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食材ストックに便利なパントリー!事例に学ぶ間取りのポイント

新型コロナ感染拡大の影響で在宅時間が長くなり、家で食事を採ることも増えている昨今。外出自粛で買い物回数も減らすことが推奨されており、増えた食材ストックの保管場所に困っている人も多いのではないでしょうか。こうした事態を解決してくれるのが、食料を保管しておくパントリーです。

この記事では、リノベーションでも人気のパントリーとはどういった設備なのか解説。パントリーを導入したリノベーション事例を元に、間取りのポイントもご紹介していきます。

そもそもパントリーとは?

パントリー(pantry)とは、英語で食料貯蔵室を意味する言葉。ホテルや飛行機の食材保管庫を指す言葉として広く用いられますが、欧米の住宅では一般的に見られる設備です。狭い日本の家では、キッチンの床下収納が同じような役割を担ってきましたが、最近では独立した収納スペースとして設置する事例も増えています。

パントリーを設けるメリットとしては、主に次の3点が挙げられます。

  1. たくさん買い溜めしても余裕を持って収納できる
  2. 停電や地震など緊急事態に向けて食材をストックできる
  3. キッチンをスッキリさせることができる

食材、食器、調理家電といったさまざまな物を扱うキッチンは、どうしても収納が不足しがちです。パントリーがあれば、これらの物を外から見えないように保管しておくことが可能。キッチン周りをスッキリ見せられるというのは大きな魅力と言えるでしょう。

省スペースで手軽な壁付タイプのパントリー

食材ストックの保管庫として優秀なパントリーですが、普段の生活動線やライフスタイルに合わせて適切な間取りを考える必要があります。ここからは、実際の事例を元に間取りのポイントを解説していきます。

さまざまな種類があるパントリーの内、もっとも省スペースで実現できるのが壁付タイプのパントリー。画像右側に見えるように、食材や調理家電専用のクローゼットといったイメージです。扉を付けておけば、雑多な食材ストックや調理家電を目隠しすることもできますね。

この事例では上の図面の通り、キッチンと洗面所をつなぐ場所にパントリーを配置しています。買い物から帰宅→洗面所で手を洗う→パントリーや冷蔵庫に食品をしまう、という生活動線を意識した実用的な配置なのです。小さなスペースだとしても、動線を考慮した配置にすることで使い勝手のいいパントリーになります。

収納力の高さが魅力のウォークインタイプ

家庭用のパントリーとして一般的なのが、キッチンの隅に設けられたウォークインタイプのパントリーです。キッチンに隣接しているので、必要な時にすぐ食材を取り出すことができます。1つ目にご紹介した壁付タイプよりも広いスペースを必要とする分、収納力が高いのは大きな魅力。

こちらの事例では、壁付キッチンの脇にウォークインタイプのパントリーが設置されています。キッチンカウンターがないので、玄関から廊下を通って直接パントリーに入れるのが間取りのポイント。重い食材を持って帰ってきても、比較的ストレスなくパントリーに収納することができます。

ウォークインタイプのパントリーを配置する上で気をつけたいのが、玄関からの動線です。今回の事例のような壁付キッチンや、玄関側に入口のあるキッチンであれば特に問題ありません。一方、玄関と反対側に入口があるキッチンの場合、玄関から入ってくる時にカウンターの周りを迂回してパントリーに入らなければならず、動線に無駄が生じてしまう可能性があります。

動線もしっかり確保したいならウォークスルータイプ

 
 
 
 
 
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動線を優先するなら、ウォークスルータイプのパントリーがおすすめ。最後にご紹介するこちらの事例では、キッチンと洗面台の間に当たる部分にウォークスルータイプのパントリーを設置しています。玄関からも一直線の位置なので、買い物から帰ってきたら最短距離で重い食材をパントリーに収納できるという便利さが魅力です。

ただし、スペースの中央に通路を設ける必要があるので収納スペースが減ってしまう点、通路分の広いスペースを必要とする点には要注意。パントリーに充てられる面積・必要な収納量・動線計画という3つのバランスを考慮して検討する必要があるでしょう。また、何より配置が重要なので、マンションの構造上配置に制約がかかる場合は検討が難しいかもしれません。

まとめ

パントリー=食材保管庫ではありますが、実際にはクローゼットと同じように多用途な収納スペースでもあります。キッチンで使う物であれば食材ストックに限らず、調理家電・掃除用具・食器など保管場所に困る物全般の収納スペースとして活用できます。

今回ご紹介した間取りのポイントを踏まえ、効率のいい場所にパントリーを設置することで、家全体の収納環境を向上できる可能性があるのです。