キッチンや浴室、サニタリールームといった水まわりは、その日一日の生活を左右する大切な空間です。その中でも水の供給源である水栓の役割は大きいものです。当たり前のように設置してある水栓(カラン)ですが、使い勝手が悪くなったり、突然機能しなくなったりすれば、それこそ一大事です。水栓は丈夫で機能性の高いものを選ぶに越したことはありません。
もちろん、そんな水栓もキッチンや浴室、サニタリールームでは形状や機能もそれぞれ異なります。また、キッチン用でも普通タイプのものから、シャワー付きのもの、浄水器内蔵型やビルトインタイプのものまで、ニーズに応じた様々なものが提供されています。
そこでこの記事では、主にキッチン用の水栓について、その種類から、機能性・利便性、そして選び方に至るまでの概要をお伝えします。
こんなにもあった!水栓(カラン)の種類
普段はほとんど意識をすることのない水栓ですが、用途により大きく分けて混合水栓と単水栓があります。このうち、ご家庭でよく見られるのは、お湯と水を混合できる混合水栓です。混合水栓とは、一つの蛇口からお湯と水または両方混合したものを供給するタイプの水栓で、場所を問わずこのタイプが現在の主流です。
一方、単水栓は一つの蛇口から水またはお湯のいずれかしか出ないものです。ご家庭でよく見られるのが浄水器用の単水栓で、手軽に美味しい水を手に入れることができます。
混合水栓には、ご家庭に最も普及しているシングルレバー混合水栓から、先進的なタッチレス混合水栓、バルブが2つ付いた2ハンドル型混合水栓、プッシュ型の混合水栓、お湯が安定的に出せるサーモスタッド型混合水栓などが知られていますが、このうちキッチン用としてはシングルレバー混合水栓とタッチレス水栓があげられます。
シングルレバー混合水栓
混合水栓のうち、ご家庭で見かけることが多いのは一つのレバーの付いた、シングルレバー混合水栓でしょう。レバー1本で水量やお湯加減を片手で調整できるので、キッチンにはなくてはならない存在です。デザインも従来のシルバー系から真ちゅう色、ホワイト色など、ご自宅のキッチンに合わせた様々なタイプのものが用意されています。
タッチレス混合水栓
予算があればぜひ取り入れたいのがタッチレス水栓です。タッチレス水栓と言えば、最近では公衆トイレなどに取り付けられている、レバーを触らずとも水が出る蛇口です。衛生的で節水効果もあることから、ほとんどの公衆トイレではタッチレス水栓が主流です。
キッチンでも両手が汚れることもしばしばですが、シングルレバーではレバーを捻らないと水が出ないため、レバーやその周りが汚れてしまいます。タッチレス水栓であれば、レバーに触れることなく水を出せます。また、タッチレス水栓は節水効果もあるほか、水回りが汚れにくく、お手入れをしやすいといったメリットもあります。さらに、停電時にはマニュアルに切り替えられる機能も備えられているため、キッチンにはぜひ取り入れたい水栓です。
キッチン用水栓の選び方ポイント
キッチン用水栓は、調理の機能性や利便性を考慮に入れた水栓を選ぶことがポイントです。もちろん、調理スタイルによっても変わってきますから、ご自分が調理しやすいような水栓タイプやレイアウトが必要になります。
例えば、お手製ハンバーグなどの手でこねる作業を頻繁に行う場合は、水栓を捻る必要のないタッチレス型の混合水栓が最適でしょう。そこまで手の込んだ調理をしないのであればシングルレバー型で十分ということも考えられます。ただ、鍋などの大きな洗い物まで含めて考えた場合には、やはり水まわりをきれいに保てるタッチレス水栓の方が、機能性・利便性の面で数段優れています。
ビーフシチューなど煮込み物がメインの場合は、お水を効率良く吐水できる単水栓をサブ的な水栓として設置する方法もあります。単水栓は浄水器用だけでなく、鍋物などお水を多めに使用したい場合にも用いることができます。このようにキッチン水栓は、日々の料理事情を踏まえて選ぶことで、よりご自身に合った水栓を選ぶことができます。
身体に優しい!浄水器専用水栓
もちろん、キッチンに取り付ける水栓はキッチン以外にも使うことができます。その中でもよく見かけるのが、浄水用単水栓をキッチン水栓の隣に取り付けるパターンです。
安価なポット型浄水器ではろ過に時間がかかるほか、置き場所も取られるということで、好きな時に好きなだけ美味しい水を飲める浄水用単水栓は人気のある商品です。
また、単水栓を用いずに、キッチン用混合水栓にあらかじめ浄水機能を内蔵させた「浄水器内蔵キッチン混合水栓」も販売されています。これであれば、水やお茶用だけでなく調理にも美味しい水が使えるので、水道水を使ったものよりも美味しい料理が期待できそうです。
キッチン用水栓は単なる水が出せればいいというものではありません。その機能性や利便性、デザインなどにより、出る水の性質から調理のやりやすさ、果ては料理の美味しさまで変わってくるものです。
まとめ
水栓には様々な種類がありますが、このうちキッチン用水栓としては、シングルレバー混合水栓とタッチレス混合水栓がよく知られています。また、最近では浄水器を内蔵させたキッチン水栓も人気があります。キッチン水栓を選ぶ際には、ご自分の生活や調理スタイルに合った水栓を選ぶようにしましょう。