中古住宅を購入してリノベーションするには、物件探し〜リノベーションプランの検討〜設計・施工と複数のフェーズを進行していかなければなりません。通常は各フェーズでそれぞれのプロに依頼しなければならず、連絡や調整だけでもかなりの手間がかかります。
そんな煩わしさを解消してくれることから人気なのが、「ワンストップリノベーション」です。今回は、ワンストップリノベーションとは何なのか、メリット・デメリットはどのような点にあるのか詳しく解説していきます。
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ワンストップリノベーションとは?
まず、ワンストップリノベーションとは何なのか見ていきましょう。ワンストップリノベーションには、大きく分けて、「オールワンストップリノベーション」と、「パーシャルワンストップリノベーション」の2種類があります。
オールワンストップリノベーション
一つのリノベーション会社が、物件探しから設計・施工に至るまで、一気通貫で手がけるワンストップリノベーションの形式を、「オールワンストップリノベーション」と言います。窓口が一本化されているのはもちろん、いずれの工程も窓口となるリノベーション会社が責任を負うため、責任所在が明確なのが特徴です。
参考記事:「オールワンストップリノベーション」とは何か?|誰でもわかるリノベ用語集
パーシャルワンストップリノベーション
窓口はリノベーション会社に一本化しつつ、物件探し・設計・施工の各工程を異なる連携会社が手がけるタイプのワンストップリノベーションが、「パーシャルワンストップリノベーション」です。やり取りをするのは窓口のリノベーション会社ですが、各工程を手がける会社が異なるため、各社とそれぞれ契約を締結しなければならない場合もあります。
今回は、ワンストップリノベーションとしての特徴がより明確な「オールワンストップリノベーション」を前提に、メリット・デメリットを見ていきましょう。
ワンストップリノベーションのメリット
中古物件を購入してリノベーションする際に、人気のワンストップリノベーションですが、どのような点が魅力なのでしょうか。ワンストップリノベーションの主なメリット3点を紹介していきます。
窓口が1つになるのでスムーズでわかりやすい
ワンストップリノベーション最大のメリットは、何と言っても窓口が一本化されるという点です。
中古物件を購入してリノベーションするとなると、物件探しは不動産仲介会社に依頼しつつ、並行してローンに関することは金融機関に相談。そのうえでリノベーションプランはリノベーション会社や建築会社・工務店などに相談するといった具合に、複数の窓口と話を進めなければなりません。日頃仕事で忙しい人では、物理的にも精神的にも煩わしさを感じることでしょう。
ワンストップリノベーションであれば、物件探し・ローン・設計施工の全てを1つのリノベーション会社に相談できるので、手間や時間を節約できます。
予算が組みやすく、一体型ローンも検討しやすい
ワンストップリノベーションの2つ目のメリットとして、全体の予算が組みやすい点が挙げられます。
通常のリノベーションでは、物件探しとリノベーションそれぞれで独立してコストを考えなくてはならず、物件探しの状況次第でリノベーション費用がかさんでしまうなど、予算が膨らむといった事態が考えられます。
一方、ワンストップリノベーションではリノベーション会社が一気通貫で手がけるため、物件探しの段階からリノベーション費用を含めた、トータルで費用感を掴むことができます。何よりプロであるリノベーション会社が物件選びの段階から要望を確認するため、予算の使いどころやバランスを上手く考えながら進められるのです。
物件購入とリノベーションを一つの窓口で進めていくので、物件購入費用とリノベーション費用の借入を一本化した、「一体型ローン」を検討しやすい点もメリット。一体型ローンはリフォームローンに比べて審査が厳しいものの、まとまった金額を低金利で借り入れられます。
物件探し〜施工まで理想のイメージを実現しやすい
繰り返しになりますが、ワンストップリノベーションでは、プロであるリノベーション会社が物件探しの段階から住まいづくりの希望を確認してくれます。希望するリノベーションの内容を踏まえた物件探しができるので、当初から具体的なイメージを持って進められるのがポイントです。
物件探しの段階からゴールイメージが明確なので、思い描いているリノベーションを実現しやすいと言えるでしょう。
ワンストップリノベーションのデメリット
これまで見てきたように、メリットの多いワンストップリノベーションですが、デメリットはどのような点にあるのでしょうか。続いては、ワンストップリノベーションのデメリットを3点紹介していきます。
リノベーション会社との相性が合わないと面倒
ワンストップリノベーションは、一つの会社を窓口にして全工程を進めていくため、その会社との相性がリノベーションの成否を大きく左右します。仮に相性が合わないと希望するリノベーションが実現できず、後悔する結果になりかねません。
もちろん会社だけでなく、担当者との相性も大切です。少しでも違和感があるなら、なるべく早めに相談して担当者を変えてもらうなど対策を講じるようにしましょう。
選択肢が狭まる可能性がある
通常のリノベーションでは、工程ごとにそれぞれのプロへ業務を依頼します。工程ごとに会社を選ぶので、各社のサービス内容やコストを見ながら個別に判断できるということです。
対してワンストップリノベーションでは、基本的に窓口となるリノベーション会社しか選ぶことができません。「ローンはこちらの銀行にしたい」「施工はこの会社にお願いしたい」といった希望があっても、リノベーション会社の指定するメニューしか選べない可能性があります。
個別に依頼するよりもコストがかかる場合もある
通常のリノベーションは工程ごとに選択肢が多くある分、よりコストのかからない方法を選ぶことが可能です。自身でやらなければならないので手間はかかりますが、上手く組み合わせれば費用を削減できるかもしれません。
ワンストップリノベーションは、リノベーション会社に任せられる一方、個別でコストを下げるのは難しいと言えます。必ずしも割高になるわけではありませんが、個別に依頼するよりもコストが上乗せされる可能性はあるでしょう。
まとめ
最近人気のワンストップリノベーションは、プロであるリノベーション会社に窓口を一本化できるので、理想の住まいを実現しやすいのがメリットです。ただし、リノベーション会社との相性によってリノベーションの成否が大きく左右されるなど、デメリットもあるというのは意識しておきましょう。
メリット・デメリットの両面を理解したうえで、通常のリノベーションとワンストップリノベーションどちらが向いているのかしっかり検討することが大切です。
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