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「アンティーク水屋」を見つけたら、それを中心にリノベしよう!

「アンティーク水屋」を見つけたら、それを中心にリノベしよう!

アンティーク家具と聞くとイメージしがちなのは西洋のものですが、日本のアンティーク家具も忘れてはいけません。純和風のものだけでなく、西洋の影響が色濃いものなどデザインは色々ありますが、日本のアンティークに共通するのは暮らしにしっくりくることではないでしょうか。これは私たちが日本人であることと決して無関係ではないはずです。

今回はそんな日本のアンティーク家具の中から「水屋(水屋箪笥)」を取り上げます。近年はシステムキッチン作り付けの収納に役割を奪われがちですが、水屋にしかないデザインやアンティークならではの風合いは、なつかしく新鮮に感じるでしょう。
 

茶道の世界から生まれた水屋

 


茶道の世界で生まれた水屋は、茶事の準備や片付けをするためのスペースを指しました。通常の家屋では台所に当たるのですが、備え付けられていたのが茶道具を収納するための棚でした。これが転じたのが、単に水屋と呼ばれることも多い水屋箪笥。台所に置かれることで、今でいう食器棚やサイドボード、キャビネットと同じ役割を果たしており、以下の特徴をそなえています。

・造りがしっかりしている
・引き出しや棚が多い
・引き違い戸が用いられている
・細い桟(さん)がほどこされている


造りがしっかりしている

毎日の食事のたびに開けたり閉めたりするのが水屋ですから、堅固な造りでなければいけません。そのために取っ手や補強のために鉄を用いたり、ケヤキやヒノキなどの一枚板が用いられたりします。


引き出しや棚が多い

器を分類しておいたり、箸などの細かなものを数多く収納するために、引き出しや棚が数多く設けられています。使い勝手がいいのはもちろん、デザイン上のアクセントにもなっています。


引き違い戸が用いられている

多くのケースで棚に用いられているのは、平行方向にすべらせて開く引き違い戸です。大きく左右に開閉しますが、充分ではない場合には戸を外すことができるので機能的。掃除もしやすく衛生的ともいえるでしょう。


細い桟(さん)がほどこされている

引き違い戸に細かい桟がほどこされていることが多いのも水屋の特徴です。昔は水屋に食品も保管しましたから、虫除けのために多くの場合で網戸が設けられていました。その名残ではないか?と推測されます。
 

水屋を利用したインテリア


長い間使っている水屋に愛着がわいて捨てられないとか、アンティークショップでリペアやリメイクがほどこされた水屋を見つけたとか。そのような時には、ぜひ水屋を中心にしたリノベーションを考えてみましょう。


キッチンに水屋を設置

水屋箪笥はその名の通り、元々キッチンにあるのがふさわしいものです。ならば水屋がピッタリくるキッチンにリノベーションしてしまいましょう。たとえばキッチン自体をオーダーして、アンティークの水屋とマッチさせてしまうのです。フローリングも同系統の色でまとめるか、日本の家屋らしく杉などを用いれば完璧でしょう。

また意外としっくり来るのが、シンプルなステンレスフレームキッチンとのコーディネート。アンティークに寄せるのも良いですが、全く違うテイストのものとコーディネートするのも面白いものです。


ダイニングに水屋

お客さんの目に付きやすいダイニングに、アンティークの水屋を持ってくるのも良いアイデアです。おススメは引き戸の部分がガラスになっている水屋、お気に入りの食器をしまっておくことで見せる収納にしましょう。

シンプルなデザインのダイニングセットとコーディネートすることで、和モダンな空間が出来上がります。


リビングに水屋

リビングに水屋を置くならロータイプのものがおすすめ、キャビネット代わりに使ってしまいましょう。天板が重量のあるものに耐えられるようならば、テレビ台として使うのも良さそうです。

水屋がロータイプならば、リビングセットもぜひロータイプのものを選びたいもの。琉球畳やカラー畳、座椅子、アンティークのちゃぶ台を用いて、新感覚の和室に仕上げてしまうのも良いでしょう。ロースタイルで生活することのメリットは、頭上のスペースを大きくとることで空間の広さを感じることができるところ。日本人なら床と近い位置での生活に落ち着きも感じるのではないでしょうか。
 

良いアンティーク水屋の選び方


「ゆすってみてガタツキはないか?」「引き出しや戸の開閉はスムーズか?」

これらは誰もがチェックするポイントですが、忘れてはいけないのが細部のチェックです。引き出しは全て引き抜くなど隈なくチェックをおこないましょう。特に避けるべきは現物をチェックせずに購入すること。安さにつられてオークションで購入したりすると、処分代がかかっただけだったという話も耳にします。

状態を見極める自信がないなら、おススメしたいのがアンティークショップがリペアをおこなったものです。多少割高にはなりますが、プロの手によりリペアされたアンティークなら、この先何年も現役でいてくれるでしょう。
 

まとめ

以上、アンティークの水屋について色々とお話してきましたが、難点をひとつ言い忘れていました。それは「一点物」であるということ。水屋に限らずアンティークの家具は、それ一点しか存在しないのです。ならば気に入ったアンティーク水屋を見つけたなら購入するのが吉。部屋の雰囲気に合うかどうかは二の次でいいのかもしれません。

そして水屋を中心にリノベーションをおこないましょう。壁紙に手を入れて水屋にマッチさせるだけでも空間は驚くほど変化するはず。アンティークの家具はそれだけの力を秘めたアイテムと言えるでしょう。