
 こんにちは。現場監督ライターのクマです。
 
 幼い頃、近所の家づくりの現場によく見に行っていました。今ほど規制が厳しくない時代だったので、かなり近くで見ることができたと思います。左官屋さんがモルタルを手早く外壁に塗りつけていたのがとても印象的でした。
 
 今は手軽にモルタルを使ってDIYができます。ホームセンターに行けばすぐに材料が手に入り、DIY雑誌でもモルタルの特集が組まれたりしますね。
 
 今回はモルタルを使ったDIYにチャレンジしたい人に向けて、モルタルの使い方、選び方、必要な道具をご紹介します。同じモルタルでも、使う場所によって、適した種類や便利な道具があります。
 
 DIYに挑戦する前に一読してみてください。
  
DIYでモルタルを使う場所とモルタルの選び方

 ひと口にモルタルと言っても、配合や混ぜる原料を調整することで特徴を出し、使い勝手を良くする工夫が施されています。DIYでモルタルを使う場合、使う場所によって適したモルタルの種類が変わってきます。
 
 まずはDIYでモルタルをよく使う場所と、目的に合わせたモルタルの選び方を見ていきましょう。
 
 
 モルタル造形にはギルトセメント
 
 最近、モルタルをつかって装飾的な小物を作るモルタル造形が流行しています。小さな植木鉢やお皿、造形作品などを卓上で作ることができます。
 
 モルタル造形に適しているのがギルトセメントです。粘り気があって形を作りやすく、乾いてもひび割れが極端に少ないのが特徴です。セメント系の材料は、衝撃で割れやすいのが特徴ですが、ギルドセメントは割れにくい工夫がしてあります。
 
 ギルトセメントを外部に使って、独特のアンティーク感を出す工夫もできます。
 
 参考:ギルトバンク「ギルトセメント」
  
 
 レンガ・ブロック積みは1:3の普通モルタル
 
 レンガやブロック積みはDIYの基本ですね。レンガやブロック積みには普通モルタルが適しています。
 これは、セメント1に対して砂を3の割合で混ぜて作られるモルタルです。水を0.5の割合で混ぜます。
  
 
 ブロックの欠け・コンクリートの欠けには補修用モルタル
 
 ブロックのカケや補修には補修用モルタルが使い勝手が良く便利です。粘り気があってブロックや土間コンクリートなどのセメント材料によくくっつきます。強度も十分にあります。
 
 補修用モルタルは混ぜた状態で販売されていて、水を加えて練るだけで使えます。完全に固まる前に削るなどして形を整えることができます。
 
 参考:株式会社ホーシン「補修用モルタル エレホン#45 」
 
 
 ピザ窯や焚き火台を作るならは耐火モルタルが必須
 
 DIYでピザ窯や焚き火台を作るのが流行っています。アウトドアで使える製品はDIYをする人にとって一つの目標ですね。
 
 火を扱う場所は、必ず耐火レンガとレンガ目地に耐火モルタルを使います。普通のモルタルは火で熱せられるとすぐにボロボロになってしまいます。モルタルが崩れると製作物全体の強度もなくなるので、ビザ窯や焚き火台は耐火モルタルを使って組み上げてください。
 
 参考:トーヨーマテラン株式会社「耐火モルタル」
  
モルタルをDIYで上手に扱う
DIYでモルタルを使ってみようと思ったら、モルタルの特徴や扱い方についても知っておくと、準備や作業がスムーズに進められるでしょう。
 
 
 モルタルの特徴
 
 モルタルは水とセメント、砂を混ぜて作ります。柔らかい粘土のような硬さに練った材料を、色々な形の型に流し込んで使います。固まると大変硬く、水に強く、丈夫な材料です。
 
 主な材料のセメントと砂はホームセンターで手軽に手に入ります。DIYで使いやすく、チャレンジしやすい材料です。
 
 
 モルタルの作り方
 
 モルタルの基本的な配合は砂6、セメント2、水1の割合です。混ぜ合わせるとモルタルの完成です。材料の比率は重量比ですが、DIYで少量作る場合は、手軽に計量カップで測って作ることをオススメします。重量ではありませんが、計量カップで測る場合も砂6、セメント2、水1の割合としてください。
 
 作り方のポイントは、砂とセメントを混ぜた後に、水は少しずつ入れて様子を見ることです。
 
 
 少量だけ使いたいとき
 
 DIYでごく少量使いたい場合はインスタントモルタルを使う手もあります。砂とセメントが混ぜ合わされた状態で販売されていて、水を入れて混ぜるとモルタルが出来上がります。
 
 
 余ったモルタルは小分けしてゴミとして捨てる
 
 余ったモルタルは、水を加えていないなら密閉した容器で保存します。湿気で固まってしまうので、プラスティック容器などで保管しておきます。
 
 水を加えて練ったものは固めてから捨てます。大きなものは回収してくれない可能性もあるので、1Lの牛乳パック半分程度の大きさに分けて固めます。ゴミとして出す時は、市町村でゴミの処分方法を確認し、守るようにしましょう。
  
モルタルDIYに挑戦するための道具

 
 モルタルのDIYに挑戦するために必要な道具をご紹介します。モルタルを何に使うのかによって道具も少しずつ違います。
 
 
 DIYで準備する基本道具
 
 ●10L程度のバケツ
 材料をかき混ぜてモルタルを作るのに使います。小さすぎるとかき混ぜるのに不便なので、ある程度大きいものを準備します。目安は、作るモルタルの3倍の容量が入るものです。
 
 ●1L程度が測れる計量カップ
 材料を測るのに使います。取手付きのものが便利です。
 
 ●1kgが測れる秤
 材料を測るのに使います。計量カップと合わせて使います。
 
 ●園芸で使う移植コテ
 材料をかき混ぜるのに使います。
 
 ●軍手
 モルタルを扱う時に必要です。モルタルの材料であるセメントが手につくと手荒れや化学火傷の原因になるので、必ず準備します。
 
 ●タワシ
 使った道具を洗うのに必要になります。
 
 ●その他、目的に応じて必要なもの
 コテや型枠材は必要に応じて準備します。
  
まとめ
モルタルは強度・耐久性・耐水性に優れた材料です。使う場所に合ったモルタルを選べば、扱いやすく、見た目よく仕上がります。
 
 モルタルを何に使うかはあなた次第。モルタルはDIYer上級への登竜門です。基本の知識を身に付けたら、実際の作業にもチャレンジしてみてください。
  
 
 


