安心して施工できます。また、引越し後に自分でも取り付けられるアイテムであれば、納期が遅れても工期に影響を与えることがありません。
購入費用を抑えることができるというのも施主支給向きのアイテムの特徴。高価なものだと上手く取り付けられなかったときの損失が大きいほか、住宅ローンやリフォームローンによる融資の範囲外で大きな支払いが生じてしまいます。施主支給によるリスクをヘッジするには、仕入れ価格が高くないアイテムを選びましょう。
施主支給に向いていないものの特徴
反対に施主支給が向いていないアイテムは、納期遅れや納品のトラブルが全体工期に大きな影響を与えるものや、壊れても簡単に交換できないものです。具体的には水回りの設備系、柱や外壁材といった家の基礎・構造に関わるものなどが挙げられます。
ユニットバス、システムキッチン、トイレなどの水回り設備は、商品購入と専門業者による施工がセットになっているのが基本。配管位置によって決まる取り付け位置や、施工業者による工事スケジュールとの調整が煩雑になりがちです。水回りは、トラブルがあった場合の住宅への影響も大きいため、施主支給には向いていないと言えます。
同様に、柱や外壁材なども何かトラブルがあった場合の影響が大きく、家全体の保証にも関わってくるため、施主支給には向いていません。
施主支給に向いているアイテムと注意点
続いては、施主支給に向いているとされる代表的なアイテムを、具体的に紹介していきます。合わせて、アイテムごとの注意点も確認していきましょう。
照明器具
照明器具は、取り付けやすいうえ、業者を通さずにWeb通販などで購入するとコスト削減できる可能性が高いため、施主支給に向いているアイテムです。
ただし、ダウンライトや埋め込み照明といった、他の部分の工事に影響を与えるもの、自宅に置いておけず搬入スケジュールを調整できないものなどは、施主支給に向きません。
洗面ボウル
水回り設備は、施主支給に向かないと紹介しましたが、洗面台は施主支給で造作するケースも多くなっています。市販のものではなく、オーダーメイドにこだわりたい人は、洗面ボウルを施主支給にするのもおすすめです。
アイテムを選ぶ際には、組み合わせる水栓やカウンターとともに、施工上問題がないか、施工会社にチェックしてもらいましょう。
タオル掛け・ペーパーホルダー
トイレや洗面台に取り付けるタオル掛けやペーパーホルダーも取り付けがしやすく、施主支給に向いている代表的なアイテムです。おしゃれなものを比較的安価に購入できるため、気軽にこだわりを表現できるアイテムと言えます。
取り付け位置によって使い勝手が変わりますので、希望する位置をしっかりと施工会社に伝えるのが大切です。
フローリング
特定樹種の無垢材、地元産の無垢材を使用したいなど、フローリングにこだわりがある人も多いのではないでしょうか。フローリングについても施主支給は可能ですが、次の2点に注意が必要です。
1点目は、フローリングの発注量を事前に施工会社へ確認すること。素人ではフローリングの枚数がどれぐらい必要か判断しづらく、発注量が足りないと工期に大きく影響するリスクがあります。施主支給であっても、必要数は必ず施工会社に確認しておきましょう。
2点目は、荷受け方法を事前に確認すること。フローリングは数量・重量ともにかなり多くなるため、現場へ搬入する際、運送業者がどこまで運んでもらえるかの事前確認が必要です。車上渡しだと施工会社による現場搬入が必要となり、工期やコストに影響が出る可能性があります。
宅配ボックス・ポスト
中古戸建てのリノベーションで取り付けるケースの多い、宅配ボックスやポストも施主支給が可能です。設置位置、取り付け方法(アンカー固定、据え置きなど)を施工会社と確認しておきましょう。
まとめ
こだわりリノベーションを実現するのに効果的な施主支給ですが、向いているアイテムと向いていないアイテムがあります。向いているアイテムであっても、洗面ボウルやフローリングのように注意が必要なものもあるため、施主支給を希望するなら施工会社と入念に擦り合わせるようにしましょう。
事例集ダウンロードはこちら