この記事を書いたのは
はせがわ あかね|整理収納アドバイザー
作業療法士として働きながら、整理収納・子育て・インテリアなど暮らしに役立つアイデアを発信。
あなたらしく「暮らしやすい」空間づくりを提案します
こんにちは!片づけクリエイターのはせがわあかねです。
無駄なものを持たないシンプルな暮らしへの人気が高まったことや、土地や建材が高騰したことなどから、「狭小住宅」「コンパクトハウス」と言われる小さな家での暮らしが注目されています。そこで今回は、令和のトレンドとなりつつある“コンパクトな家”で、快適に暮らすための工夫と事例をご紹介します。
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コンパクトな家のメリット・デメリット
“コンパクトな家”と言われる住宅の広さについては、一般的に延床面積が30坪以下と認識されています。
「大は小を兼ねる」という言葉があるように、「家は広くて大きい方がいい」と考える人も多いですよね。しかし、そうなるとどうしても問題になるのがコスト面です。土地が広ければ広いほど、建物が大きくなればなるほど、金額が膨らんでしまいます。
それではまず、コンパクトな家のメリット・デメリットを見ていきましょう。
コンパクトな家のメリット
家づくりにありがちな金額の問題ですが、コンパクトな家なら、以下の3つのコストを抑えられます。
- 構造材、土地代を抑えられる
- 光熱費を抑えられる
- メンテナンスの費用を抑えられる
建材や土地の価格高騰だけでなく、日用品の値上げが続いている今だからこそ、光熱費やメンテナンス費などのランニングコストを抑えられるのはとても魅力的ですよね。
また、コスト面以外にも
- 動線が短く、掃除・片付けが楽
- 家族とコミュニケーションが取りやすい
といったメリットもあります。
様々なコストを最小限に抑えつつ、暮らしやすさを兼ね備えているのが“コンパクトな家”のメリットと言えるでしょう。
コンパクトな家のデメリット
逆に、デメリットとして感じやすいのは、収納に関する問題です。限られた空間に居住空間と収納スペースを確保しなくてはならないため、家族構成や持ち物の量によっては物で生活空間が圧迫され、精神的にも物理的にもストレスとなってしまうことも。
しかし、この問題を解決してくれるアイデアや工夫が凝らされたコンパクトな家もたくさんあります。
コンパクトな家で快適に暮らす工夫
ここからは、コンパクトな家のデメリットである収納問題を打破するアイデアをご紹介します。
狭く感じさせない「抜け」のある収納作り
こちらは、敷地面積によっては狭さを感じやすい平家の建築事例です。玄関の正面に、観音開きの大容量収納が備え付けてあります。
玄関は家の第一印象を決める場所。また、物と人の出入りが頻繁な場所ですから、機能性も欠かせません。こちらの事例では、収納スペースをしっかりと確保しながらも、下部に窓を設けることで開放感を感じる設計となっており、インテリア性と機能性が両立されています。
無駄を削ぎ落とした空間一体型の収納
こちらの事例は、1階に開放感のあるリビング、2階に子供部屋と寝室という配置になっています。
家族が団らんするリビングは広く使いたいというケースも多いですが、そうすると相対的に他の部屋や設備を圧縮しなくてはならないことも。
「収納は必要だけど圧迫感は出したくない」場合には、画像のように間仕切りとなる扉を設置しない方法があります。クローゼットによくある折戸は、扉を開いた際の飛び出した部分が他の家具と干渉して使い方が限定されることがあるので、コンパクトな家では特に注意が必要です。
天井と壁を駆使して新たな収納スペース
限られた床面積の中で出来るだけ大きな収納スペースを確保するためには、天井と壁の工夫が必要不可欠です。
こちらの事例では、ダイニングキッチンの上部スペースにロフトを設置。天井を二重にして、縦方向に空間を有効活用しています。趣味のものや季節の家電、イベントアイテムなどを収納できます。
一方、こちらはパンチングボードを使用して壁を有効活用している事例です。
収納の使いやすさは、収納したいもののサイズと収納スペースの奥行きが適当であることがキーポイントとなります。
漫画、文庫本などの書籍なら、奥行きは13〜14cm、CD・DVDなら、15〜16cmあれば十分。壁面収納は、コンパクトな家の収納力を引き上げてくれる優秀なアイデアです。
まとめ
無駄を削ぎ落とし、限られた空間を最大限に活かした家は、環境や資源など様々な問題を抱えるこれからの時代に即した住まいの形と言えます。
収納が少ない、狭い、住みにくい。そんなイメージを抱かれやすい“コンパクトな家”ですが、間取りや収納を工夫し、ローコストで機能的な家を実現してみてはいかがでしょうか。
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