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無垢フローリング・床材の特徴|【建材の基礎知識】

無垢フローリング・床材の特徴|【建材の基礎知識】

「無垢フローリング」といえば自然素材の床材としてとても人気があります。ですが、実は無垢フローリングにはいくつかの特徴や注意点があることをご存知でしたでしょうか。

ここでは、無垢フローリングを使った家づくりや、DIYで無垢フローリング張りをしようとお考えの方の参考になるように、無垢フローリングの基本的な知識から、それぞれの特徴やメンテナンス方法などについて確認しておきましょう。

無垢フローリングとはどんなもの?

無垢フローリング・床材の特徴|【建材の基礎知識】 無垢フローリング・床材の特徴|【建材の基礎知識】

木材を使ったフローリングには、大きく分けて2つあります。1つ目は、今回ご紹介する無垢フローリング。そしてもう一つは、スライスや鋸挽きした板材(紙のように薄いものを含む)を重ね合わせた複層フローリングになります。

無垢フローリングとは、原木(切り出したままの木)接着剤などを使わず、そのままフローリング用に切り出したものなので、木の本来のぬくもりや優しをそのまま感じることができることが特徴です。また、複層フローリングとは複数枚で構成されるものを指すのに対し、無垢フローリングは単層フローリングと呼ばれることがあります。

無垢フローリングは定期的にきちんと手入れをすることで質感や色味などの風合いが年々変わるため、趣も深く長い間その空間を楽しむことができます。その一方で、複層フローリングは出来上がった時が一番良い状態であとは時間の経過とともに劣化してしまうとされています。無垢フローリングの「経年変化」は、経年による劣化ではないことが大きなポイントといえるでしょう。

無垢フローリングの特徴

無垢フローリング・床材の特徴|【建材の基礎知識】

無垢フローリングと複合フローリングはそれぞれが持つ特徴が異なるため、どちらが優れているとは一概に言えません。無垢フローリングのメリットとデメリットをしっかり押さえて、お好みのフローリングを実現しましょう。

無垢フローリングのメリットとデメリット

■メリット

(1)調湿機能がある

もともと木には湿気や水分を吸収や排出する「調湿機能」というものがあり、複合フローリングと比べて、無垢フローリングはより効果がより高いと言われています。そのため、夏の湿気によるベタつきや、冬のひんやりとした冷たさを感じにくいという特徴を持っています。

(2)メンテナンス性が高い

複層フローリングの場合、傷や剥がれなどがおきた場合、部分補修はできませんが、無垢フローリングであれば万が一傷をつけてしまった場合でも、一枚の板から出来ているため削って補修することができます。

(3)化学物質を使用していない

複層フローリングは、複数枚の木の板に接着材をして製材するため、無垢フローリングと比べると化学物質を多く使用されています。それに比べ無垢フローリングは原木からそのまま切り出した木そのものを使っているので、化学物質は使用しておらず、質感や肌触りなどもナチュラルです。さらに経年変化による味わいも楽しめるため、複数フローリングのように経年劣化はあまり感じないのもメリットの一つです。

デメリット

(1)素材の見た目や形に多少のばらつきがある

無垢材は自然の素材のため、どうしても節や色味などの素材のばらつきや反りなどがあり、複層素材と比べ統一感はありません。ただし、このような素材のばらつきはむしろ「自然素材ならではの味わい」と捉えられることが多く一概にデメリットとも言い切れない部分ではあります。

(2)膨張や収縮をすることがあり、隙間や反りができる可能性がある

無垢材のメリットとして調湿機能を挙げましたが、それは水分を吸放出する機能があるということで残念ながらそのことが無垢材の膨張や収縮に繋がってしまいます。また、それによってフローリングに隙間や反りが生じることがあるため、この点については無垢材のデメリットと言えるでしょう。しかし施工する際にさまざまな対処をすることで、それらのトラブルを最小限に抑えることが可能です。

例えば木材の含水率が30%を越すと収縮しやすくなると言われていることから、平衡含水率を10~14%に保つことで膨張を防いだり、膨張や収縮を考慮して予め名刺1枚分の隙間を設けて施工したりするような対処方法があります。

無垢フローリングの仕上げ方法とメンテナンス

無垢フローリング・床材の特徴|【建材の基礎知識】
木材の仕上げには、ウレタン塗装をはじめとするコーティング系塗料とオイルやワックスの浸透性塗料に大きく分けられます。樹種との相性や仕上がり感など選ぶ上で知っておきたいことをここでご紹介します。
 
・オイル塗装
オイル塗装は、仕上がり感がしっとりと濡れ色な仕上がりになります。ワックスとは違い塗膜を作らないため、木目がはっきりと浮かび上がり、木の表情が活きる塗装で、木材本来の色味を引き出してくれます。また、オイル塗装は木の表面に植物油を薄く塗りこむ塗装のため、手触りが木のそのままなのも嬉しい特徴です。

オイル塗装の場合、無垢材そのものが呼吸をするかのように自然と部屋の調湿をします。ただし、塗膜を作らないため急激に乾燥するようなことがあると割れや反りが発生することもあります。

日常的なお手入れ方法としては「乾拭き」です。明らかに汚れてしまった場合でも、ほとんどの汚れはすぐに拭き取れば問題ありせんが、油汚れなど放置してしまうとしみや汚れになることがあるため早めに拭き取るようにしましょう。また、数年に一度はメンテナンスとしてオイルの塗り足しが必要になるので忘れないように注意しましょう。
 
・ワックス塗装
ワックス塗装は、オイル塗装のように木に浸透して木を保護するというより、木の表面にとどまって汚れから守る塗装といえます。そのため濡れ色にならず、無塗装に近いさらっとした仕上がりが得られます。またワックスが材料の表面にとどまってカバーをする形で汚れなどから保護をしてくれるので、小さなお子様がいるご家庭などで床が汚れる可能性が高い方には嬉しい効果だと言えるでしょう。

ワックス塗装の床の場合も、日常的なお手入れ方法は「乾拭き」になります。特に汚れた場合にはモップのような水分を多く含んだもので拭かないように注意してください。その場合は固く絞って余分な水分を落とした雑巾で丁寧に拭き取るようにしましょう。

また無垢材の質感については、オイル塗装ほどではないですが、多少の木の質感は残っているため触り心地は悪くありません。ステイン塗料と合わせて使うとこで一層深みのある色合いになり、磨くことで淡い光沢が出ます。ただし、塗膜が熱と水に弱いというデメリットがあるため注意が必要になるでしょう。

まとめ

人気の無垢フローリングには良いところがたくさんあります。普段から多少気をつけた方が良いことや簡単なお手入れが必要な場合がありますが、毎日生活する場所だからこそ、満足のいくお部屋に仕上げたいですよね。

また、経年による変化を楽しむことができるのも無垢フローリングの魅力の1つです。適切なメンテナンスをすることでより長い期間美しいフローリングを保つことができます。

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