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マンションリノベーションで気を付けたい、子ども部屋でよくある失敗

子育て世代にとって、リノベーションで子ども部屋をどうするかは、大きな関心事の一つ。お子さんの成長に合わせて子ども部屋に求められるものも変わっていくところが、子ども部屋リノベーションの難しいところでもあります。

今回は、特にマンションのリノベーションでありがちな子ども部屋の失敗例をみながら、子ども部屋のリノベーションで気を付けたいポイントを解説していきます。

子ども部屋でよくある失敗|壁や天井のクロス

子ども部屋の壁や天井を、かわいらしくしすぎたかも、という失敗です。

マンションに限ったことではないのですが、子ども部屋の内装を決める時、壁や天井のクロスや仕上げについて、その時のお子さんの年齢や好みに合わせてしまった例をよく見かけます。子どもの成長は意外と早いもので、好みや部屋の使い方はどんどん変わってきますから、クロスの雰囲気が合わなくなってきてしまうこも多いのです。

当初のクロスが嫌になったなら、貼り替えたり壁を塗装したりすることはできますし、DIYでも挑戦できます。子どもの成長に合わせて部屋の模様替えをしていくというスタイルも楽しいかもしれませんが、クロスの貼り替えや壁の塗装は慣れていなければなかなかの大仕事ですし、費用も時間もかかるものです。

リノベーションした部屋を長く使っていくつもりなら、壁や天井の仕上げはシンプルな色や柄のクロスにしておくのが無難でよいでしょう。子供らしさをあまり強調しないもので、成長しても違和感なく使っていけるかどうか、想像しながら選んでみてください。造作の収納などのデザインにも同じことが言えそうです。

もしシンプルなクロスだけでは物足りないかな、と感じるなら、貼って剥がせるウォールシールやリメイクシートなどを使ってデコレーションするという方法もあります。壁そのものは手を加えないで済むうえ、デザインも豊富ですから、その時々のお子さんに合わせた装飾を手軽に楽しむこともできます。

また、子ども部屋の壁内装で一度は検討しておきたいものとして、珪藻土や漆喰、機能性壁紙などが挙げられます。アレルギー物質や臭いの元になる細菌を吸着する効果やお部屋の湿度を調節する効果があるとされています。一般的なビニルのクロスと比べると費用は増えてしまいますが、後から単独で施工するよりはリノベーションのタイミングのほうが、トータルの費用も抑えることができます。

子ども部屋でよくある失敗|床の防音

子ども部屋の床に、防音対策をしておけばよかった、という失敗です。

走り回ったり、飛び跳ねたり、じゃれあったり。育ち盛りの子供たちは家の中でも元気に動きますよね。しかし、マンションでは、走り回る足音や重たいものを落としたときの音など、階下へ伝わる音や衝撃が迷惑になっていないかと、気になってドキドキすることもあるのではないでしょうか。

近所の人の迷惑になるからやめようね、と話しても、小さいお子さんには難しい時期もあるでしょう。足触りの良い無垢材のフローリングにしたのに、階下への騒音を気にしてカーペットやマットを上から敷くようになってしまっては、せっかくの無垢材の良さも味わえませんね。

小さいお子さんとマンションで暮らすなら、子ども部屋やリビングの床は、防音対策をしておくと安心です。床材の張り替えを伴うリノベーションでは、床材をはがすので、フローリング材などの下に振動を伝わりにくくするマットや吸音材を詰めるなど、防音対策することができます。

そもそも、マンションでは、管理規約によってリノベーションで使用できる床材が指定されていることもあります。カーペットしか使えない、遮音等級が規定以上の床材しか使えない、という指定になっていることもありますから、リノベーション前に確認しておきましょう。

近隣への音漏れが心配なら、リノベーションの機会に、床だけでなく、窓や壁も遮音性の高い建材を取り入れておくとより安心でしょう。窓は共有部分としてリノベーションが制限されることもありますが、内窓を付けるなどすれば、防音効果を高める方法はありますので、専門家に相談してみてください。

・参考:「DIY?プロに任せる?マンション床の防音いろいろ」

子ども部屋でよくある失敗|窓が無い?

子ども部屋に窓が無くて、薄暗く風通しの良くない部屋になってしまった、という失敗です。

特に、気を付けたいのは、将来的に空間を仕切って子ども部屋を作ろうと考えている場合です。リビングを区切って子ども部屋をつくったり、一つのスペースを区切って二人以上のお子さんにそれぞれの個室を用意したり、といった間取りの変更をしたとき、窓のない部屋ができてしまうこともあるのです。

マンションでは、外壁に手を加えることができませんので、窓を増やしたり大きくしたりすることができません。また、床面積を広げられないので部屋数を増やすには、間仕切りの壁を増やして対応します。窓のある位置に子ども部屋を作れるよう、間取り設計は慎重に行いましょう。

とはいえ、どうしても窓のない部屋ができてしまうこともあります。そういう時には、室内窓がおすすめです。窓のある部屋とつながる室内窓なら、通風はもちろん、日中は外の明るさを取り入れることもできます。

将来、子どもが成長したときに部屋を分けるつもりなら、窓の他にも、コンセントやエアコン、照明、扉なども部屋の配置に合わせて用意しておくことを忘れないようにしましょう。

・参考:「こんな間取りは失敗のもと、リフォームだから要注意」

子ども部屋は将来を見据えて柔軟に

他の部屋と違って、子ども部屋は、子供の成長に合わせて使い方が変わっていくという特徴があります。間取りや内装や家具などは、フレキシブルに変えていけるようなプランがおすすめです。

また、子ども部屋が必要な期間は限定されています。お子さんが成長して巣立った後、子ども部屋スペースををどうするのかも、リノベーションプランを作る時に考えておきたいところ。書斎や趣味の部屋に転用する、仕切りを取り払って広い空間を作る、などいくつかの可能性が浮かぶかもしれません。

柔軟さを求めるなら基本はシンプルにしておくのがベターではありますが、一方で、今のお子さんの好きなものを取り入れた子ども部屋づくりをするのも悪いことではありません。かわいい子供時代は短いですが貴重な時間とも言えます。親子一緒に壁紙や家具を選んだりするのも、親子のコミュニケーションが深まり、大きくなってからいい思い出になりそうですね。

まとめ

子ども部屋は、お子さんの成長にともなって使い方やしつらえ方が変わって行くものだという心構えがあれば、子ども部屋リノベーションの失敗や後悔を回避しやすくなるでしょう。マンションのリノベーションでは制約がかかる場面もありますが、この記事で紹介したポイントなどを踏まえて、将来的に子ども部屋を快適に使っていけるよう、準備しておけると安心ですね。

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