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束石(つかいし)とは?役割や使い方をご説明します

束石(つかいし)とは?役割や使い方をご説明します

皆さんは束石の役割や使い方をご存じですか?「どこにあるの?」「どんな形をしているのかわからない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。束石は古い木造建築ではきわめて重要な役割を担っています。時には束石がうまく機能せず、トラブルになることも。

今ではウッドデッキで活躍の場を得ている束石。今回は束石の役割や使い方、束石にまつわるトラブルについて解説します。

縁の下の力持ち、束石の役割とは?

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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束石とは、1階床下で床束を支える部材のこと。基本的には木造建築の床下に、一定の間隔で配置されます。床束というのは床の重量を地面に伝える柱のことですが、木でできているために湿気に弱いといわれています。地面の水分を吸ってしまうと腐るリスクがあるのです。床束を直に地面に置くと、設置面積が狭く沈み込んでしまう可能性も。

これらの問題を解決するために活躍するのが、束石です。床束を束石に載せることで地面の水分から遠ざけ、さらに設置面積を広げることができます。

束石は石でできていたといわれていますが、今では石製のかわりにコンクリート製が主流となっています(DENHOME「束石とは?役割や実例で解説!」)。ただ、現在の新築では基礎工事の発展とともに使われる機会が減ったともいわれています。とはいえウッドデッキ等で使用されることもあり、活躍の機会は失っていません。

束石の使い方。最近はウッドデッキにお役立ち!

束石(つかいし)とは?役割や使い方をご説明します

最近ではウッドデッキに使用されることもある束石。ウッドデッキのDIY等で、使い方を知りたいという方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、束石の使い方の一例を紹介します。

1.置き場所に穴を掘る
束石を置くための穴を適度に掘ります。しっかり叩いたり砕石を敷いたりして、地盤を固める工程も必要な場合があります。

2.モルタルやコンクリートを流し込む
束石が沈まないように、モルタルやコンクリートを流し込んで補強する方法もあります。ある程度乾くまで待ちます。

3.束石を置く
いよいよ束石を置く段階ですが、ここで水平をしっかり取っておくとよいでしょう。ウッドデッキ等を作る場合、この段階でしっかり水平に設置できるかが重要とされています。ゴムハンマー等で叩いて傾きを微調整する方法がありますが、入念なチェックのために水平器の使用が推奨されています。

「具体的に束石がいくつ必要か」「配置間隔がどの程度か」は作るものや大きさによって異なります。地盤や載せる床束の具合によって、束石そのものの種類を変える可能性も考えられます。

では、束石にはどのような種類があるのでしょうか。次は束石の種類を紹介します。

束石の種類と特徴をご紹介

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束石には様々な種類があり、それぞれ特徴も異なります。

羽子板付束石
羽子板付束石は、ブロック上の束石の上部にプレートが付いたもの。床束を載せたときにビス等で固定することができます。この羽子板がついていないタイプの束石の場合、基本的に床束や柱を直接固定することはできず、柱の上からの重さによって固定力を得ることになります。

ピンコロ
コンクリート製の四角いブロックをピンコロと呼ぶことがあります。本来は束石のためだけの物ではないのですが、束石としても利用可能とされています。

コンクリートブロック
多目的に使われるコンクリ―トブロックも、束石として使用することができるといわれています。コスト重視の側面がありますが、穴にモルタルを入れることで強度は増すとされています。

平板
平板はコンクリートでできた平らな板です。設置面積が広く、柔らかい地盤にも沈みにくいという特徴があります。

穴あきの束石
床束などの柱を穴にはめて固定できるというもの。ただし水が穴に溜まってしまうと、柱の腐食に繋がるリスクがあります。これを解消するために、水が抜けるための穴が空いているものがあります。

高さのある束石は地面の水分を遠ざけるため床束の腐食防止に役立ち、幅広いものは沈み込み防止に役立ちます。地盤の性質によって使い分けるとよいでしょう。

束石のトラブルに気を付けましょう

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束石にまつわるトラブルの例を2つ紹介します。

束石が崩れてしまった
コンクリート製の束石は強い酸性の土壌の場合、崩れてしまうことがあります。束石の交換で対処することもできますが、このような土壌の場合、床下全面に防湿シートを敷くことがより根本的な解決方法とされています。束石に防水コーティングを施す対処法もあります。

床を踏んだときに床鳴りがする
束石が沈んでしまった場合、床束が浮く形となり床がギシギシ鳴る原因に。木製の床束では乾燥に伴う収縮でもスキマができてしまい、床鳴りを起こすことがあります。床束が浮いている場合には、床束の交換やスキマに木材を挟んで固定するなどして対処しましょう。

まとめ

今では家の基礎に束石が使用されているケースは少ないといわれますが、古い木造の家などで床のトラブルが起きた際には束石の知識が役に立つかもしれません。

ウッドデッキのDIYをする場合にも、束石の種類や特徴を知っておくと選択の幅が広がり、理想のウッドデッキに近付けることができるでしょう。