気になる湿気や臭いを取り除ける珪藻土。断熱性や吸水性も高いので、最近では内壁だけでなくバスマットなどでも使用している方が多いようです。
一方で、珪藻土にはカビが付きやすいというデメリットもあります。そこでこのコラムではカビが付く理由やカビを付着させない方法について紹介します。一読すれば、珪藻土の正しいお手入れ方法が分かるでしょう。珪藻土を使用している方はこのコラムを参考にしてください。
事例集ダウンロードはこちら
珪藻土の特徴
珪藻土とはダイアトマイトとも呼ばれており、珪藻と呼ばれる植物プランクトンの殻から作られています。珪藻が死滅すると海底や湖底に死骸が沈殿します。月日が経過すると珪藻の死骸が分解され、二酸化ケイ素を主成分とする殻だけが残ります。こうして堆積してできた珪藻の化石からなる岩石が珪藻土です。
珪藻土にカビが付く原因
珪藻土は湿度が高いときには湿気を吸い込み、乾燥しているときには湿気を吐き出すという調湿機能を持っています。水分を吸収できるので、壁だけではなく食器の水切りマットとして使用されている方もいると聞きます。
一方で部屋の湿度が高い状態のままだと、珪藻土が取り込んだ湿気が排出されません。珪藻土の内部に水分がたまるのでカビが生えやすくなるのです。カビは室温が20~30℃、湿度が60%以上の状態を好みます。湿度の高い部屋で珪藻土を使うときには、適度な空気の循環が必要でしょう。
汚れ付着が原因でカビが付くこともある
珪藻土バスマットとして利用している方は汚れにも注意しましょう。毎日のように使うバスマットには、足裏の皮脂やアカなどの汚れも付着したまま残ります。カビは汚れをエサにするので、気づいたときには繁殖してカビだらけといったケースもあります。
固める素材が影響を与える
珪藻土の内壁の場合は、固める素材が影響を与えることもあります。珪藻土自体には固める成分は含まれておらず、他の素材を加えて固めています。ボンドや粘土を使用している場合には、カビが生えやすくなるので注意が必要です。業者に依頼するときには、素材の内容を確認しましょう。
カビが人体に与える影響
カビ胞子は空気中を漂っていますが、放っておくとアレルギーや感染症を引き起こすおそれもあるので注意が必要です。
例えば、鼻の粘膜にカビが入ると排除するために鼻水やくしゃみなどの症状が出ます。 花粉症と同じような状態です。空気中にはアスペルギルスというカビがありますが、体内の中に取り込まれると気管支肺炎アスペルギルス症を引き起こす危険性もあり、咳、微熱、息切れなどの症状が出ることもあります。健康を守るためにもカビには十分に注意しましょう。
珪藻土に付着したカビの落とし方
珪藻土の汚れを落とすために石けんを使用する方もいますが、目詰まりを起こしてしまうので避けましょう。泡状の塩素系漂白剤がおすすめです。
カビがわずかに付着している場合は、タオルなどに塩素系漂白剤を塗布してから軽く拭きましょう。カビが全体的に付着しているときは直接吹きかけてから拭き取ります。珪藻土マットの汚れを落としたいときはつけ置き洗いもおすすめです。
サンドペーパーを使う
表面にカビが付着しているときは、サンドペーパーを使いましょう。はじめに消毒用アルコールを使用すると除菌効果もあります。乾いたらサンドペーパーを使って汚れを落としましょう。
サンドペーパーを使うと削りカスがたまるので、乾いたタオルを使って取り除きます。水を使って削りカスを落とそうとすると、表面に残ってしまうこともあるので避けましょう。
珪藻土にカビを付着させないための方法
珪藻土には調湿機能が備わっています。部屋に湿気がたまっているときには湿気を吸い込み、部屋が乾燥しているときは湿気を吐き出します。調湿機能を改善させるには、定期的な換気を心掛けましょう。
部屋を換気すれば、珪藻土に蓄えた湿気が部屋の外に逃げます。部屋に湿気がたまったときには、吸水しにくくなるのです。
除湿機を使う
部屋を定期的に換気したいものの、窓を開けたままにするのが難しい場合もあります。換気が難しい場合には除湿機を使用しましょう。仕事や買い物などで外出する時間を使って、除湿機で部屋の湿気を除去するのもおすすめです。
屋外に干す
珪藻土マットの場合は屋外に干すのも効果的です。速乾性があるので毎日する必要はありませんが、晴れた日などに干しておくと吸着力もアップするでしょう。ただし、天日干しをすると割れることもあります。日が当たらないように干しましょう。
除菌スプレーを使う
カビの発生を防ぐためには、毎日のちょっとしたお手入れを怠らないことがポイントとも言えます。除菌スプレーを定期的に吹きかけることでもカビの発生を抑えられるでしょう。除菌スプレーの代わりに除菌効果のある洗剤を使う方がいますが、目詰まりを起こすこともあります。避けた方がよいでしょう。
まとめ
珪藻土の表面には無数の穴があり、水分や汚れが付着するとカビが発生しやすくなります。定期的に換気をしたり除湿機を使ったりしてカビの発生を防ぎましょう。珪藻土にカビが付着したときは、塩素系漂白剤やサンドペーパーでの除去がおすすめです。石けんを使うと目詰まりを起こすおそれもあるので、できるだけ避けましょう。
事例集ダウンロードはこちら