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キッチンリノベーションは機能性が大切〜機能的なキッチン5例

毎日使う場所であるキッチンが使いやすいと、生活の質も高まるもの。時代の変化に応じてキッチンの理想の姿は変わってきており、築古物件だとリノベーションしたいと感じる人も多いのではないでしょうか。今回はキッチンリノベーションのポイントを軽く解説した上で、機能性の面から参考にしたい事例を5つご紹介していきます。

キッチンは動線と収納スペースが命

キッチンリノベーションを考える上でのポイントは大きく2つ、「動線」と「収納スペース」。それぞれどのような点に気をつけるべきなのか、順番に見ていきましょう。

動線は「ワークトライアングル」を意識しよう

キッチンの動線で大切とされるのが「ワークトライアングル」。ワークトライアングルとは、キッチンの中でもコンロ・シンク・冷蔵庫を結ぶ三角形の動線のことを言います。料理をする時は、食材を冷蔵庫から取り出す・コンロで調理する・シンクで片付けるという3つの動作を並行して行いますよね。そのため、この3つが遠すぎると作業がしにくいのです。

一般的にワークトライアングルは3.6m〜6m程度に収まっているのがいいとされ、形状は正三角形に近いのが理想的と言われます。遠いと使いにくいというのはわかりやすいですが、近すぎても使いにくいという点は要注意。ワークトライアングルが小さすぎると、作業スペース不足で逆に効率が悪くなってしまいます。

・参考:ホームズ「ワークトライアングル」

物が増えがちなキッチンには十分な収納スペースを

キッチンリノベーションでもう1つ意識したいのが、十分な収納スペースを確保すること。キッチンは食材ストックや食器、電子レンジや炊飯器といった家電を収納する必要があり、スペース不足で雑多になりがちです。

システムキッチンだと上部やコンロ・シンクの下に収納棚が設けられている場合がほとんどですが、これだけだと家族全員の食器や食材ストックを置くには不十分だと感じる人も多いでしょう。調理家電用のスペースを作るために後付けのラックや食器棚を置こうとするとキッチンの通路が狭くなってしまい、動線が悪くなりかねません。

こうした事態を防ぐためには、リノベーションで収納スペースを増やすのが効果的。キッチンの背後に備え付けの収納棚を設置したり、食品ストック用のパントリーを設けたりする家もあります。また、ゴミ箱の収納スペースも忘れずに考えておきたいところですね。

事例1:視界良好で子どもを見守れるキッチン

キッチンリノベーションのポイントを確認してきましたが、ここからはリノベーションによって機能性をアップしたキッチンの事例をご紹介していきましょう。

最初にご紹介するキッチンは、リビングダイニングと一体化した開放感が特徴的なこちらです。以前は壁で囲まれた独立キッチンだったのですが、リノベーションによってオープンキッチンに生まれ変わりました。かつては独立キッチンが一般的だったものの、近年は家族とのコミュニケーションを重視する傾向からオープンキッチンの人気が高まっています。

上の画像のようにコンロの背後に冷蔵庫が置けるようになっており、調理中の動線はしっかりと確保。反対側の壁一面に収納スペースが設置されていて、大きな作業台もあります。これなら夫婦や親子で一緒に調理をしても、ストレスなく作業できそうですね。

事例2:動線が交錯しないL型キッチン

2つ目の事例は、L型キッチンと呼ばれる形状が特徴的です。L型キッチンとは、その名の通りL字型のカウンターを持つキッチンのこと。画像のようにシンクとコンロを直角に設置し、広い作業スペースを確保できるのがメリットです。動線も短くなるため、ワークトライアングルが小さくなって効率的なのも嬉しいですね。

ただし、L型キッチンは広いキッチンスペースを必要とする他、L字の角部分がデッドスペースになってしまうというのが難点。面積的に余裕がある場合の選択肢と考えた方がいいでしょう。

事例3:収納力抜群のキッチン

3つ目のキッチンの特徴は、何と言っても収納スペースの多さ。画像を見れば一目瞭然ですが、キッチンを囲む三方の壁すべてに大容量の備え付け収納が設置されています。画像左手のカウンター部分にはコンセントが2箇所設置されているので、冷蔵庫・炊飯器・電子レンジ・ミキサーといった調理家電もストレスなく使用可能。

動線に注目すると、シンクの真後ろに冷蔵庫があります。冷蔵庫から取り出した野菜などをシンクで洗って、そのままカットして調理する、という一連の流れがスムーズにできる設計です。

事例4:オリジナルキッチンカウンターは使い勝手良し

築古物件ではキッチンが壁付になっていることも多いですが、構造上水回りの位置は変更が難しい場合もありますよね。そういった時の解決策として有効なのが、こちらのキッチンのようにオリジナルのキッチンカウンターを設置するという方法。

画像の左側にあるオリジナルカウンターは作業スペースとして使えるだけでなく、コンセント完備なので電子レンジ・炊飯器置き場としても活用できます。コンロ側は棚になっていて、パントリースペースとしても重宝しますね。

キッチンの配置は従来のままなので、冷蔵庫はシンクの隣にあります。コンロ・シンク・冷蔵庫の順に一直線に並んでいるためワークトライアングルの理論には当てはまりませんが、右側の作業スペースを上手に活用すれば動線問題もあまり気になりません。

事例5:収納スペース直結のキッチン

食材ストックがたくさんあるけれど、パントリースペースを設けるのは難しいという人もいるのではないでしょうか。キッチンのスペースに限界があるなら、隣接する部屋をキッチンの収納として兼用するという方法もあります。

最後にご紹介するキッチンは、画像のようにキッチンと隣の物置部屋がつながっているのが特徴。オープンキッチンだとシンク・コンロの上部が使えないため収納スペースが不足しがちですが、これなら問題なくストックをしまっておくことができます。

まとめ

キッチンのリノベーションを検討する上でのポイントは、動線と収納スペースだとご紹介しました。5つの事例を見比べると、理想的な動線や収納スペースの量は生活する人のライフスタイルによって大きく違うということがわかります。今回解説した内容を基本としつつ、自身のライフスタイルにマッチしたキッチンリノベーションを計画するといいでしょう。