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団地の浴室リフォーム・リノベーションを行う際の注意点

団地のリフォーム・リノベーションは環境や立地面からメリットが大きくとても人気があります。団地リノベで気になるポイントの一つとしてよくあがるのが、浴室ではないでしょうか。

団地ならではの注意すべき点がありますが、事前に知っておけば、納得度の高いプランを作ったり、思い描いた施工をスムーズに行ったりすることができるでしょう。

今回はそんな団地での浴室のリフォーム・リノベーションについて、注意すべき点をまとめましたので、参考にしていただければと思います。

団地の浴室をリフォーム・リノベーションをする目安

 団地の浴室をリフォーム・リノベーションを検討し始める時期や目安はいつなのでしょうか。特定の場所の劣化具合を観察することである程度、見込みを立てることが可能です。

とはいえ、日常のメンテナンス頻度や、浴槽の材質等によって状況は左右されるので、一概に、「〇年目だからそろそろ検討すべき/まだ大丈夫」と考えるのは避けた方が良いでしょう。

タイミング1 劣化

リフォームのきっかけとして多くあるのが、劣化に伴う改修工事です。代表的なものを3つご紹介します。以下のような劣化が見えたらリフォームを視野に入れるタイミングと言えるでしょう。

  1. ヒビや破損
    浴槽にヒビや破損が見られる場合です。分かりやすく目視で発見できるので、工事を検討するきっかけになることが多いです。

    ヒビや破損は放置しておくと水漏れの原因になるため、早急にリフォーム・リノベーションを検討すべきでしょう。

  2. コーティングのはがれ
    浴槽のコーティングがはがれてきている場合です。

    はがれたままにしておくと傷や汚れが大きくなり、いずれ破損へとつながる危険性が高まります。また、不衛生な状態となりやすいですから、改修工事を検討すべき目安と言えるでしょう。

  3. 悪臭
    排水溝からの悪臭が強くなってきた場合も、リフォーム・リノベーションを意識し始める良い頃合いです。

    排水パイプの耐用年数は材質や施工状況によって20年~40年と幅がありますが、悪臭がするということは、パイプもしくはその周辺部材の劣化や破損の可能性があります。

    耐用年数にかかわらず、放っておくと悪化していくこともありますから、できるだけ早く対応した方が良いでしょう。

他にも、タイルにこびり付いたカビが落ちにくくなってきている場合や、給湯器関係の不調・故障など、浴槽以外の劣化も、浴室リフォームを検討する目安となり得ます。

タイミング2 デザイン

浴室のデザインを根本的に変えたいなら、リフォームよりも一歩踏み込んで、リノベーションを検討しましょう。

団地の浴槽はレトロで趣があります。そのデザインを大切にして補修をするか、新しいデザインにするかは好みが分かれるところですが、新しいデザインの浴槽、浴室で生活したいのであればリノベーションのタイミングと言えるでしょう。

タイミング3 性能・機能

性能・機能を復旧・刷新したい場合も、リフォーム・リノベーションのタイミングとなります。

例えば、出産や子供の成長、家族の介護やワークスタイルなど、ライフスタイルや家族構成に変化があるタイミングは、暮らしやすい住まいを考えるタイミングでもあります。もとの団地の浴室が新しい生活にフィットしない場合は、リフォーム・リノベーションを検討するタイミングと言えるでしょう。

浴槽の深さや形状を変える、浴室のドアの形状を変える、段差を解消する、手摺やベンチを設置する等の施工が必要になるかもしれません。

 団地の浴室のリフォーム・リノベーションでの注意点

団地の浴室のリフォーム・リノベーションで具体的に注意すべきところはいくつかありますが、団地ならではのポイントを見てみましょう。

古いタイプの在来浴室

団地は築年数が古いものも多く流通していますので、使われている浴槽や給湯器も当然古い年代のものであることが多くあります。

例えば、浴槽だけを取り換える場合、現在の浴槽の規格と合わないこともあります。ユニットバスのように、規格が決まっていて一定の広さが必要になる浴槽に交換しようとしても、浴室の広さや形状のために設置が難しい場合があります。

また、給湯器も浴槽の横に設置するバランス釜タイプのものが主流です。据置型や壁掛け、またはパイプシャフト内設置の給湯器を新たに設置したくても、間取りや取り付け場所によっては設置できない事例も多くあるため、注意が必要です。

事前に必要な届け出と準備

団地で工事を行う際は事前の届け出や準備が必要です。県営住宅や市営住宅など、運営母体によって届け出先は変わりますが、総じて役所への届け出が必要であると覚えておきましょう。

また、分譲の場合でも管理規約の定めによって、事前に管理会社への連絡を行い、リフォーム・リノベーションの許可を得る必要があります。

特に、浴室を広くしたいといった工事内容の場合は、構造上の理由や建物全体の強度が落ちるなどの理由で認められない場合もあることは知っておいた方がよいでしょう。

リフォーム・リノベーションで優先すべきポイント

予算や工期などを確保するのが難しい場合など、一度に全体を工事できないなら、特定の場所に絞って部分的にリフォーム・リノベーションを行うのも選択肢の一つです。

例えば、給湯器関係の施工で、バランス釜から人気のエコジョーズ給湯器への変更が間取りなどのために難しいのであれば、バランス釜でもより高機能な最新型へ変更するよう方針を変えることで状況の改善になるかもしれません。

浴槽が破損し浴室全体も汚れが気になる場合は、浴槽の交換を優先し、浴室全体の汚れはハウスクリーニングなどの専門業者に依頼して改善することもできるでしょう。

目的を見失わずに何を優先するかを決めておくことで大きな失敗を避けることに繋がります。団地リフォーム・リノベーションに強い工事店も多くありますので、そういった専門業者に実情を話して相談し、助言を受けるのも良い方法だと言えるでしょう。

まとめ

団地の浴室は一般住宅と違って、独特な注意点があることはご理解いただけたでしょうか。間取りや配管、設備などで制限となる部分もありますが、実現したいライフスタイルを見失わず、工務店など専門家と相談しながら納得できるプランを目指しましょう。

リフォーム・リノベーションで日々の生活を充実させることはとても素晴らしいことです。失敗の無いように事前の下調べや詳細の検討をオススメします。


ライター紹介

 
COLUMBOU(COLUMBOX)

長く住宅不動産業界にいた経歴と宅建士の資格を活かして、住まいやインテリアに関する情報も発信しています。またwebデザイナー兼ライターをやりながら、ハンドメイド作家としてアンティーク木箱や木工雑貨の製作も行っています。